コンテンツに移動
ネットワーキング

新しい 100 Gbps のネットワーキングで Compute Engine のワークロードを大幅に高速化

2021年3月25日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 3 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

このたび Google は、汎用 N2 / コンピューティング最適化 C2 Compute Engine VM ファミリーの 100/75/50 Gbps の高帯域幅ネットワーク構成の公開プレビューを発表しました。これは、Andromeda ホスト ネットワーキング スタックを最適化するための継続的な取り組みの成果です。Google 仮想 NIC(gVNIC)を使用する場合に、既存の VM ファミリーで高帯域幅を実現できるオプションとなります。従来、こうした VM の帯域幅は 32 Gbps までに限られていました。

しかし今後は、Google Cloud 上の特に要求の厳しいワークロードでも、こうした高スループット VM(密結合したハイ パフォーマンス コンピューティング(HPC)、ネットワーク アプライアンス、金融リスクのモデリング / シミュレーション / スケールアウト分析など)を活用できるようになります。高スループット VM と高性能ローカル SSD の組み合わせは、I/O を多用するフラッシュ最適化データベースに適しています。レイテンシやスループットの影響を受けやすいアプリケーションに対し、C2 インスタンスのコンパクト配置ポリシーと 100 Gbps の帯域幅を組み合わせ、優れたネットワーキングパフォーマンスを実現します。

柔軟な帯域幅オプション

Google では柔軟なパッケージング オプションを常に提供し、ニーズに最適なコンピューティング リソースのコントロールを実現してきました。既存の中型や大型の N2 / C2 マシンに対し、こうした高帯域幅構成を引き続きアドオン オプションとして提供していきます。

以下の表では、この VM ファミリーに対応した新しいネットワーキング オプションを要約しています。

標準構成、ハイメモリ構成、ハイ CPU 構成、カスタム構成などに対応する N2 VM では、先に述べた vCPU 要件を満たす限り、同じ帯域幅オプションの実現が期待できます。

この高帯域幅構成は VM 用のオプションのアドオン機能であるため、別個の専用ネットワーク帯域幅 SKU としての従量課金が発生し、下層 VM に対する課金とともに Cloud Billing レポートに記載されます。VM ネットワーク帯域幅は、vCPU やメモリの場合と同様に 1 時間あたりの価格で測定されます。リージョンごとの価格については、価格ページをご覧ください。

ベータ版 gCloud SDK での、75 Gbps のネットワーク帯域幅を持つ N2 インスタンスの作成例は以下のとおりです。

読み込んでいます...

network-performance-configs フラグに TIER_1 設定を使用すると、インスタンスが自動的にアップグレードされ、ネットワーク帯域幅が増大します。

この新機能を使うには、必ず Beta チャンネルを使用し gcloud コンポーネント アップデートを実行して最新の SDK を入手してください。VM を設定し、ネットワーク スループット テストを行う方法の詳細については、高帯域幅の VM インスタンスにベンチマークを行うをご覧ください。

他にはない優れたネットワーキング

Google は、Google ならではの優れた機能をお客様に簡単に活用していただけるよう努力を重ねています。高スループット VM ネットワーキングには、次のような独自の特長があります。

  1. このネットワーキングはアドオン機能です。既存の N2 / C2 VM でのネットワーキング パフォーマンスが最適化されたため、新しいインスタンス タイプのワークロードを構成し直さずに高スループット ネットワーキングを活用できます。また、あらゆるスクリプトや自動化ツールを引き続き使用できます。

  2. インベントリの制限事項が追加されることはありません。このネットワーキング機能では、N2 / C2 のデプロイを行う場合、新たにインベントリの制限事項が発生することがありません。それどころか、N2 / C2 インスタンスを作成可能なあらゆるゾーンで VM をアップグレードし、帯域幅を増大できます。

  3. 最高水準のスループットを誇ります。Google Cloud はあらゆるクラウド プロバイダの中でも最高水準のスループット パフォーマンスを提供しています。また、このパフォーマンスは、今回の帯域幅の追加によりさらに強化されます。

Google Cloud 独自の Andromeda アーキテクチャを最大限に活用

Google の新しい NVIDIA A100 GPU 搭載 A2 インスタンスにより、100 Gbps のネットワーキングがサポートされています。このたび、Google は A2 への取り組みを基に Google Cloud 独自の Andromeda ネットワークを最適化し、既存の C2 / N2 VM ファミリーに高帯域幅構成を追加しました。このネットワークは、これまでゼロコピー、TSO、暗号化などのハードウェア オフロードをサポートできるようアップグレードしてきたものです。VM のダウンタイムは一切発生しません。今回の追加により、VM 間での暗号化トラフィックが最大 100 Gbps となりました。

使ってみる

ベータ版 gCloud SDK や Google の Cloud APIs をお使いの場合、N2 / C2 VM 向けの高帯域幅構成をプレビューでお試しいただけます(このマシンタイプをサポートするリージョンとゾーンに対応)。

詳細については、ネットワーク帯域幅に関するドキュメントや VM ネットワーク パフォーマンスのベンチマーク入門ガイドをご覧ください。

この機能はパブリック プレビュー版であり、このたびの公開の間は無償で提供されます。Google のドキュメントに記載の価格は一般提供版の料金であり、公開プレビューが終了する際に有効となります。

-プロダクト マネージャー Vishal Fadia

-Google マディソン ソフトウェア エンジニア Philip Wells

投稿先