Paramount+: 無限のエンターテイメントを提供する大手ストリーミング企業

※この投稿は米国時間 2024 年 5 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Paramount+ は、世界中の視聴者向けのストリーミング エンターテイメントの宝庫です。

クリックやスワイプ、音声コマンドで『ゴッドファーザー』『トップガン』のような名作映画、『スター・トレック』『サバイバー』のようなテレビのクラシック番組、『イエローストーン』『1883』『Halo』のような現代のヒット作にすぐにアクセスできます。

Paramount+ は、膨大なエンタメ映像ライブラリに加えて、ライブスポーツの興奮をそのまま消費者に届けています。視聴者はこの 1 年間、接続したテレビ、ウェブブラウザ、モバイル デバイスのいずれかで、ときにはそれらを切り替えながら、UEFA サッカー、マーチ マッドネス、NFL、カレッジ フットボール、その他のさまざまなスポーツを観戦しました。これには、全プラットフォームで 1 億 2,340 万人の視聴者を獲得し、近年最も視聴されたイベントとなった 2024 年第 58 回スーパーボウルも含まれます。これは、記録的な数の視聴者によって Paramount+ 史上最もストリーミングされたスーパーボウルでもあります。

Paramount+ は、世界中の視聴者に 24 時間 365 日利用できるストリーミング コンテンツを提供し、大規模なライブイベント時のアクセスの急増にも対応できるよう、ダウンタイムなしでスピード、アジリティ、セキュリティ、そしてグローバル リーチを提供できる堅牢な技術スタックを必要としていました。こうした多様な技術的課題に対応するため、Paramount Global は、ストリーミングの未来を築くプラットフォームとして Google Cloud を選択しました。

ダウンタイムをゼロにすることは、技術的な目標であっただけでなく、会員に一貫したシームレスな体験を提供できるようにするという、ビジネスチームの取り組みの一環でもありました。世界中の会員にサービスを提供するには、十分にトレーニングを受けたチームとともに、スケーラブルなプラットフォーム上で稼働する堅牢なアーキテクチャが必要です。  

舞台裏で支える技術: Paramount+ と Google Cloud

Paramount+ の技術スタックには、メディアとエンターテイメントのニーズに合わせて特別に調整されたコンポーネントが多数ありました。チームは、柔軟性、安定性、スケーラビリティ、迅速なアップデートを実現するため、Google Kubernetes Engine（GKE）を活用したサービスベースのアーキテクチャを採用しました。これにより、開発と運用のベロシティおよびパフォーマンスを向上させることができました。

会員の増加とビジネスニーズの急速な変化により、Google Cloud Compute Engine、Bigtable、Pub/Sub,、Cloud のオペレーション スイート、Network Intelligent Center、Cloud Armor など、さまざまな Google Cloud サービスを検討して技術運用を効率化することになりました。アーキテクチャ チームは、Google Cloud のエンジニアリング チームと協力して、ビジネス SLA とセキュリティのニーズに対応できるさまざまなプロダクトを評価しました。  

セキュリティとサービスの可用性は、顧客向けアプリケーションにとって極めて重要です。DDoS 攻撃で数千万のユーザーのストリーミング エクスペリエンスが中断されないようにするため、Paramount+ は Google Cloud Armor Managed Protection を他の業界標準のセキュリティ ツールとともに使用しています。また、Paramount+ の技術チームはグローバル プラットフォーム全体でダウンタイムをゼロにするため、DevSecOps プロセスをアーキテクチャに適用して、開発プロセスの最初からセキュリティを組み込んでいます。

スムーズな運用と迅速なアップデートを実現するために、技術チームは Google Cloud と協力してサイト信頼性エンジニアリング（SRE）を導入しました。このアプローチの成否は、自動化、テスト、プロアクティブなモニタリング、そしてシームレスなチームワークに左右されます。SRE の導入に加えて、Paramount+ の技術チームはレジリエンスにマルチゾーン アプローチを活用しています。これにより、複数の Google Cloud リージョンにまたがるアクティブ / アクティブ構成である、真の地理冗長が実現しました。Paramount+ はこの強固なパートナーシップを通じて、特にスーパーボウルのようなトラフィックの多いイベント時でも、卓越したパフォーマンスを確保できるようになりました。

Paramount+ のエンジニアは Google Cloud と緊密に協力して、この複雑な移行に対する指針を確立しています。

• マルチリージョン化の取り組み: Paramount+ チームと Google Cloud チームは、インフラストラクチャを複数のリージョンにスケールできるよう、1 年以上にわたり協力しました。この取り組みは、ダウンタイムやエンドユーザー エクスペリエンスのダウングレードを生じさせることなく実施されました。Paramount+ チームは、数年ではなくわずか数日で新しいリージョンを追加できるようになりました。マルチリージョン化する前に、Paramount+ は Google Cloud リソースを最適にスケールして活用できるよう、すでにステートレスな指針を採用していました。この戦略的な転換により、セキュリティとデータ損失ゼロを確保しながら、シームレスなエクスペリエンスを提供する準備を整えることができました。

• スケーラブルなアーキテクチャ: Paramount+ は、複数のリージョンにまたがって動作する分散データベースを採用して、データの整合性を確保しています。Paramount+ と Google Cloud は、ライブイベント時や人気番組の配信時に急増するトラフィックに対処するため、アーキテクチャの弾力性を維持するよう努めています。これにより、インフラストラクチャの事前スケーリングと自動スケーリングを簡単に行うことができます。Paramount+ チームは CI / CD の原則に加えて Blue/Green デプロイ アプローチも採用し、エンドユーザーに一貫したエクスペリエンスを提供するとともにリスクを軽減しています。

• リージョンの独立性: ユーザーに近い場所でサービスを提供しながら、サービスを中断させる可能性のある自然災害を緩和することが不可欠でした。このアクティブ / アクティブなマルチリージョン対応により、Paramount+ は 1 日あたりの多数のアクティブ ユーザーと、大規模なスポーツ イベント時の前例のないトラフィック量に対応しています。厳格なポリシーを設定し、どのリージョンも他のリージョンに依存しないようにしています。この対応は、コンテンツ配信ネットワーク（CDN）からデータベースまですべて一貫しています。Paramount+ チームは、リージョンのスケールを追加または削除しても、エンドユーザーの全体的なエクスペリエンスに影響しないようにしています。

• 運用の一貫性: Paramount+ の SRE チームは、管理を簡素化し、タイムライン方式でビジネスニーズに対応できるよう、リージョンを均質に保つ標準的なガイドラインとプロセスを設定しました。セキュリティ、監査、デプロイに関して一貫したプロセスを導入することで、エンドユーザーがリージョンについて理解する必要性をなくしました。

• 厳しい目標: チームには、高く設定された目標復旧時間（RTO）と目標復旧時点（RPO）を達成するという目標がありました。7,100 万人の会員をサポートし、ストリーミング サービスを 24 時間 365 日提供するには、厳格なサービスレベル契約を締結して履行することが重要でした。厳格な SLA により、ゼロ ダウンタイム、低レイテンシ、堅牢なモニタリングとオブザーバビリティ フレームワークが確保され、チームはエンドユーザーに影響する可能性のある、あらゆる問題に積極的に対処できるようになりました。

マルチリージョン設定に移行することは、設定された RTO と RPO を守りながら、デプロイ プロセス、自動化ツール、基盤となるデータベース全体を再考することを意味しました。Google Cloud と連携することで、Paramount+ はマルチゾーン アーキテクチャからアクティブ / アクティブなマルチリージョン アーキテクチャに移行し、世界水準のストリーミング サービスを構築することができました。

未来は明るい

動的なメディア状況に対して、Paramount+ は世界中の視聴者に合わせてスケールできる技術プラットフォームで適応してきました。すべてのプラットフォームやデバイスで放送品質を実現することは容易なことではありませんが、Google Cloud チームとの緊密な連携のもと、各チームはその達成を目指して尽力しています。

この基盤とともに Paramount+ は、生成 AI などの新しい技術で最適化と革新を続けながら、中断なく視聴者を楽しませ続け、世界水準のカスタマー エクスペリエンスを提供することを目指しています。

-Paramount、クラウド推進および SRE 担当 SVP Shiva Paranandi 氏
-Google Cloud、プリンシパル アーキテクト Ashutosh Tripathi