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サーバーレス

Cloud Run で、新規市場へ迅速にスケーリング - ウェブ モダナイゼーションの物語

2022年3月30日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 3 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。


編集者注: 本日の投稿は、ウェブサイトのインフラストラクチャをオンプレミスからクラウドへ移行する際に、どのようにスケーリングしていくかという問題へのソリューションについて述べたものです。これは、Les Echos Le Parisien Annonces(LVMH の子会社である Groupe Les Echos の一部門)と Google の技術チームが、最適なツールを見つけるためにコラボレーションした結果です。


すべてのテクノロジーは、設定したその日から老朽化が始まり、時間の経過とともに、なんらかの更新が必要になってきます。Les Echos Le Parisien Annonces(LVMH の子会社である Groupe Les Echos の一部門)では、メインのウェブサイト(「publication annonce légale」)に加え、フランス国内のさまざまな地域や世界各地のフランス領の読者に向けたローカル マーケット サイトを多数運営しています。それぞれのローカル マーケット サイトでは、豊富なサービスとコンテンツが、CMS を駆使した一連のサイト上で提供されています。

今まで、こうしたサイトは専用のオンプレミスのインフラストラクチャによって提供されていました。サイトの数の増加に応じて、垂直方向のスケーリングを使用してマシンのキャパシティを増加させてきたのです。しかし、時間が経つにつれ、こうしたやり方に問題が生じてきます。まず、新しいサイトの作成のたびに、複数の共有構成を変更し、アーキテクチャのモノリシックな部分をいくつか修正する必要がありました。すべてのサイトがサービス スタックを一部共有しているため、1 つのサイトで問題が発生すると、他のサイトもすべてダウンする可能性があったのです。サービス提供パスの信頼性は、当社やお客様が期待する可用性に達することができませんでした。Les Echos と Google は、こうした問題を解決するために知恵を出し合い、新しいサイトをそれぞれ素早く独立して立ち上げることができる新しいサーバーレスのデプロイ パターンを考案しました。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Groupe_Les_Echos.max-1400x1400.jpg

従来型の PHP CMS ソリューションが稼働していた各サイトは、コンテナ化され、独立した構成とデータベースを持つ独自の Cloud Run サービスとしてデプロイされるようになりました。つまり、各サイトは垂直方向にスケーリングされ、その地域で活動のない時間帯にはゼロにまで縮小されます。Cloud Run は GCP リージョン全体で利用可能なため、リーチしたい市場に一番近いサイトをデプロイすることができます。カスタマー エクスペリエンスのさらなる向上のため、これらの各サイトは Cloud ArmorCloud CDN を備えた Cloud Global Load Balancing の背後で実行され、さらなるセキュリティとパフォーマンスを提供しています。初期の試験運用である 30 サイトの結果は好調で、残りの 150 サイトの移行も現在進めています。新しいサイトを追加するのに必要な時間は、数時間から数分に短縮されました。以前は新しいサイトへの投資の評価や認定に時間がかかっていましたが、これにより、Les Echos は、市場における新たな機会をより迅速に見出せるようになりました。

このサーバーレスなアプローチの採用は、Google Cloud へのモダナイゼーションの取り組みへの大きな一歩と言えます。コンテナを使用して既存のソフトウェアに対し再設計とプラットフォームの再構築の両方を行うことで、労力を削減しながら成長をサポートすることが可能となりました。



- Les Echos Le Parisien Annonces テクニカル マネージャー、Philippe Granger
- Google カスタマー エンジニア、Adrien Aflalo
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