Cloud Run のダイレクト VPC 下り(外向き)の一般提供を開始
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 4 月 24 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
このたび、Cloud Run のダイレクト VPC 下り(外向き)の一般提供(GA)が開始されました。この機能を使用すると、Cloud Run リソースで、サーバーレス VPC アクセス コネクタ経由でプロキシを行わなくても、VPC ネットワークに直接トラフィックを送信できます。これにより、より少ない費用で、簡単かつ迅速なセットアップが可能になります。
実際、ダイレクト VPC 下り(外向き)は、VPC コネクタとデフォルトの Cloud Run インターネット下り(外向き)パスの両方との比較で、インスタンスあたり毎秒最大 1 GB という約 2 倍のスループットを実現しています。トラフィックの送信先が VPC 上の宛先、Cloud Storage のような他の Google Cloud サービス、パブリック インターネット上の他の宛先のいずれであっても、ダイレクト VPC 下り(外向き)は、パフォーマンス重視のアプリに高いスループットと低いレイテンシを提供します。
プレビュー版の新機能
注目すべき改善点と新機能:
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Cloud Run を利用できるすべてのリージョンで、ダイレクト VPC 下り(外向き)が有効になりました。
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ダイレクト VPC を使用した Cloud Run サービスのリビジョンごとに、割り当てで制御できるインスタンスを 100 個以上にスケールできるようになりました。さらにスケールする必要がある場合は、標準の割り当て増加リクエスト プロセスを使用できます。
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Cloud NAT に対応し、ダイレクト VPC 下り(外向き)トラフィックが VPC フローログとファイアウォール ルール ロギングに含まれるようになりました。
これらのアップデートは、プレビュー版のお客様、中でも高度なスケーラビリティ、ネットワーキング、セキュリティの要件を持つ大規模なお客様から報告された主要な問題に対処しています。
お客様からのフィードバック
昨年より、DZ BANK を含む多くのお客様にダイレクト VPC 下り(外向き)のプレビュー版をお試しいただいており、素晴らしいフィードバックが寄せられています。
「Cloud Run のダイレクト VPC 下り(外向き)により、サーバーレス VPC アクセス コネクタとそれに関連付けられた専用の /28 サブネットを維持する必要がなくなったため、プラットフォーム チームは新しい Cloud Run ワークロードをより簡単にオンボーディングできるようになりました。新しい Cloud Run サービスが定期的に作成される当社の動的な環境で、このシンプルなネットワーキング アーキテクチャにより、手作業を要する時間が週あたり 4~6 時間短縮されました。また、30 以上の VPC コネクタをデプロビジョニングし、それらの稼働にかかっていた追加のコンピューティング費用を節約しました。」- DZ BANK、シニア クラウド エンジニア Tim Harpe 氏
ダイレクト VPC 下り(外向き)を有効にしてすべての下り(外向き)トラフィックが VPC に送信されるようにすると、Cloud Run、GKE、VM からのすべてのトラフィックに対して同じツールと機能を使用できます。
次のステップ
ダイレクト VPC 下り(外向き)は、本番環境ワークロードに対応しています。今すぐお試しいただき、より少ない費用でより優れたパフォーマンスをお楽しみください。
ダイレクト VPC 下り(外向き)の仕組みの基礎については、プレビュー版に関するブログ投稿と、ブログ投稿に掲載されている解説動画をご覧ください。
ー デベロッパーリレーションズ エンジニア Wietse Venema
ー サーバーレス ネットワーキングおよびセキュリティ担当プロダクト マネージャー Xiaowen Xin