Google Maps Platform の小売業向けソリューションでコンバージョンを促進
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 10 月 8 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
2020 年の年末商戦は、小売企業が変化する消費者行動に適応する柔軟性を示す絶好の機会と言えます。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)を機に消費者の購買行動や小売企業の販売方法が一変しました。消費者は利便性、安全性、価値を優先し、ブランドの切り替えに躊躇しなくなっています。各種調査によれば、買い物中になんらかの問題に遭遇したユーザーの 35% はブランドに対するロイヤリティが低くなります¹。買い物客のオンライン検索の道筋は直線ではありません。商品の在庫状況、周辺の店舗、送料、待ち時間に基づいて最適化してから購入を決定します。このため、小売企業はこの慎重な消費者の期待に応える、さらにそれを超えるようにするために標準の店舗運営の手順を変更しています。
小売企業はコンバージョンを増やして収益を改善するために、買い物中にオンラインとオフラインを行き来するお客様のオムニチャネルでの利便性を向上させる必要があります。サイトでの店舗検索と購入手続きの最適化はその第一歩となります。この記事では、Store Locator Plus と Checkout という 2 つの小売業向けソリューションに関するベスト プラクティスと API の概要についてご説明します。
最寄りの店舗やレストランをお客様に表示する
小売企業は消費者の意思決定プロセスを促進するために、まず Store Locator Plus を使用できます。Store Locator Plus は、小売企業がユーザーに豊富なコンテキスト情報を提供し、最寄り店舗の場所に合わせて表示全体で一貫性のあるエクスペリエンスを作成する際に使用することができる一連の Google Maps Platform の API です。小売企業は、カスタムスタイル設定が施された地図上で、移動距離や所要時間でソートされた場所のレスポンシブなリストを表示できます。買い物客は、サービス、営業時間、評価、COVID-19 関連対応の詳細などの重要な情報を簡単に得ることが可能です。多くの方にとって使い慣れた Google マップをウェブサイトに直接統合することで、小売企業は買い物客をサイトにとどめ、Google ビジネス プロフィールと自社のウェブサイトの間で一貫性のあるエクスペリエンスを提供できます。
さまざまなお客様が、高品質な小売エクスペリエンスを提供するためにすでに Google Maps Platform の使用を開始しています。スイスの大手電気通信会社である Swisscom は、オムニチャネル戦略の一環として、自社サイトに店舗検索機能を実装する最初の一歩を踏み出しました。店舗検索により、Swisscom のオンライン予約は 25 倍に増大しました。
英国の大手小売企業であり Sainsbury’s の子会社である Argos は、従来の実店舗でのビジネスを変革し、ウェブサイトに最先端の店舗検索機能を実装しました。買い物客は、Argos のウェブサイトで店舗検索とインタラクティブな地図を利用して、最寄り店舗の場所を特定できます。また、商品ページの在庫確認機能を使って、都合の良いときに商品を受け取れる最寄りの店舗を探すこともできます。Argos は Google Maps Platform に移行することで、オンライン ショッピングと店頭の利便性を組み合わせ、ウェブサイトの直帰率を 12% も改善することができました。これは、1 年間で 400 万回のアクセスに相当します。
Argos の店舗検索では、「場所の詳細」をタップすると、重要な店舗情報とともに周辺店舗の場所が表示されるようになっています。
購入手続きを簡略化し、販売を促進する
購入手続きをすばやく簡単なものにすることで、コンバージョンと顧客満足度の向上につなげることができます。Google Maps Platform の Checkout ソリューションは、小売企業とユーザーの両方が支払いとフルフィルメント(集荷または配達)のフォームに記入する際に、住所の正確性の検証に役立つ一連の推奨 API です。プレイス オートコンプリートは「予測入力」の住所予測サービスを提供して、キーストロークを減らしリアルタイムで候補を表示します。小売企業はプレイス オートコンプリートから住所を取得すると、Geocoding API を利用して視覚的フィードバックを速やかに提供し、ユーザーの配達先住所や集荷住所の正確な緯度と経度を特定することもできます(プレイス オートコンプリートの Place_ID を使用)。これにより、地図に移動可能なピンを表示し、配達や集荷の場所を確認できます。
Tokopedia はインドネシアの主要なマーケットプレイス プラットフォームを提供しています。同社は Tokopedia アプリの検索バーと住所確認にオートコンプリート機能を実装して以来、住所の入力率を 10% 向上させることができました。誤配達や住所の間違いは大きなコスト要因になります。購入手続きを開始してすぐに住所を取得すると、エントリを加速し、コンバージョンを増やして、最終的にはブランド ロイヤルティを構築することが可能になります。
Tokopedia のアプリは、オートコンプリートを使用して住所の正確性を確認し、購入手続きを簡素化します。
シームレスな小売エクスペリエンスを新たに作り上げる
デジタルは実店舗に完全に取って代わったわけではなく、デジタルによってショッピング体験が強化されました。消費者は商品を購入するための代替方法を模索しているため、地理空間情報サービスやロケーション インテリジェンスによって購入プロセスが拡大する可能性があります。先進的な小売企業にとって、これはお客様の信頼を勝ち取るシームレスなプロセスを構築して差別化を図る絶好の機会です。
独自の店舗検索と購入手続きソリューションの構築を開始するには、ベスト プラクティス ガイドを参照してください。
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-プロダクト マネージャー Kevin Wu