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Google Maps Platform

アレルギー患者を支援する Pollen API の一般提供を開始

2023年11月7日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 10 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

気候変動とその影響により、アレルギー患者の数は大幅に増加しています。世界アレルギー機構(WAO)によると、現在、世界全体で 4 億人以上が花粉症に苦しんでおり、このため、アレルギー治療薬の巨大市場が形成されています。アレルギー患者は、自分の症状を管理するために信頼できる関連情報を求めており、とりわけ、個々のニーズ、感受性、地域に合わせたパーソナルなガイダンスを求めています。このたび一般提供となった Pollen API は、製薬業界を含む多くの業界のビジネスに役立つものです。

パーソナライズされたエクスペリエンスの提供は、自分の症状を予防的に管理したいと考えている人々にとって非常に重要です。製薬会社は、有用な情報を提供し、自己管理によるアレルギー治療に対してより総合的かつデータに基づいたアプローチを提供することで患者を支援できます。一般提供が開始された Pollen API を活用すると、アレルギー投薬を受ける顧客にとって非常に価値のあるパーソナライズされたエクスペリエンスを構築できます。また、局地的な花粉飛散レベルや植物の詳細情報を提供し、花粉飛散レベルをヒートマップとして可視化することで、個々の暴露量や花粉感受性に合わせて治療方法やサービスを調整できます。

花粉データをブランドのコンパニオン アプリに統合する

アレルギー治療薬のブランドが顧客と有意義な関係を築く方法の一つは、コンパニオン アプリを使用することです。コンパニオン アプリは、医薬品やサービスを補完するために戦略的に設計されたデジタルツールです。

このようなアプリは、ユーザーが花粉植物や花粉の種類、自分のアレルギー症状を引き起こす指数レベルを長期にわたり把握するのに役立ちます。これにより、より多くの情報に基づいたアレルギー管理が可能になり、提供するプロダクトやサービスの有用性を高めつつ、ブランドとのエンゲージメントを高めることもできます。さらに、草、雑草、樹木の花粉を区別して個人にとっての誘因を特定できるようにすることで、ブランドへの信頼が構築され、顧客の健康へのコミットメントや症状を軽減する予防的アプローチを人々に示すことができます。このようなパーソナライゼーションは、症状への早期対応、正確な診断、より効果的な治療の選択につながります。製薬会社は、花粉のデータやインサイトを活用して価値あるユーザー エクスペリエンスを生み出すことで、アレルギー治療における業界のリーダーとしての評価を高めることができます。

花粉アラートのパーソナライズ
アレルギー治療薬の多くは、より効果的に症状を緩和するために、症状が始まる前に服用する必要があります。製薬会社のコンパニオン アプリは、花粉飛散予測に基づいたアラートを提供することで、適切なタイミングで薬を確実に服用できるようにします。Pollen API を介して、花粉のライブレポートや予測レポートを 1 km の空間分解能で提供することで、ユーザーはアレルギー症状の管理を大幅に強化する予防的なアプローチを取ることができます。

さらに、パーソナライズされた花粉の指標レベルのアラートは、アレルギー患者が屋内にとどまったり、空気清浄機をオンにしたりするなどの予防措置を講じるタイミングを知るのに役立ちます。Pollen API で使用されているレポート メソッドでは、土地被覆マップ、衛星画像、気象情報、観測所のデータといった複数のデータソースを活用しているため、ユーザーは、当日や 1 週間の計画を立てる際に、居場所を問わずこれらのアラートを頼りにすることができます。これにより、アプリを開いたときに、位置情報に基づいた花粉飛散情報や推奨事項を簡潔にまとめたメッセージ(例: 「うれしいお知らせです。今日は花粉レベルがかなり低いので、屋外で活動できます」)を表示することもできます。

データに基づく教育でアレルギー管理を改善

Pollen API を使用することで、企業は顧客に役立つさまざまなエクスペリエンスを創出でき、アレルギー治療薬ブランドへのロイヤリティを築くことができます。これには、包括的な教育センターの開発なども含まれます。

Pollen API が提供する詳細な花粉アレルゲンの情報によって、製薬会社は、アレルギー患者が花粉アレルゲンの形状、色、交差反応(アレルギーの可能性がある他のアレルゲン)など、花粉アレルゲンに関する詳細を学ぶことができる教育センターを設けることができます。色分けされた地図上のデータ表示を利用して、屋外活動中の暴露を避けたり、さまざまなアレルゲンに対処するためのヒントを得たりできます。また、アレルゲンの種類別に花粉の飛散時期を検索し、ユーザーの居住地における典型的なアレルギーの発症時期を確認することもできます。このようなエクスペリエンスは、ユーザーの積極的な関与を促し、長期的なコミットメントの可能性を高めることにつながります。

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花粉の飛散量に応じたハイキングの推奨ルート

Pollen API でカスタマー エクスペリエンスを強化

花粉のデータは、個人にとっても製薬会社にとっても貴重な資産となり得ます。Pollen API は、実用的なリアルタイムの情報へのアクセスを提供し、アレルギー患者が症状を管理して健康をコントロールできるようにします。アレルギー治療薬のブランドは、コンパニオン アプリで Pollen API データ、ヒートマップ、インサイトを活用することで、強力かつ持続的な関係をアプリの利用者と築くことができます。

一般提供が開始された Pollen API は、気候変動への順応や、その影響の緩和を支援するサステナビリティ エクスペリエンスの開発をサポートすることを目的とする Google Maps Platform の新しい環境サービス スイートの一部として提供されています。

詳細については、Pollen API のウェブページをご覧ください。利用を開始する際は、こちらのドキュメントを参照してください。

Pollen API は、リアルタイムの局地的な花粉データと、特定の花粉の型や種別に分類された詳細な予測を企業のお客様に提供します。健康データを処理することや、お客様のエンドユーザー向けにパーソナライズすることは行いません。

- Google Maps Platform サステナビリティ ソリューション、ビジネス開発 Tamir Kessel

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