サーバーレス

マネージド Knative サービスの Cloud Run を一般提供開始

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※この投稿は米国時間 2019 年 11 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

私たちは、お客様の組織がクラウドへの移行のどの段階にあっても、もしくはオンプレミス環境、マネージド Kubernetes 環境、フルマネージドのサーバーレス コンピューティング プラットフォームのどれを使用していても、それに関係なくデベロッパーをサポートすることを目指しています。このほど一般提供(GA)を開始した Cloud Run は、お客様が進めているクラウドへの取り組みがどのようなものであれ、デベロッパーが価値の高いコードの作成に集中できるよう支援します。具体的には以下のとおりです。

  • Cloud Run : フルマネージドのサーバーレス実行環境です。インフラストラクチャを気にせずにコンテナ化されたステートレスなアプリケーションを実行できます。

  • Cloud Run for Anthos : オンプレミスまたは Google Cloud で動作する Anthos GKE クラスタに Cloud Run アプリケーションをデプロイできます。

  • Knative : Cloud Run の基盤であるオープン API およびランタイム環境です。ワークロードのポータビリティとサーバーレスなデベロッパー エクスペリエンスを、場所を問わず既存の Kubernetes クラスタにもたらします。

フルマネージドの Cloud Run

Cloud Run は、サーバーレスとコンテナの “いいとこ取り” を実現します。基盤となるインフラストラクチャの管理に煩わされることなく、任意の言語でコードを作成でき、任意のバイナリも使用できます。コンテナを HTTP リクエストによって数秒で呼び出せるネイティブなサーバーレス エクスペリエンスを提供し、開発速度を向上させます。課金については、使用したリソースのみが対象となります(100 ミリ秒単位で課金)。

また、Cloud Run ワークロードは完全にポータブルです。Google Cloud 上、オンプレミスで動作する Anthos 上、Google Cloud で動作する Anthos 上で、または Knative をサポートするサードパーティ クラウド プラットフォーム上で、Cloud Run ワークロードをフルマネージドで実行できます。

すでに Narvar のようなお客様は、フルマネージドの Cloud Run によってもたらされるメリットを活用しています。同社は、購買後の対応を支援する小売業者向けのプラットフォームを手がけています。

「Google Cloud Run のおかげで、デベロッパーは DevOps に一切携わることなく、大規模な新サービスを開発できるようになり、そのスピードは 3 倍に向上しました。同様に重要なこととして、まったく新しい商品とビジネス モデルの開発を Cloud Run が手助けしてくれたことが挙げられます。これまでそのような開発は、他のソリューションによる制約のために不可能でした。」

― Narvar の CTO、Ram Ravichandran 氏

マネージド コンピューティング プラットフォームである Cloud Run は、Stackdriver のモニタリングやロギングといった機能を備えた Cloud Console に統合され、導入してすぐに本番環境で利用できます。Google Cloud Platform(GCP)の CLI である gcloud とも高度に統合されており、Cloud Run サービスを各種プラットフォームにデプロイして管理するための一貫したインターフェースを提供します。

Cloud Run for Anthos

お客様の組織が Kubernetes を活用して既存リソースのモダナイゼーションと最適化を行うとしましょう。その場合、Anthos と Cloud Run for Anthos を組み合わせて適用すれば、その移行をスムーズに進め、適切にモダナイズすることができます。Cloud Run for Anthos を使用することで、デベロッパーは、Kubernetes の概念を学ぶことなく、簡単にサーバーレス アプリケーションを作成して Anthos クラスタにデプロイできます。Cloud Run for Anthos が、リクエストトラフィック量に応じてコンテナ インスタンスのスケールアウトやスケールインを実施し、ゼロへのスケーリングも行います。

Cloud Run for Anthos は、既存のアプリケーションを将来にわたって利用することも可能にします。オンプレミスのレガシー アプリケーションをオンプレミスのままモダナイズしたい場合や、クラウドに拡張したい場合に Cloud Run for Anthos を使用すれば、既存サービスとプライベートに通信するマイクロサービスを立ち上げることで、すべてを同じ Anthos クラスタで動作させることができます。

Cloud Run for Anthos アプリケーションをクラウドに移行しようとする場合も、フルマネージドの Cloud Run に再デプロイすれば済みます。自社のデータセンター、もしくは Knative 互換環境が動作するサードパーティ クラウドにワークロードを戻すことも選択できます。お客様の 1 社である QiTech は、Cloud Run for Anthos について次のように述べています。

「Cloud Run for Anthos は、アプリケーション レベルの自動スケーリングのような追加機能を Kubernetes クラスタに提供し、クラスタ スケーリングを必要に応じて管理することを非常に簡単にしてくれます。Cloud Run for Anthos は、Kubernetes のベスト プラクティスに従ったさまざまなアクションを抽象化しているため、私たちはインフラストラクチャよりもサービスに集中できます。」

― QI Tech のリード DevOps エンジニア、Danilo Porto 氏

私たちは有力な ISV パートナーと協力し、Cloud Run for Anthos の重要な機能の拡張に取り組んできました。そうした機能には、CI/CD やアプリケーション パフォーマンス モニタリング(APM)、セキュリティなどが含まれています。また、Cloud Run for Anthos はこのほど、CircleCI、CloudBees、Datadog、Dynatrace、GitLab、JFrog、New Relic、Octarine、Palo Alto Networks、PureSec、Sumo Logic、Sysdig によるサポートも獲得しました。こうした企業とのパートナーシップにより、お客様は人気の ISV ソリューションを利用し、既存のツール投資を生かした形で Cloud Run for Anthos を簡単に統合できます。

Google Cloud で動作する Cloud Run for Anthos は、2020 年 5 月 14 日まで無料で試用できます。その際、Google Kubernetes Engine(GKE)以外の追加費用は発生しません。

Knative : Cloud Run のベース

Cloud Run は、部分的には、私たちの長年にわたるオープンソースへのコミットメントの賜物です。私たちは、デベロッパーが Kubernetes 上でより簡単にサーバーレス アプリケーションを作成できるよう支援するため、1 年以上前から Knative プロジェクトに取り組んできました。IBM、Pivotal、Red Hat、SAP、TriggerMesh といった業界リーダーの協力を得て開発した Knative は、モダンなサーバーレス ワークロードを任意の場所で構築、デプロイ、管理するのに不可欠なコンポーネントを提供します。

Knative プロジェクトは、100 以上の組織と約 450 人の個人コントリビューターによってサポートされています。すでに T-Mobile のような企業が革新的なアプリケーションを構築し、Knative を本番環境で利用しています。過去 1 年間に公開された Knative のリリースでは、Kubernetes フレームワークの成功事例から得られたベスト プラクティスの体系化に加え、これまで約束してきた Knative のポータビリティと使いやすさを実現するうえで助けとなるフィードバックの収集に重点が置かれてきました。私たちは、こうして学んだことを Cloud Run に注ぎ込み、サーバーレスなデベロッパー エクスペリエンスを場所を問わず Kubernetes クラスタに提供することを目指しています。

Cloud Run が提供するサーバーレス コンテナ環境

私たち Google は、サーバーレスのパワーとコンテナのメリットを確信しており、この両方のいいとこ取りを Cloud Run で実現します。また、サーバーレス コンテナを構築するツールはコミュニティによってオープンに開発されなければならないと、私たちは考えています。

こちらのサーバーレス ワークショップをご覧いただき、ぜひ Cloud Run をお試しください。Cloud Run for Anthos をすでにお使いの場合は、GKE クラスタをアップグレードしてください。お客様のクラウドへの取り組みをお手伝いできることを私たちは楽しみにしています。

- By Oren Teich, Director of Product Management, Google Cloud and Pali Bhat, Vice President of Product & Design