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Google Cloud での SAP

SAP のお客様が Google Cloud 上の OpenText でドキュメントをデータに変換

2021年3月15日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 3 月 3 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

エンタープライズ環境では、契約書、注文書、請求書、領収書など、圧倒的な数量のドキュメントが生み出されます。また、それぞれのドキュメントは、その存続期間にわたり、適切に保管して管理する必要があります。SAP のお客様にとって、これらのドキュメントを各トランザクションに添付するのは比較的簡単ですが、ドキュメントの量が膨大になりデータベースのサイズが大きくなります。その結果、パフォーマンスが低下します。

エンタープライズ情報管理(EIM)システムは、ドキュメントを負荷ではなくリソースに変換します。組織の SAP ソリューションのパフォーマンスに影響を与えることなく、必要な人が必要なときに安全にアクセスできるようにします。OpenText は、EIM のマーケット リーダーであるだけでなく、SAP の戦略的パートナーとして、長年にわたり積極的にソリューションの共同開発に携わってきました。Google Cloud は、OpenText を優先的な EIM に選定しました。これにより SAP のお客様は、OpenText の機能と、分析や AI などの高度なテクノロジーを組み合わせることで、ワークフローを合理化、自動化し、重要なデータを活用できるようになります。

非構造化データを EIM で形にする

組織で日々蓄積していくドキュメントは、膨大な量の貴重なデータです。ただし、従来のデータベースに格納されている情報とは異なり、これらのドキュメントに含まれるデータは構造化されていないため、抽出や分析が容易ではありません。また、組織は顧客やその他のデータを不正アクセスから保護しなければならず、個人を特定できる情報(PII)を移植可能にし、リクエストに応じて削除することを要求する規制が増えています。規制や法律上の理由から、適切なデータ ガバナンスに基づき、多くの文書はライフサイクルの最後に完全に破棄される決まりになっています。

EIM は、文書の入力、保護、管理、アーカイブ保存を行い、すべてのアセットのライフサイクル タスクを自動的に処理します。文書を電子化し、必要に応じて社内外のユーザーが安全に利用できるようにして、不正アクセスを防ぐための権限管理を行い、最もコスト効率の良いストレージ構成にデータを移行させます。SAP 環境では、ユーザーは SAP インターフェースから離れることなく、これらすべての機能を活用できます。

構造化データの効率化

ERP 対応のビジネス プロセスでは、構造化データの適切な管理もまた不可欠です。

完成した構造化データ(SAP で完全に処理されたトランザクションに関連するデータ)は、監査目的で必要になります。このデータを、SAP データベースからパフォーマンスとコストが低いストレージ メディアに移動し、外部ストレージ システムへのリンクに置き換えて、このデータへのアクセスを引き続き提供することで、コストが削減され、SAP システムのデータベースの増大が制限されます。小規模なデータベースの方が低コストでパフォーマンスが高いだけでなく、バックアップや復元などの重要なシステム プロセスの管理も容易になります。さらに、システムの更新が速く、アップグレードやサポート パッケージのデプロイ、クラウドへの移行をより迅速に行うことができます。

Google Cloud、OpenText、SAP の導入により、組織はデータの力を活用できる

OpenText のエンタープライズ クラウドの優先パートナーとして Google Cloud を使用することで、OpenText を使用する SAP のお客様は、柔軟性に加えて高性能な機能を利用できるようになります。まず OpenText は、既存のオンプレミス インフラストラクチャと Google Cloud にわたり、複雑さに関係なく情報管理ソリューションを安全に管理、モニタリングし、最適化するマネージド サービスを提供します。さらに EIM データを BigQuery などの Google Cloud サービスとシームレスに統合し、高性能な分析機能を実現します。OpenText と Google Cloud の統合は今後も予定されており、Google Cloud で SAP を利用するお客様は、EIM データの価値を最大限に高めることができるようになります。

OpenText は、仮想マシン(VM)や物理サーバーで動作し、コンテナやオンプレミス、クラウドにデプロイできます。OpenText は、ドキュメントの画像を SAP から別のデータベースにオフロードすることで、組織のクラウドへの移行をスムーズにします。また、SAP 環境を合理化することで、リフト&シフト移行であれ、SaaS へのアップグレードであれ、クラウドへの移行をより迅速かつシンプルにします。OpenText をデプロイすると、対象のシステムのサイズが縮小し、アーキテクチャのコストが低減して、データ転送が高速化します。

オンプレミスの OpenText システムを Google Cloud に移行する方法は 3 つあります。

  • クラウド VM へのリフト&シフト: この方法はオンプレミスでのデプロイと同様ですが、クラウドによりコストが削減され、アジリティが向上します。永久 EIM ライセンスを取得でき、ご自身でソフトウェアを管理するか、パートナーに管理してもらうかを選択できます。

  • Kubernetes への切り替え: 既存の OpenText を物理サーバーや VM 上のデプロイメントからコンテナ上のデプロイメントに切り替えることで、自動スケーリング、高可用性、フォールト トレランスなどの多くの機能を利用できるようになります。ライセンスを所有してご自身でソフトウェアを管理するか、パートナーに管理してもらう必要があります。

  • 移行によるモダナイズ: この方法では、EIM ソリューションが、IM アプリケーションの日常業務を処理する目的で設計された Cloud マネージド サービスによってクラウド上で完全に管理されるため、社内の IT 部門はより戦略的な IT プログラムやイノベーションに注力できるようになります。また、企業のコア コンピテンシーに注力するためのリソースが解放され、合理化された、ベンダー 1 社のみとの関係が実現します。

データ生成から分析、アクションまでのプロセスを完結させる

SAP のお客様は、OpenText と Google Cloud を組み合わせることで、OpenText の最先端の EIM 機能を活用しながら、それらの機能を高度な分析や AI と組み合わせ、ワークフローを合理化、自動化し、重要なデータを活用できるようになります。Google Cloud を活用した OpenText for SAP が、データ生成から分析、アクションまでのプロセスを完結させる仕組みの詳細をご確認ください


-Google Cloud SAP 戦略およびアーキテクチャ担当パートナー技術リーダー Pascal Benmoussa-Azoulay
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