Anthos でビジネス継続性を実現するための 3 つの方法
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 6 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
急増する需要に対応するために事業規模を拡大する場合でも、コスト管理のために事業規模を縮小する場合でも、組織にとってビジネスの継続性はこれまで以上に重要になっています。現在のような状況下では、適切なバックアップや障害復旧計画よりも、ビジネス継続性の方が優先されます。
Google の新しいホワイトペーパー「Beyond business continuity: Three IT strategies for navigating change」では、ビジネスの継続性をより広義に捉えていて、将来のあらゆる可能性に対処するために今後の計画を練って万全な対策を立てようとする組織に役立つ内容となっています。
ホワイトペーパーの概要は次のとおりです。
戦略 1: アプリケーションの構築と運用を担当する開発者や IT プロフェッショナルを十分に確保できるようにする。
最近発行されたニュース レポートでは、システムの稼働を維持するために COBOL プログラマーを探している組織が取り上げられていました。このような組織は、レガシー アプリケーションの管理と新しいアプリケーションの構築を容易にする標準化テクノロジー プラットフォームを導入すれば、数十年前に生まれたプログラミング言語に精通する従業員を探す手間を省くことができます。
標準化テクノロジー プラットフォームは将来的にも役立ちます。最新のテクノロジーで IT を運用すれば新たな人材を確保しやすくなり、独自システムへの依存度が低くなります。OSS ツールを使ったプラットフォームの実装は、人材へのアクセス拡大とベンダー ロックイン回避を実現する方法のひとつです。
戦略 2: IT サービスを 24 時間年中無休で提供し、需要に応じて拡大、縮小して、コストを管理できるようにする。
適切な障害復旧とデータ バックアップの計画を立てるよりも、既存のアプリケーションをクラウド ネイティブ アーキテクチャにモダナイズする方が高い成果を得られます。クラウド ネイティブ アーキテクチャなら、市場の状況に応じてサービスを拡大または縮小できるため、コストを管理しながら、中断なしでサービスを提供できます。さらに、コンテナ、サーバーレス、サービス メッシュなどの最新のクラウド ネイティブ テクノロジーにより、密結合モノリシック アプリケーションより簡単に更新やスケーリングができるモジュール式アーキテクチャを使用してマイクロサービス ベースのアプリケーションを構築できます。
戦略 3: 障害を迅速に軽減しながら、オペレーターの認知的負荷を最小限に抑えるコントロールと自動化を実現して、運用を一元化する。
現在のような状況下では、IT リーダーは短期的、長期的に変わっていくビジネス目標を支援するために、投資に優先順位を付け、コストを最適化するよう迫られています。旧式テクノロジーの置き換えに優先的に予算が割り当てられた結果、より多くの業務をより少ない労力で遂行するよう求められることもあるでしょう。標準化テクノロジー プラットフォームに投資することで、オブザーバビリティが向上し、アプリケーションの構成とセキュリティを一貫して管理、維持するツールが提供されるため、時間と労力を削減できます。また、GitOps アプローチを採用し、標準化プラットフォームに最新の CI / CD を実装することで、インフラストラクチャをアプリケーションから切り離し、運用の柔軟性と制御を向上させることができます。
Google のアプリケーション モダナイゼーション プラットフォーム、Anthos は、これらの戦略をすべてサポートするだけでなく、サービスの高可用性やスケーラビリティ、データ保護、セキュリティを実現します。コンテナやサービス メッシュなどの最新テクノロジーが簡単に使用できるようになっているため、アプリケーションを一から構築し直すのではなく、既存のアプリケーションをモダナイズして新しいアプリケーションを構築できます。また、デフォルトでセキュリティのゼロトラスト モデルが実装されているので、信頼性の高い IT サービスを提供できます。Anthos では宣言型のアプローチでポリシーと構成の管理を行えるので、IT 運用を中断なしで制御、自動化できます。
戦略と Anthos 導入のメリットについて詳しくは、「Beyond business continuity: Three IT strategies for navigating change」をご覧ください。
- By Office of the CTO テクニカル ディレクター Marcus East