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顧客事例

損害保険ジャパン株式会社:Google Currents で拠点の社員同士が情報交換。コロナ禍でも人の考えや思いを伝えられる

2020年11月24日
Google Cloud Japan Team

拠点間の情報流通のスピードと質が向上

損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)は約 2 万 5,000 人の社員を抱え、全国に支店・営業部 126 か所、支社・営業所 524 か所、保険金サービス拠点 265 か所などを有する大きな組織だ。巨大ゆえに情報のやり取りも簡単にはいかない。

「全国の拠点同士の連携が必要なのですが、従来はメールで、本社からの通達がトップダウンで送られるだけで、なかなか拠点同士の情報交換が進みませんでした。Google Currents は非公式な情報交換の場として拠点の社員たちの受発信を可能にしてくれました」と、営業開発部 第二課 課長の飛澤 将臣氏は語る。

営業開発部では、官公庁や全国にまたがる広域団体を担当。全国の営業拠点とともに、大型団体や企業、その従業員などの保険制度の開発・運営を担っている。

Currents は、Google Workspace のアカウントを持つユーザが利用可能な企業向けの SNS サービスで、自由にコミュニティというグループを形成して公開・非公開で投稿できる。公開コミュニティのコンテンツならば検索して過去のデータを閲覧できる。投稿にタグ付けをすることも可能だ。

同課 課長代理の道添 勇輝氏も「全国に 500 か所以上の営業拠点があり、その間の情報流通のスピードが上がっただけでなく、情報の質も上がりました」と言う。例えば新商品や既存商品の改定などが行われると、もちろん本社から内容や想定 Q&A などの情報が社内イントラネットで送信されてくるが、実際に顧客に紹介したり、契約の段になれば想定していなかった疑問や質問が出てくる。各拠点から上がってくるこうした情報が Currents 上でリアルタイムに受発信されるため、活きた Q&A を誰もが参考にできるわけだ。それに対してまた別の人が投稿を重ねることで、情報の質が上がっていく。

「メールだと内容が固くなるが、Currents なら情報交換の垣根を低くして緩い横のやりとりもできます。私としてはもっと緩くしてもいいと思っているほどです」と飛澤氏。

損保ジャパンでは「2011 年から Google Workspace(旧 G Suite)を導入し、Gmail 、Google カレンダーを使い始め、19 年に Currents、20 年度にはドライブ、ドキュメント、スプレッドシートなど順次拡大してきました」と、IT企画部 計画推進グループの宇津木 奈央 氏は語る。

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左から:営業開発部 第二課 課長 飛澤 将臣 氏、課長代理 道添 勇輝 氏

先輩が後輩にさりげなく教える場にしたい

「以前にも社内 SNS はあったのですが、利用が定着せず、19 年 2 月から再度、Currents で挑戦し始めました。業務システムに付随したチャット機能もあるのですが、Currents は拠点間の従業員同士が気軽に連絡を取り合い、出会う場にしたいと考え、趣味のコミュニティをまず作ったのです」と、宇津木氏は語る。

最初に自転車や日本酒、野球などのコミュニティを立ち上げ、サイクリング中の写真などを投稿してもらった。当初は様子見でなかなか利用者が増えなかったが、社内の各所にいたキーパーソンが中心となってコミュニティを作ったり、投稿を促した。そのキーパーソンが飛澤氏だ。

「私が今の部署に着任したのが今年 4 月で、その前は商品開発部にいました。そのときから Currents を促進するリーダーとしてコミュニティを立ち上げ、上司の許可など不要だから遠慮せず発信してほしいと周囲に呼びかけたのです。そもそも、若い人に先輩たちがマナーやノウハウを教える慣習が次第に失われてきて、Currents が互いに教え合う場になればと考えていたのです」と飛澤氏。

飛澤氏たちリーダーはそれぞれのコミュニティで役に立つ投稿や面白い投稿を見つけると、投稿者に他のコミュニティへの投稿を促すなど地道な努力を続けた。そうした投稿には「高評価」とフォロワーが付き、褒められることでモチベーションが上がり、次第に活性化していった。

「飛澤さんは、社会人としてのさりげないマナーなどを具体的に押しつけがましくなく教えてくれます。確かに職場では先輩が後輩に教える場面が減っていますからね。こうしたマナーの他、Currents で人気のコンテンツはパソコンやアプリのちょっとした使い方で“プチテク”と呼んでいます。あと、新商品関連の知識やノウハウなども人気です」と道添氏。

飛澤氏は Currents の中でも有名人で、フォロワーが 300 人ぐらいいるという。現部署に着任した直後、テレワークで部下と会うことができなかった飛澤氏は、まず自宅の庭でテレワークをする姿を投稿し、みんなに自己紹介をしたという。

「これには部下が皆びっくりしました。でも、飛澤さんの人となりや雰囲気を伝えることに役立ったと思います。メールは情報を伝えるだけですが、Currents はその人の考えや思いも伝わることが強みです」と道添氏。

現在、約2 万 5,000 人の社員のうち、アクティブユーザーは 7,000 ~ 8,000 人、投稿数は 1 日 900 ~ 1,000 件に達し、社内では必要不可欠な情報メディアに成長した。新型コロナの感染が広がる中で、同社もテレワーク率が最大 70%、9 月時点で 45% ほどになったが、その中で Currents が威力を発揮された。

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IT企画部 計画推進グループ 宇津木 奈央 氏

Google ドライブとの連携でシームレスに情報を入手

Currents はさまざまな社内データにリンクを張れ、リンク先の画像や写真も表示できることが便利だという。「その意味では Google ドライブが役立っています。どんな重い資料も全社ドライブに入れておけばリンクで飛ばすだけでいいですからストレスがありません。全社ドライブはよく利用されており、北海道の拠点での取り組みが評価されて、全社的に社員がその事例をドライブからダウンロードし、参考にしたこともありました」と宇津木氏は語る。

また、エクセルからスプレッドシートへの移行もかなり進んだという。「共有しておけば誰かが更新しても、いちいち手元のデータを変える必要がありません」と宇津木氏。

「前の商品開発部時代にエクセルからスプレッドシートへの切り替えを促進しました。それが全社的な動きだったからです。中にはエクセルの操作方法と違うので戸惑った社員もいたので、今後も使い方を教える必要があると思っています」と飛澤氏は語る。

営業開発部では勤怠管理もスプレッドシートで行われているため、メンバーの出社情報がお互いにすぐ確認できるようになった。「従来はホワイトボードに勤怠状況を書き込んでいましたが、いまはスプレッドシートに一元化しました。誰が休んでいて、いつ出社するのかわかるので便利です」と道添氏。

そのほか、Google フォームも頻繁に使われており、ちょっとしたアンケート調査や問い合わせデータの集計には重宝しているという。フォームとスプレッドシートの連携もできるので、簡単に集計し、共有もできる。

「フォームを使って商品知識などのテストを作り、代理店の皆さんの勉強会でも使っていただいています。代理店さん向けのお問い合わせもフォームで作っており、その Q&A を代理店さんにフィードバックしています」と宇津木氏は言う。

今後はアクティブユーザーを増やすよりも、利用者全員が 1 日 1 回は Currents を見ることを日課にしたいと宇津木氏。そうなれば、さらに同社の重要な情報インフラに育つことになるだろう。


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損害保険ジャパン株式会社

SOMPOグループの中核会社として、お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質を目指したサービスを提供する損害保険会社。従業員数は 24,689 名、代理店数は 50,719 店。国内拠点は、支店・営業部 126 か所、営業課・支社・営業所 524 か所、保険金サービス拠点 265 か所、海外拠点は 30 か国・地域に及ぶ。(2020 年 4 月 1 日現在)


*2020 年 10 月、G Suite は新たに Google Workspace としてブランドを刷新しました。

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