Cloud Storage の Autoclass 機能で費用最適化の簡素化と自動化を実現
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 11 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
IT 管理者や企業の大半が定期的に取り組んでいる課題に、データの爆発的増加が挙げられます。そして、費用対効果、耐久性、スケーラビリティの観点から、非構造化データを保存するうえで第一候補となるのがオブジェクト ストレージです。Cloud Storage は、エクサバイト規模のデータを保存できるオブジェクト ストレージ サービスで、数兆個とは言わないまでも数十億個のオブジェクトを容易に管理できます。しかし、難題なのが、オブジェクト ストレージに保存されたデータの費用最適化です。
データに適したストレージ クラスを選択するには、そのデータのアクセス パターンを知る必要があります。とはいえ、アクセス パターンが不明であったり、予測できなかったりする場合、お客様がデータに適したストレージ クラスを選択するのが難しいことも多々あります。また、アーカイブ クラスのストレージ料金は Standard Storage クラスのストレージ料金の 6% であるため、データ配置は費用面に大きな影響を与えかねません。アクセス頻度の高いデータが、アクセスする頻度がより低い(コールドな)ストレージ クラスにあると、予期しないオペレーション料金が発生する可能性があります。また、アクセスされないデータが Standard Storage にあると、保存時のストレージ料金が高額になる可能性があります。
IT 管理者や組織が、さまざまなアプリケーションやワークロードを有効にして大規模にオブジェクト ストレージを活用し始めると、費用の最適化は指数関数的に解決が難しくなるばかりです。そのため、ワークロードをクラウドに移行する際、全体的なストレージ費用を予測して管理したいと考えています。データを自動的に最適なストレージ クラスに配置する方法があれば、素晴らしいと思いませんか?
Cloud Storage の新しいマネージド データ配置サービスである Autoclass をご紹介します。
TCO を削減しながらライフサイクル管理を簡素化
Autoclass は、最後のアクセス時間に基づいて、すべての Cloud Storage データのライフサイクル管理を簡素化して自動化する、簡単に使えるバケットレベルの設定です。
この機能はワークロードのアクセス パターンが予測不可能な場合や未知の場合に非常に役立ち、アクセスされないデータを、アクセスする頻度がより低い(コールドな)ストレージ クラスに自動的に移動して、保存時のストレージ料金を削減します。コールドデータにアクセスがあると、自動的に Standard Storage クラスに昇格させ、以降のアクセスのオペレーション費用を最適化します。
Autoclass は、お客様のワークロードに最も適した料金のストレージ クラスにデータを移動させることで、自動的に費用を削減し非効率性を取り除くことができます。
バケットで Autoclass を有効にすると、早期削除料金、検索料金、またはクラス移行のオペレーション料金が発生しないため、企業はアクセスする頻度がより低いストレージ クラスに関連する追加料金を排除して、料金を予測できるようになります。
Autoclass に関するお客様の声
「Redivis は、学術研究向けのデータ プラットフォームです。データ管理者と研究者を結びつけ、ペタバイト規模のデータを発見、理解、分析します。Cloud Storage の Autoclass を使用することで、研究コミュニティのパラダイムシフトが引き起こされます。費用を削減しながら、より多くのデータをより長期間保存できるようになりました。実際、私たちのデータの 90% が Autoclass の恩恵を受けると見積もっています」と Redivis の共同創設者兼 CEO である Ian Mathews 氏は述べています。
さらにこう続けます。「費用最適化の仕組みを自社で構築することは、貴重なエンジニアリング リソースの消費につながるだけでなく、時期尚早にアーカイブされたデータの回収費用が発生する負担の大きな間違いを犯してしまう可能性があります。Autoclass はストレージ費用の低減に役立つうえ、シンプルで自動化された方法で料金を予測できます。」
Autoclass の使用
今回のリリースでは、CLI、API、または Cloud コンソールを使用して、新しい Cloud Storage バケットを作成する際に Autoclass を有効にできます。バケットで有効にすると、無効になるまでバケットにアップロードされたすべてのオブジェクトのライフサイクルが Autoclass によって管理されます。
Autoclass を無効にした場合、バケットのすべてのオブジェクトは現在のストレージ クラスのまま維持されます。この無効化では、データを移動したりオブジェクトのストレージ クラスを変更したりする必要がないため、料金は発生しません。
既存の Cloud Storage バケットで Autoclass を有効にするためのサポートは、2023 年の今後のリリースで提供される予定です。
Autoclass で実行される移行はすべて、Cloud Monitoring ダッシュボードを使って確認できます。これによってオブザーバビリティが容易になるため、Autoclass がデータに対して行っていることを自動的に検証できます。これらのダッシュボードでは、Autoclass 用に公開された 2 つの新しい Cloud 指標を活用できます。
Autoclass によって移行されたオブジェクト数(autoclass/transition_operation_count)
Autoclass によってクラス間で移行されたバイト数(autoclass/transitioned_bytes_count)
ご利用方法
Cloud Storage をご利用のすべてのお客様が、新しいバケットで Autoclass を有効にし、費用削減を実現できます。Autoclass を有効にするための詳細および詳しい手順については、こちらのドキュメントをご覧ください。
- Google Cloud アウトバウンド プロダクト マネージャー Nishant Kohli