Southwire、SAP クラウドへの移行によりデジタル トランスフォーメーションを推進
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 5 月 4 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
「大変な時期でしたね。」
Southwire Company の IT サービス担当シニア バイス プレジデントである Dan Stuart 氏は、ランサムウェアの問題が発生した 2019 年 12 月から、コロナ禍となった 2020 年春までの数か月間についてそう述べています。これらの問題は、ちょうど社内で SAP 環境のオーバーホールの準備が行われているときに発生しました。この包括的なプランには、3 つの主要な要素がありました。第一に、この重要な ERP システムで利用できる最新機能を活用するため、SAP ECC 環境をアップグレードしたいと考えていました。第二に、SAP HANA で SAP Business Warehouse をデプロイし、すべてのビジネス ユーザーにとって重要なレポート機能の高速化を目指しました。第三に、最新バージョンの SAP Process Orchestration にアップグレードしたいと考えていました。これは、Southwire の施設すべての主要な製造インターフェースに影響を与える重要なコンポーネントです。
Southwire ではこのアップグレードに関し、全体をオンプレミスに保持する案、コロケーション、完全なクラウド移行など複数の選択肢が検討されていました。Southwire の PMO & ITS 計画および実装担当シニア ディレクターを務める Joe Schleupner 氏は、次のように述べています。「クラウド移行がより魅力的に思えました。最終的にはクラウドに移行するつもりなのに、このような中間ステップが必要でしょうか。すぐに取り掛かるべきだと思いました。」
複数の選択肢を検討した結果、Southwire は Google Cloud への移行を決定しました。Stuart 氏は次のように述べています。「Southwire は、スケーラブルで柔軟性と安全性に優れ、迅速な立ち上げと稼働を可能にする SAP のプラットフォームを求めていました。Southwire が Google Cloud を選んだのは、そうした理由だけでなく、Google が人工知能(AI)の技術など、Southwire がこの先活用できそうな他のアセットも持っていたからです。」
さらなる安定感で、心配事を少なく
Southwire は、送電と配電に使用されるワイヤーやケーブルの主要メーカーの一社として、世界中の何百万もの人々への電力供給をサポートしています。米国全土に 30 以上の製造拠点があり、24 時間年中無休で稼働しています。いかなるダウンタイムも、生産性や収益に直接影響します。Google Cloud と実装パートナーの NIMBL の協力のもと、Southwire は計画的なメンテナンスを行った 7 月 4 日の週末に、Google Cloud への SAP の移行を完了しました。
移行自体は複雑だったものの、迅速かつスムーズに進みました。「大量のデータを扱ったため、クラウドへの移行だけでも大変な作業でしたが、SAP システムが停止したのは合計でわずか 16 時間でした」と Schleupner 氏は述べています。
「プロジェクト マネージャーとして、Google Cloud に常に支えられていると感じていました」とも語っています。特に Process Orchestration(PO)の移行は、Southwire のすべての製造インターフェースを全社的に管理していることから、懸念事項となっていました。同氏はまた、「SAP から製造システムに提供される重要な情報は、すべてそのシステムを経由します」と述べています。
移行後も、システムの変更は迅速かつ簡単で、ダウンタイムが発生しないことがわかりました。通常、ある種の変更を行うには、少なくとも 1 時間は SAP を停止しなければなりません。
また、最新のクラウド アーキテクチャを使用することで、インフラストラクチャの日常的なメンテナンスに費やす時間を削減できた点も、Southwire のチームは評価しています。Stuart 氏は次のように述べています。「これで心配事が 1 つ減りました。私はビジネス面に集中し、技術と責任については Google Cloud Platform 内でのオペレーションに委ねることができます。」
次のステップ
クラウドへの移行により、安定性、稼働時間、パフォーマンス、セキュリティが向上しますが、それだけではありません。Southwire は現在、Google Cloud 上の SAP 環境における障害復旧の実装に取り組んでいます。Stuart 氏と Schleupner 氏は、Google Cloud によって Southwire がさらなる進化を遂げることを期待しています。SAP Hybris による e コマースや、人工知能や機械学習を活用したコネクテッド ファクトリー、ファクトリー オートメーションの導入を検討しています。
両氏にとって Southwire の SAP 環境を Google Cloud へ移行したことは、それ自体が重要だっただけでなく、会社の技術的な進化の第一歩という大きな意味を持っています。手間のかかる作業の大部分が完了した今、Southwire はデジタル トランスフォーメーションを本格的に開始できます。Stuart 氏は次のように述べています。「Google Cloud が活躍する分野は多数あるので、柔軟な姿勢で、組織が目指す方向性に現在の投資をどのように活用すべきかを理解し見極めたいと考えています。」
Southwire の Google Cloud での SAP のデプロイと、Google Cloud が SAP エンタープライズ アプリケーションでの業務を変革する方法について、詳細をご参照ください。cloud.google.com/solutions/sap にアクセスしてください。
-Google Cloud SAP 担当マネージング ディレクター Snehanshu Shah