Google Cloud Cortex Framework で在庫管理のインサイトを加速

※この投稿は米国時間 2023 年 4 月 5 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

在庫管理は、サプライ チェーンにとって非常に重要な要素です。在庫状況を追跡することで、企業は顧客の需要に即した適切な量の製品を手元に確保できるとともに、過剰在庫や在庫不足を回避できます。しかし、とりわけ今日の絶え間なく変化する複雑なサプライ チェーンでは、在庫の管理に困難が伴うことがあります。

多くの場合、さまざまな部門やシステムにデータがサイロ化されているため、ビジネス ネットワーク全体の在庫状況を完全に把握することは至難の業です。一方、需要の変動や急速に変化するビジネスの動向およびトレンドに伴うサプライ チェーンの混乱、不足、遅延のリスクがあるなかで、サプライ チェーンの可視性とインサイトへの注目はますます高まっています。

こうしたデータ関連の課題を克服するためのこれまでの道のりは容易なものではありませんでした。既存のソリューションの多くには、ユーザーが簡単に採用できるような統一されたセマンティック ビューがありませんでした。データは断片化されているのが通例で、統合する手段も限られていました。また、従来のプラットフォームには統合型の AI 機能がなく、AI / ML の利用は技術的に複雑で時間のかかるものでした。

こうしたデータ関連の課題を解決するために、多くの企業が Google のデータクラウドを選択し、BigQuery を使用したクラウド ファーストのデータ プラットフォーム アプローチを通じてビジネス インサイトを統合、加速、強化し、データドリブンなイノベーションを大規模に推進しています。さらに、Google Cloud Cortex Framework のベスト プラクティスやアクセラレータ コンテンツも活用することで、スケーラブルなオープンデータ基盤を確立し、さまざまな目的に沿ってインサイトを深めることが可能となります。

本日、パッケージ化された分析ソリューション テンプレートと在庫管理に重点を置いたコンテンツを含む、最新の Cortex Data Foundation をリリースする運びとなりましたので、お知らせいたします。

在庫管理に対応した新しい分析コンテンツのご紹介

Google Cloud Cortex Framework リリース 4.2 には、新しいデータマート、セマンティック ビュー、Looker ダッシュボードのテンプレートが含まれており、在庫管理の運用分析と関連指標をサポートします。これらは、前述の課題を克服し、お客様がビジネス上の特定のニーズにこれまで以上に適応するための出発点を提供できるよう設計されています。サンプル ダッシュボードは、サプライ チェーンの幹部（最高供給責任者など）から運用管理者（在庫管理者など）まで誰もが追跡している、以下のような業界の一般的な KPI を可視化します。

• 詳細な情報にドリルダウンする機能を備えた在庫カテゴリ（無制限、制限付き）における在庫

• 傾向を特定し、KPI のベンチマーク（在庫値、数量、供給日数など）となる過去の在庫

• 経年劣化する可能性のある在庫

• 回転率の低い在庫

在庫管理はサプライ チェーンの他の側面とも密接に関連しています。より広義には、こうしたインサイトを今回の新しいリリースにおける関連コンテンツ（ベンダー パフォーマンスなど）と既存のコンテンツの両方と組み合わせることで、サプライ チェーンの健全性をより広く把握することができます。

次のステップ

このリリースは、SAP やその他のデータソース関連のリリース済みコンテンツを拡張するものであり、一般公開データソース、限定公開データソース、コミュニティ データソースのすべてにおいて Cortex Data Foundation の価値をさらに強化します。データ分析変革プロセスに対するお客様のニーズにより的確に応えるため、今後も Google Cloud Cortex Framework のコンテンツを拡張していきます。今後の発表もどうぞお見逃しなく。

Google Cloud Cortex Framework の詳細については、Google のソリューション ページをご覧ください。機能を実際に確認するには、Cortex Data Foundation を今すぐお試しください。