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Google Maps Platform

Cadbury Worldwide Hide: Google Maps Platform でエッグハントを広め、人とのつながりを深める

2021年5月26日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 5 月 13 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 本日の投稿は、VCCP London と VCCP CX チームによるものです。VCCP London は Google Maps Platform を活用して、エッグハントのための Cadbury Worldwide Hide プラットフォームを発案し、構築しました。人と会うのが難しい時勢の中で、ユーザーが大切な人とつながる手段として活用できます。

「Cadbury Worldwide Hide」のアイデアはどのようにして生まれたのですか?

VCCP London は Cadbury の指定広告代理店として、英国国内のみならず、グローバル チームとともに世界中に広告を展開しています。今年 5 月に、Cadbury から「イースター 2021」キャンペーンの説明がありました。イースターの時期に大切な人とのつながりを深める、斬新な方法を考え出して欲しいということでした。当時はちょうど、パンデミックの状況が絶えず変化していて、ロックダウンがイースターの季節まで延長されることが見込まれていた頃です。

当社は、大切な人のためにバーチャルなイースター エッグを隠すアイデアを思いつきました。オンラインで隠された卵を見つけると、本物が自宅に届くようにしたら面白いのではないかと Cadbury に提案したのです。そして創造性とテクノロジーを駆使して、このアイデアを実現させました。実際に構築したものでは、ユーザーは本物の Cadbury Easter Egg を購入し、地図上の特定の場所にバーチャルで隠します。次に、卵を見つけるためのヒントを書いて受取人に送ります。受取人が卵を見つけると、隠した人が購入した実物の卵が受取人の自宅に届くというわけです。

当社はこのキャンペーンが 1 対 1 の確かなつながりになり、すてきな思い出を呼び起こすものにしたいと考えていました。そこで、離れていても大切な人のために本物のチョコレート エッグを隠すことができる仕組みを考え出したのです。

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Cadbury がこのキャンペーンを重視していたのはなぜでしょうか?

優しさは Cadbury ブランドの中核であり、イースターは「グラス 1 杯半分、たっぷりの喜び」という同社のスローガンを実現させる良い機会になります。イースターを新しい形で表現する、この「卵を隠して、想いを伝える」キャンペーンも 2 年目を迎えました。愛する人のことを想って卵を隠すことで、優しさを示すことができると信じています。

世界的なパンデミックのため実際に会うことが制限されているからこそ、世界中の人々を優しさの力でつなげることが今年のイースター キャンペーンの狙いです。

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「モバイル ファースト」アプローチにより、消費者がどのデバイスからでも、一貫した魅力的なブランド体験でプラットフォームにアクセスできるようになりました。
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「受取人」には「隠した人」が用意したヒントが与えられます。エッグハントを開始し、卵を見つけるまで続けることができます。

プロジェクトの技術面について教えてください。このユーザー エクスペリエンスは、どの Google Maps Platform プロダクトを使って作り出したのですか?

Cadbury Worldwide Hide は、4 つのマーケット(英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド)でリリースされました。地域の e コマースや CRM パートナーと連携することで、キャンペーン期間を通じて、卵を見つけた受取人にチョコレート エッグを実際に届けることができました。

鍵となったのはマップによる魅力的なユーザー エクスペリエンスを提供することであり、消費者が日常的に使っている Google マップのインターフェースを活用することで、コアとなるキャンペーン メッセージに集中的に取り組むことができました。2D の地図をレンダリングする Maps JavaScript APIStreet View API の両方を使ってプラットフォームを構築したことで、ユーザーが世界中の好きな場所に、大切な人のために卵を隠せるようになりました。また、Place Autocomplete の強力な検索機能によって、ユーザーはヒントをたどって好きな場所を探して隠せるようにしました。受取人は距離計を利用でき、行き詰まった場合にはヒントを見ることができます。当社の設計エンジニアリング チームは、Google Maps Platform のクラウドベースのマップスタイル設定を使って、地図をカスタマイズしました。

できるだけ多くの人にキャンペーンを利用してもらうために、スクリーン リーダー サポートや関連タブのインデックスから、地図内のフルキーボード ショートカットまで、サイト全体のユーザー補助を優先しました。こうすることで、ユーザーはマウスを使うことなく卵を隠し、見つけることができます。確実にベスト プラクティスを実現するため、UX、設計、開発プロセスのすべてについて、実際のユーザーによるテストを行いました。

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ストリートビューと地図上で卵の場所を特定し、見ることができます。

VCCP チームがソリューションを構築するまで、どれくらいの期間がかかりましたか?

ソリューションの発案からロールアウトまでにかかった期間は約 7 か月です。当社の設計エンジニアリング チームが 2020 年 9 月に 4 週間の調査フェーズを開始し、プロジェクトの基盤となるサービスの青写真を作りました。この青写真でサービスのプロセス全体を最初から最後まで可視化し、それぞれのステージで発生したすべてのアクティビティ、関連する異なるロール、アクション、プロセス、システムをリスト化することで、関係者全員が足並みをそろえてソリューション開発に取り組むことができました。

開発の反復サイクルに入ったのは 2020 年 11 月で、まずは UX(ユーザ-によるテストのプロトタイプ)と UI(クラウドベースのマップスタイル設定を使用した Google マップの外観とカスタマイズ)、その後 12 月にフロントエンドとバックエンド開発に着手しました。世界中の何百万人ものユーザーがイースターを先取りして楽しめるように、2021 年 3 月上旬に Cadbury Worldwide Hide プラットフォームをリリースしました。

エクスペリエンスの開発中に問題は発生しましたか?

当初の計画よりも多くのマーケットでプラットフォームをリリースしたいという要望に応じるため、計画の変更を調整することが実は最大の難所でした。そこで開発フェーズ中に、英国に加えアイルランド、オーストラリア、ニュージーランド向けに同じタイムフレームでプラットフォームを開発するため、スケールアップを行いました。

達成できた成果と、プロジェクトの成功をどのように測定したのかを教えてください。

Cadbury Worldwide Hide のチョコレート エッグは、イースター サンデーの 1 週間前に売り切れました。サイトへのアクセス数は 226 万を超え、プラットフォームの平均滞在時間は約 5 分でした。オンラインで隠された卵の数は 809,000 個以上にのぼり、Cadbury の本物のイースター エッグは 14,500 個を超える売上となりました。Cadbury Worldwide Hide プラットフォームは、世界の Mondelēz International ウェブサイトでトップになりました。このプラットフォームを結婚のプロポーズに使ったカップルもいます。

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卵を見つけると、確定画面が表示されます。

一般消費者にサービスを提供する他の企業にも、同じタイプのキャンペーンやユーザー エンゲージメントをすすめますか?その理由も教えてください。

消費者に直接サービスを提供する(Direct To Consumer, DTC)能力は、ブランドにとってますます重要になっています。特に FMCG(日用消費財)分野においてはこの動きが顕著です。国内や地域内のロックダウン、実店舗に課せられた制限により、e コマースの導入は加速しています。ブランド側が迅速に順応する必要があっただけでなく、消費者側も好きなブランドに DTC 機能を求め始めています。Cadbury はこの流れの変化にいち早く気づいたのです。Cadbury Worldwide Hide が成功を収めたのは、プラットフォームをゲーム化し、実際に会うのが難しい中で人とつながる時間を提供することで、従来の DTC と e コマースのエクスペリエンスを超えるイノベーションを実現したためです。

Google Maps Platform を使ったユーザー エクスペリエンスを検討している他の代理店やブランドに、どのようなアドバイスがありますか?

このプロジェクトを引き受けたことで、多くのことを学びました。たとえば次のようなことです。

  • できないことはないと考える。

  • 当社の「モバイル ファースト」アプローチにより、消費者はどのデバイスからでも一貫した魅力的なブランド体験でプラットフォームにアクセスできるようになりました。

  • Google マップの従来の用途を超えて大きく考え、その上に構築するための基盤プラットフォームとして捉える。

  • 早期にプロトタイプを作り、テストを行うことで、仮説を検証する。技術面の概念実証を作成することで、設計プロセスの初期段階で「実際の」Google マップと実際のユーザーを使ってテストできました。

  • 可能な限りアクセスのハードルを下げる。できるだけ多くの人がソリューションを活用できるようにするため、「すぐに使える」機能を基に構築することが重要です。

Google Maps Platform に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。ご質問やご意見はページ右上の「お問い合わせ」より承っております。

VCCP London and the VCCP CX team

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