Google Cloud FinOps によりクラウド支出を最適化する 5 つの簡単な方法
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 9 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
経済情勢は予測不可能であり、インフレ率の上昇、サプライ チェーンの混乱、費用の増加などの要因により、各企業は経費の最適化と財務回復戦略の導入を余儀なくされています。クラウドの活用が IT 資本支出の削減につながることは広く知られていますが、適切に実行されたクラウド戦略により、運用費用の削減が促され、同時にイノベーションと新機能の開発が促進されることも注目に値します。
2030 年までに、フォーチュン 500 企業はクラウド テクノロジーから 1 兆ドルを超える価値を享受すると予測されています。しかし、Flexera™ 2023: State of the Cloud 調査によると、回答者はクラウド支出の無駄が依然として 28% を超えていると推定しています。Google の目標は、不必要なクラウド費用を削減または排除する革新的な方法を見つけ出すことで、クラウドへの投資を最大限に活用できるように支援することです。これにより、運用経費(OpEx)と資本的支出(CapEx)を最適化できます。
こうしたお客様の取り組みを支援するために、Achieving cloud financial resilience with Cloud FinOps(Cloud FinOps によるクラウドの財務的なレジリエンスの実現)というガイドをまとめました。このガイドは無料でダウンロードできます。すぐに大きな成果を達成できるように必要な労力が少ない変更に焦点が当てられており、迅速なスタートを切ることができます。FinOps への取り組みが勢いを増していくなかでこのガイドを役立てることで、お客様はガバナンス機能を立ち上げ、組織内に費用を意識する文化を醸成し、持続可能なビジネス成果を推進できます。
Google Cloud を使用して簡単に実装できる、いくつかの重要なクラウド費用の最適化方法を簡単に見てみましょう。これについては、他の多くの FinOps 戦略とともにガイドで詳しく説明されています。
- アイドル状態のリソースを削除
アイドル状態のリソースが見つかった場合、それは余分なクラウド支出を削減するための最適な出発点となります。そのため、Google Cloud FinOps Hub は、VM、データベース、ディスク、IP などのリソースがアイドル状態になったときに事前にアラートを出すようになっています。
- クラウド リソースを適正サイズに調整
クラウドの支出を最適化する最良の方法の一つは、実際に使用しているリソースの対価のみを支払っていることを確認することです。適切なツールを使用していない場合、適切なサイズ調整は驚くほどの難題になる可能性があるため、Google Cloud FinOps Hub と GKE Cost Optimization センターを使用して適切なサイズ調整をより簡単に行えるようにしました。
- 確約利用割引を最大限に活用
確約利用割引(CUD)では、所定の期間における最小限のリソースの使用または支出を確約することで、大幅な割引を利用できるようになります。つまり、確約期間が長いほど、節約額が高くなるというものです。リソースベースの CUD は VM に適用されますが、支出ベースの CUD は VM、データベース、マネージド サービスなどに適用できます。
- マネージド サービスに移行
Google Cloud は、いくつかのよく利用されているワークロードのマネージド サービス バージョンを多数提供しており、多くの場合、オンプレミスで実行するよりもはるかに優れた ROI が得られます。いくつかの例として、コンテナ用の GKE、データベース用の Cloud SQL と AlloyDB、データ ウェアハウス用の BigQuery などがあります。
- 請求用ツールを使用
数字が見えない場合、チームはどのようにして支出額を把握するのでしょうか?Google Cloud では、コンソールの請求レポートと費用の内訳にアクセスできます。これらは、支出、予算、アラートを分析して費用を抑えるための可視性や、予測の改善を促進する費用見積もりなどを提供します。
上述の 5 つの簡単な方法から始めていただくのが早道ですが、前述したようにできることはもっとたくさんあります。5 つの簡単な方法と FinOps の取り組みを継続する方法の詳細については、無料の完全ガイド Achieving cloud financial resilience with Cloud FinOps(Cloud FinOps によるクラウドの財務的なレジリエンスの実現)をダウンロードのうえご覧ください。


-Cloud FinOps、費用最適化担当プラクティス リード Pathik Sharma
-クラウド移行担当シニア プロダクト マーケティング マネージャー Tom Nikl