GKE が新しいソフトウェア定義の NetApp Cloud Volumes Service を強化
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 9 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
企業は業務の柔軟性とアジリティを求めて基幹的なワークロードをクラウドに移行しています。また、ストレージ プラットフォームには機能や品質を損なうことのない進化が求められています。特に、クラウドで実行されるエンタープライズ ワークロードには、稼働時間、予測可能なパフォーマンス、データ管理、スケーラビリティ、保護機能、アプリケーションのポータビリティ、データ モビリティなどの複雑な運用要件を処理できるストレージ プラットフォームが必要です。
NetApp Cloud Volumes Service for Google Cloud は、Windows、仮想デスクトップ インフラストラクチャ(VDI)、SAP HANA、Google Cloud VMware Engine で実行される VMware などのエンタープライズ ワークロードを実行すると同時に、これらのエンタープライズ ストレージ機能を提供するように構築されています。本日、Google は、新しいソフトウェア定義の Cloud Volumes Service(CVS)(ベータ版)を発表いたします。既存の CVS サービスは NetApp ハードウェアを利用していますが、ソフトウェア定義の CVS は Google Kubernetes Engine(GKE)により強化され、NetApp の ONTAP データ管理ソフトウェアのコンテナ化されたバージョンで構成されます。この種類では初のエンタープライズ ファイル ストレージ サービスは、5 つの Google Cloud リージョンで利用可能で、今後数か月でさらに拡大される予定です。さらに、すでに CVS があるリージョンで現在ご使用中の Google Cloud のお客様は、障害復旧技術 NetApp SnapMirror®(アルファ版)に基づいてクロスリージョン ボリューム レプリケーションへアクセスできるようになりました。これにより、データの耐久性と可用性への信頼性が強化されます。
Google Cloud への移行を簡単にする
Cloud Volumes Service により、Google Cloud と NetApp は、エンタープライズがクラウドに重要なワークロードをデプロイする機能を簡素化しています。たとえば、Microsoft のお客様は、SMB プロトコル サポートを使用して、Windows Server インスタンスを再ホストして移行を加速し、分散したファイル サーバーの統合と、デジタル ワークスペースのモダナイズを行うことができます。同様に、Cloud Volumes Service は、SAP HANA のお客様による、最適なアプリケーション パフォーマンスの大規模な確保、ほぼゼロの RTO が求められる重要なワークロードにおけるデータ保護、開発ライフサイクルの最適化をサポートします。これらの機能はすべて、CVS サービスを介して、ネイティブの Google Cloud Console から直接利用できるようになりました。
Cloud Volumes Service はソフトウェア定義になりました
新しいソフトウェア定義の Cloud Volumes Service は、GKE で提供される最初のエンタープライズ ストレージ システムで、ONTAP のアプリケーション データ管理機能および Kubernetes のクラウドネイティブのアジリティと柔軟性を備えています。このサービスは、NetApp と Google Cloud の両方による緊密なコラボレーション エンジニアリングの作業を通じて可能となりました。これは、エンタープライズ インフラストラクチャのモダナイゼーションに対する各企業の共同コミットメントに基づいています。新たなクラウドネイティブのアプリケーションと従来のエンタープライズ アプリケーションは共に、迅速なスケーリングや高可用性などのエンタープライズ クラスの機能を有するクラウドネイティブのストレージを、南北アメリカと欧州全体へのリージョン サポート拡張により、活用できるようになりました。
ソフトウェア定義でコンテナ化された ONTAP Cloud Volumes Service を実現するために、Google Cloud と NetApp は GKE 用の数多くのネットワーク機能において連携しています。たとえば、最新の GKE ネットワーキング構造で連携することにより、Cloud Volumes Service は、お客様の IP アドレスに使う容量を削減することなく、非常に大きな容量に安全にアクセスできます。新しいモジュールを実装して、ファイル サービスの可用性を最適化することで、ONTAP と GKE の両方のコンポーネントは、NetApp ストレージ アーキテクチャのベスト プラクティスと一致している単一のシステムとして動作します。
Cloud Volumes Service には Google Cloud Console からアクセスし、新規および既存の一般的な共有ファイル ワークロードをデプロイするためのソフトウェア定義の形式で、または SAP HANA などの優れたスループットと低レイテンシのビジネス クリティカルなワークロードを実行するための既存の高パフォーマンス サービスを使用することによって、Volume を使用できるようになりました。
新しいリージョンでの可用性
Cloud Volumes Service は、新しいリージョンに拡大することでフットプリントを倍増し、お客様のサービスへの要望に対処しています。これらの新しいリージョンの一部を次に示します。
オレゴン(us-west1)
サウス カロライナ(us-east1)
ベルギー(europe-west1)
フィンランド(europe-north1)
サンパウロ(southamerica-east1)
オランダ(europe-west4)
モントリオール(northamerica-northeast1)
リージョンは常時追加されています。全一覧についてはこちらをご覧ください。
各月の稼働率の向上
Cloud Volumes Service を GKE で実行すると、可用性が向上します。一般提供の時点で、Cloud Volumes Service の計画復旧時間目標(RTO)は 90 秒未満、稼働時間目標 SLA は 1 ボリュームあたり 99.95% です。
セキュリティ
GKE に構築することにより、Cloud Volumes Service は、それぞれのお客様に独自のプライベート接続と VPC を提供して、完全なデータの分離とプライバシーを実現しています。Google Cloud のマルチレイヤ インフラストラクチャ セキュリティは、強力な AES-256 ビット暗号化を使用して保存データを暗号化し、Google のプライベート サービス アクセス フレームワークを使用して安全に配信します。
エンタープライズ向け機能
ソフトウェア定義の Cloud Volumes Service は、汎用のワークロード(Windows ワークロード、SAP 共有ファイル、ウェブ アプリケーション、CI/CD ワークフロー、ユーザー ファイル共有など)に最適であり、次のエンタープライズ向け機能を備えています。
オンプレミスのツールのポータビリティおよび Google Cloud Console での NetApp 構造の運用の基本知識。
オンプレミスからの、またはリージョン間での Volume への迅速なアクセス。
NFS を使用したプロトコルの組み合わせは現在サポートされており、SMB を使用した組み合わせは間もなくサポートされます。
優れた費用対効果の NetApp スナップショットや Google Cloud Storage へのバックアップなどの高パフォーマンスで高度なデータ管理機能。
中断のない Volume のサイズ変更とパフォーマンスを備えたシンプルなスケーラビリティ。
それぞれ最大 100TB で、ゾーンごとに 1 プロジェクトあたりで最大 100 Volume。これは、イノベーションの需要に適合するよう拡張を行うための空き容量が常に存在することを示しています。
さっそく試してみましょう。NetApp では現在、Google Cloud で 25TB の Cloud Volumes Service を無料で提供しています。登録方法.
-Google Cloud Office of the CTO テクニカル ディレクター、Dean Hildebrand