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Google Maps Platform

Google Maps Platform で、インド中の都市中心部の交通をより快適かつ低コストに

2021年3月1日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 2 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 本日の投稿は、乗り捨て可能なレンタル スクーター サービスをインドで唯一展開しているスマート モビリティ企業、Bounce の CTO 兼共同創業者である Varun Agni 氏によるものです。

スクーターはインドの賑やかな街を移動するのに最適の乗り物です。自動車より価格が手頃で操作も簡単なうえに、ほぼどこにでも駐車できます。スクーターがインドで最も人気がある乗り物の一つであるのも当然でしょう。

インドの街が他国の街と異なるのは、大量のスクーターが走り回っているからだけではありません。街中の人の流れも他とは異なっています。ヨーロッパと北米では通常、街の中心部に人々が出入りする朝と夜に道路が混雑しますが、インドの街では混雑状況を予測しにくく、「中心部」がたくさんあるうえにさまざまな方向からの交通の流れがあります。

Bounce は、インドの街の特徴に合わせたサービスを作り出しています。当社のミッションは、誰もが都市交通を利用できるようにして、通勤をより快適にすることです。インドの人々はすでにスクーターに慣れ親しんでいるため、どこにでも停められるスクーターを柱にしたプラットフォームを構築したのも自然な流れでした。スクーターを借りた場所に返却しなくて済むようにして、街全体にスクーターを均等に配置し、通勤者のランダムな動きに対応できるようにしています。お客様にとって最も使い勝手の良いサービスを提供したかったため、Google Cloud プレミア パートナーの Searce と連携し、Google Maps Platform を利用してアプリを構築しました。
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オートバイ レンタル企業としてのこれまでの経験が交通の世界でも役立っています。バイクの追跡やメンテナンス、バイクを購入するための資金調達まで、二輪車ビジネスの運営に必要なノウハウは当初から持ち合わせていました。しかし、ガレージにオートバイを揃えるビジネスからモビリティ プラットフォームに生まれ変わったとき、それまで経験したことのないさまざまな課題を克服する必要がありました。決まった返却場所がなく、お客様とのやり取りはアプリで完結するため、より顧客中心型のアプローチが必要になりました。使い勝手の良さと気軽さが当社にとって何よりも重要で、だからこそ Google Maps Platform を選んだのです。ほとんどの人が Google マップに馴染みがあり、当社のユーザーもルート検索を非常に簡単に行うことができています。

Google Maps Platform はシンプルで使いやすいだけでなく、高度な機能も備えています。当社でテストした他のソリューションよりも精度が 15% 高く、それがお客様にとって大きな意味を持ちました。スクーターを探していて、それが地図に示された場所になかったら不便このうえなく、サービスの利用もやめてしまうでしょう。Maps JavaScript API を利用することでこうした問題がなくなり、ユーザーはこれまでより安心して簡単に目的地までたどり着けるようになりました。また、Distance Matrix APIDirections API を使用してユーザーが目的地までの最適なルートを検索できるようにしたり、Roads API を通じて交通量や道路工事など、ルート上の状況に関する情報を提供したりしています。

2018 年 9 月、バンガロールで Bounce を創業したときのスクーターの台数はたったの 500 台でしたが、その 1 年後、ハイデラバードをはじめとする複数の街にビジネスを拡大し、スクーターの合計台数も 35,000 台になりました。その頃には、膨大なイテレーションを通じて従来の手法を改善し、新機能を追加していきました。最も近い場所にあるスクーターまでの歩行ルートをユーザーに提示する機能もそのうちの 1 つです。小さな機能追加にすぎませんでしたが、結果的にはスクーター利用数の大幅な増加につながりました。

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2020 年はじめ、インドでは COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大を抑えるべく隔離政策が行われ、国中の活動が事実上停止しました。しかしロックダウンが緩和されると、特に医療従事者やエッセンシャル ワーカーを中心に、コロナ以前とほぼ同程度の需要がもたらされていることがわかりました。混雑しているバスやタクシーに比べて当社のスクーターは消毒が簡単です。定期的に消毒処理を行い、ユーザーにもマスクの着用を奨励しています。私たちは、人々に可能な限り効率的かつ安全に目的地まで移動してもらいたいと考えています。

ロックダウン中は人の移動が減りましたが、インド全域にビジネスを展開し、より多くの街でより多くの人に当社のサービスを提供するという計画を変えることはありませんでした。一方で、プラットフォームの改善も常に行っています。現在、既存のスクーターを環境に優しい電動モデルに置き換えることで二酸化炭素排出量を低減し、街の環境改善に貢献すべく取り組んでいます。私たちにとって今は非常にエキサイティングな時期であり、旅はまだ始まったばかりです。

Google Maps Platform の詳細については、ウェブサイトをご参照ください。ウェブサイトでは  Google Maps Platform の詳細やニュースレターの購読などをご案内しています。

-Bounce CTO 兼共同創業者 Varun Agni
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