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ネットワーキング

ネットワーク アナライザでサブネット IP アドレスの割り当てをプロアクティブに管理する

2023年8月10日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 8 月 3 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

ネットワークの IP アドレスを効果的に管理することは、企業の効率的な運営に不可欠です。ネットワーク管理者として、IP アドレス空間の使用状況や消費量をモニタリングすることは、キャパシティ プランニングを行い、費用のかかるダウンタイムを未然に回避するために不可欠です。また、IP アドレスの割り当てが最適でなく、リソースの有効活用のためにサイズを変更できる場所を特定するためにも重要です。

ネットワークの IP アドレス リソースを効率的に管理するには、以下をモニタリングする必要があります。

1)サブネットワーク全体に分散している IP アドレスの現在の割り当て

2)サブネット IP の高い使用率(リソースの枯渇を避けるため)

Network Intelligence Center のネットワーク アナライザは、VPC 構成を自動的にモニタリングし、ネットワークとサービスの問題を明らかにします。ネットワーク アナライザは、以下の 2 つの重要な分析情報を通じて、サブネット IP アドレス管理ワークフローをプロアクティブに強化します。

1)IP アドレス使用状況の概要
IP アドレスの枯渇が近づいている場所の特定や、効率的に利用されていない IP アドレスの特定を効率化します。

2)サブネットの IP アドレス使用率が高い
IP アドレスの枯渇が近いサブネット範囲のプロアクティブなモニタリングを可能にします。

新しい IP 使用状況の概要の分析情報を使用して、ネットワークのサブネットの IP 割り当てを俯瞰的に把握する

ネットワーク アナライザの新しい分析情報、IP 使用状況の概要は、ネットワーク管理者が Google Cloud での IP アドレスの使用状況をより詳しく理解できるように設計されています。Google Cloud プロジェクト内のすべての VPC とサブネット範囲の IP アドレスの使用率をモニタリングでき、以下のようなサブネットの特定が可能になります。

1)将来的に IP アドレスの使用率が上限に達する可能性がある

2)オーバーサイズで十分に使用されていない可能性がある

新しい IP 使用状況の概要の分析情報を使用する

VPC ネットワークが構成された Google Cloud プロジェクトを選択し、プロジェクト ID を記録します。以下の <PROJECT_ID> は、実際の Google Cloud プロジェクトの ID に置き換えてください。

1)このプロジェクトで recommender.googleapis.com API を有効にします。

読み込んでいます...

2)このプロジェクトの IP 使用状況の情報を取得します。

読み込んでいます...

出力の例:

読み込んでいます...

allocationRatio 属性は、サブネット範囲(subnetRangePrefixsubnetUri で識別される)で利用可能な IP アドレスと比較し、使用されている IP アドレスの割合を表します。allocationRatio には 0~1 の値が含まれ、1 は IP 使用率 100% を表します。たとえば、allocationRatio が 0.5 の場合、そのサブネットの IP 使用率は 50% です。IP 使用率が 0% のサブネット範囲は、この分析情報から除外されます。

この分析情報では、IPv4 サブネット内で Google によって予約済みの 4 つの IP アドレスが考慮されています。

lastRefreshTime」フィールドで最終更新日を確認できます。ネットワーク アナライザは、IP 使用状況の情報を毎日自動的に更新します。ネットワーク アナライザの分析情報を手動で更新することもできます。手動で更新する場合は、Google Cloud コンソールで [ネットワーク アナライザ] に移動し、[更新] ボタンをクリックします。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/1_-_update_y0hgVnN.max-2000x2000.jpg

この IP 使用状況の情報が(自動または手動で)更新されるたびに、ログエントリが作成されます。ログに移動するには、以下のクエリを使用します。
jsonPayload.causeCode="IP_UTILIZATION_IP_ALLOCATION_SUMMARY"

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/2_-_log_view.max-2200x2200.png

また、このログクエリを使用して、任意の時点におけるサブネットの過去の IP 使用状況を把握することもできます。

考慮事項

IP 使用状況の概要の分析情報には、Recommender API やネットワーク アナライザのログを介して、プログラムでアクセスできます。将来的には、この分析情報はネットワーク アナライザの UI に統合される予定です。

この IP 使用状況の概要の分析情報は、サブネットのプライマリ範囲とセカンダリ範囲の両方をサポートします。セカンダリ範囲を使用している場合、この分析情報により、セカンダリ範囲に割り当てられている IP アドレスの数をモニタリングできます。たとえば、GKE を使用している場合に、Pod 用のセカンダリ範囲が現在の GKE ノードにどのくらい割り当てられているかを確認できます。

その他のリソース

GKE IP の使用状況のモニタリングについては、ネットワーク アナライザの分析情報に関するドキュメントをご覧ください。


このブログ投稿の執筆にあたり協力してくれた、ネットワーク アナライザのエンジニアリング リードである Hongkun Yang に感謝します。

- 戦略的クラウド エンジニア Aurélien Legrand
プロダクト マネージャー Mary Colley

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