従来の住所がない人や場所へ荷物を配達する方法
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 10 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
何十億もの人々が正確な住所がないために、配達物の受け取りが困難な場合があります。一方、住所がある人の中には荷物の受け取り場所を細かく指定して受け取りたい場合があります。こうした届け先指定のギャップを埋め、あらゆるものに対して住所を持つことのメリットを提供するために、Google は Plus Codes を開発しました。たとえば、ナバホ ネイション(アメリカの先住民保留地)では Plus Codes を利用して、困っている人がいる場所を特定し、必要な食料や必需品の最適な配達方法を提供しています。現在は Plus Codes が Google Maps Platform の API 全体でサポートされ、配達サービス プロバイダは、より多くのユーザーの住所を正確に把握し配達できるようになりました。Plus Codes は簡単な英数字コードで、緯度と経度の座標から作られます。たとえば、Plus Codes が「F95F+42, Hyderabad」の場合、ハイデラバード市内の約 13 × 13 メートルの地域を表します。Plus Codes を使用すると、建物の入口や発送センターなど、配達が通常行われる場所とほぼ同じ広さの場所に届け先を指定できます。「F95F+42M, Hyderabad」のように文字が追加されている場合、約 2.5 × 2.5 メートルの地域を表し、配達ユースケースの精度がさらに高くなります。
配達サービス プロバイダにとっての Plus Codes の利点
世界中で毎年何百万件もの配達がうまくいっていません。その主な原因は、住所表記が不十分か不正確であるためです。Plus Codes はその精度のおかげで、このような配達の失敗を減らし、サポート費用を削減すると同時に、よりシームレスな「ノータッチ」で「通話不要」のエクスペリエンスを消費者に提供できます。Plus Codes によって対応できる配達場所の範囲が広がることで、配達サービス プロバイダの信頼度も向上し、運送会社や消費者からの依頼も増えます。
アプリケーションでの Plus Codes の使用
Plus Codes は プレイス オートコンプリート、Place Details、Directions、ジオコーディング をはじめ、Google Maps Platform の API でサポートされるようになりました。たとえば、リバース ジオコーディング検索の結果には Plus Codes が含まれます。これらの結果は、location_type プロパティの「plus_code」型と「ROOFTOP」値を含んでおり、簡単にフィルタを適用できます。ピンをドロップし場所を特定するようにユーザーがアプリケーションから求められた場合、従来の住所周辺に結果がないときは、この場所の Plus Code の使用が可能です。Plus Codes は プレイス オートコンプリートの検索バーに目的地を入力したり、Directions API からルートをリクエストしたりするなど、他の機能で緯度と経度の座標と同じように使用することもできます。綴ったり紙への出力も簡単で、Google Maps Platform の 他の API の住所フィールドに挿入して、企業全体で完全に一貫性のある届け先指定スキームを提供できます。
配達に Plus Codes を使用するアプリの例
企業が Plus Codes をどのように活用するかにかかわらず、世界中のあらゆるユーザーに配達物を受け取る機会を提供し、Google Maps Platform 全体で Plus Codes を従来の住所と同じように扱うことができます。これにより、アクセス性や包括性を広げ、企業は簡単かつシンプルに世界中の新しい地域に事業を拡大できます。
Google Maps Platform の詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
-プロダクト マネージャー Divya Dhar