モバイル向け 3D マップのご紹介: Android と iOS 向けに没入型エクスペリエンスを構築する

Dale Hawkins
DevX Engineer, Google Maps Platform
Haylee Conradi
Product Manager, Google Maps Platform
※この投稿は米国時間 2025 年 5 月 22 日に、Google Maps Platform blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: この投稿では、Google I/O 2025 で発表された内容の一部をご紹介します。3D マップを使用してモバイル エクスペリエンスを向上させる方法については、2025 年 5 月 22 日に公開される録画セッション Next-gen Android experiences with photorealistic 3D Maps(Photorealistic 3D Maps を活用した次世代 Android エクスペリエンス)をご覧ください。
Google は、あらゆるプラットフォームで革新的なマッピング機能をデベロッパーに提供することに取り組んでおり、これには没入型エクスペリエンスも含まれます。昨年発表した JavaScript 向けの Photorealistic 3D Maps は現在、プレビュー版としてご利用いただけ、没入型ウェブ マッピングの新時代を築いています。このたび、Android と iOS 向けの新しい Maps 3D SDK を試験運用版として導入し、3D マップをネイティブ モバイル環境に拡大することで、ウェブ アプリケーションとモバイル アプリケーションの両方で没入型エクスペリエンスを実現できるようにしました。
今回のリリースについて、デベロッパーの皆様にお伝えしたいことを以下にまとめました。
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ネイティブ モバイルで没入型 3D エクスペリエンスが実現可能に:現在 Maps JavaScript API で利用可能な Photorealistic 3D Maps が、モバイル プラットフォームで試験運用版として利用可能になりました。これにより、モバイルアプリ デベロッパーは、3D カメラ コントロールやマップ ビジュアリゼーション機能(ポリライン、ポリゴン、マーカーなど)、3D モデルなどを含む、リッチで写実的な 3D 画像や統合レンダリング機能を利用できるようになります。
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3D マップ向けの最新のモバイル開発: 新しい Maps 3D SDK は、Kotlin ファーストと Swift ファーストの SDK を使用した最新の開発手法を念頭に設計されています。デベロッパーは最新の開発フレームワークを使用することで、モバイル アプリケーション向けにパフォーマンスの高いネイティブ ユーザー エクスペリエンスを構築できます。
- マルチプラットフォーム対応: デベロッパーは、ウェブとモバイルで 3D マップを使用し、プラットフォームに関係なく、一貫したユーザー エクスペリエンスを提供できるようになりました。クロス プラットフォーム アプリケーションを構築するデベロッパーは、開発作業が簡素化され、3D へのアクセスとエンゲージメントが広がります。


ウェブ アプリケーションとネイティブ モバイル アプリケーションで没入型 3D マップを使用してマンハッタンのインタラクティブなビューをレンダリング
臨場感あふれる実世界のキャンバスによりロケーション探索を強化
3D マップでは、マップ デベロッパーだけでなく、モバイル デベロッパーも実世界のキャンバスを高解像度で利用できるようになりました。モバイル向けの試験運用版では、世界中の景色が写実的に表現され、2,500 を超える都市の驚くほど精細な 3D 画像が用意されています。
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ダイナミックな 3D カメラ コントロール: 柔軟性の高い 3D カメラ コントロールを使用して地図を操作する、優れた方法が追加されました。これにより、選択した場所の表示の向きを変えたり、アニメーション化したりすることができます。flyTo や flyAround などのプリセット カメラパスを使用して、ダイナミックなシーン切り替えやガイド付きツアーをすぐに使用できるようにすることで、地球全体からブロックレベルの表示まで、ユーザーがその場所を理解するのに役立てることができます。
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高パフォーマンス 3D レンダリング: ランドマークの可視化、都市基盤の計画、インタラクティブなブランド アプリケーションの構築など、Google の高パフォーマンス レンダリング テクノロジーを利用することで、スムーズで信頼性が高く、視覚的に優れたエクスペリエンスを実現できます。
- カスタマイズされたベースマップの表示: 地図の視覚的な強調を制御して、3D マップをアプリケーションの目的に完全に適合させることができます。ユーザーは、驚くほど写実的な地図画像で実世界に没入したり、Google マップでおなじみのラベルや場所の情報が豊富な追加コンテンツを利用したりできます。現在のウェブ向け 3D マップと同様、ハイブリッド地図モードを選択してスポットや地図ラベルを含む、使い慣れたコンテキストを表示することも、航空写真モードを選択して画像のみに絞った地図表示にすることもできます。


ダイナミックなカメラ コントロールと美しいビジュアルを備えたサンフランシスコの 3D ビューを、ウェブとモバイルで利用可能。
組み込みの 3D 要素による独自のモバイル ビジュアリゼーション
独自の地理空間データをシームレスに統合できる組み込みの 3D 要素を使用することで、没入型のブランド マップ エクスペリエンスを実現し、意味のある実世界のコンテキストをユーザーに提供できます。これらの機能は単なるビジュアリゼーションにとどまらず、3D マップを強力なストーリーテリング メディアとして活用し、主な出来事や場所をユーザーに伝えることができます。デベロッパーは、効率化されたカスタマイズ オプションや構成ツールによって、すべてのビジュアル要素をブランドやオーディエンスに合わせて簡単にカスタマイズできるようになったため、技術的なオーバーヘッドを削減し、地図の開発を迅速化できます。
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柔軟性の高いマーカー: 3D のマーカーは非常に柔軟性が高く、複数の高度モードをサポートしています。これらのアノテーション要素を使用すると、地図上の特定の場所を正確に特定してハイライト表示できます。また、屋上、地表、地形の上空など、実世界の特徴に応じて各マーカーの表示方法を細かく制御できます。
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コンテキスト オーバーレイ: ポリラインやポリゴンを重ねてルート、建物、対象エリアをハイライト表示することで、コンテキストを簡単に追加し、明確にできます。カスタマイズ可能なこれらのビジュアルにより、特定のパスやエリアを強調して、情報を伝えるだけでなく視覚的にも際立つ地図を作成できます。
- カスタム 3D モデル: gITF アセットからカスタム 3D モデルを地図上で直接レンダリングできます。これにより、建築モデル、ブランド アイコン、地理空間コンテンツなどの独自のオブジェクトを表示して、実世界そのままのキャンバスでデータを生き生きと表現できます。
3D マップの活用方法を示すデモをご覧ください。地図を生き生きとしたものにする驚くほど詳細でインタラクティブな要素を使った、建物、ルート、ランドマークのイマーシブビューを紹介しています。
シームレスなインテグレーションと最新のモバイル開発
モバイル向け 3D マップを使い始めるのは、特に既存の Maps SDK を使い慣れている方にとっては、とても簡単です。Cloud コンソールで Maps 3D SDK for Android と Maps 3D SDK for iOS を有効にするだけで 3D マップを使用できます。API キーと数行のコードがあれば、アプリケーションに 3D マップビューを簡単に表示できます。
最新の開発を念頭に置いて構築された Maps 3D SDK for Android は Kotlin ファーストであり、Google Play 開発者サービスを通じて新機能が自動的に配信されるため、アップデートのためにアプリを再公開する必要はありません。Maps 3D SDK for iOS は Swift ファーストであり、デベロッパーはシンプルな構文の SwiftUI を使用して最新の宣言型 UI を作成できるため、開発効率が向上します。
まずは以下のコードサンプルをお試しください。Koltin と SwiftUI のサンプルはそれぞれ、高度、距離、傾斜、方角を使用して指定された、エンパイア ステートビルの 3D マップを表示します。
Kotlin
SwiftUI
モバイル向け 3D マップを試して、フィードバックをお寄せください
今回のモバイル向け 3D マップの初リリースは、Android と iOS で没入型マップ エクスペリエンスを体験するエキサイティングな機会となります。機能や特徴について詳しくは、Google I/O のテクニカル セッション Next-gen Android experiences with Photorealistic 3D Maps(Photorealistic 3D Maps を活用した次世代 Android エクスペリエンス)をご覧ください。
Android と iOS 向けの Maps 3D SDK ドキュメントに収められたサンプルコードと Codelab を使用して、すぐに取りかかることができます。Android と iOS 向けの公開 Issue Tracker でフィードバックや機能リクエストをお寄せください。
ぜひ今すぐモバイル向け 3D マップをお試しください。クリエイティブな作品を楽しみにしています。作品を共有するには、Google Maps Platform Discord コミュニティにアクセスしてください。
-Google Maps Platform、プロダクト マネージャー、Haylee Conradi
-Google Maps Platform、デベロッパー エクスペリエンス エンジニア、Dale Hawkins