AR と建築ジオデザインの未来
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Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 10 月 7 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 本日のブログ投稿は、Geopogo のクリエイティブ ディレクターである Mike Hoppe 氏によるものです。Geopogo は、設計と建築の工程と成果を向上させる 3D 可視化ソフトウェア ツールを考案し開発することで、プロジェクト チームがさらに優れた建物や街づくりを実現できるようにしています。
カリフォルニア州オークランドの 7 月のある暖かい朝、私は市内のお気に入りの場所、メリット湖を車で訪れました。オークランドのダウンタウンを見渡せるその美しい河口には、街のすべての高層建築物を一望できる絶景ポイントがあります。私はそこで、当社の最高技術責任者とインターンの 1 人を伴い、開発したばかりの機能を試そうとしていました。ちょうどエンジニア チームが Magic Leap 2(ML2)AR グラス向けの Geopogo の最新アップデートを終えたところでした。
今回のアップデートでは、Cesium プラットフォームで構築した新しい特殊な地理空間機能と、Google Maps Platform の新しい Photorealistic 3D Tiles が導入されました。この新しい 3D Tiles は、都市の 3D メッシュモデルを提供します。当社はこれをオクルージョン レイヤとして使用して、独自の 3D タワーモデルを現実空間に重ねることにしました。言い換えると、建物やタワーの 3D AR モデルを実際の建築物と融合させ、部分的に背後に隠すことで、竣工後のイメージを再現できるようにしたのです。多大な期待とリスクのもと、スタートアップの当社はこの新機能を必ず成功させる必要がありました。
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メリット湖から見渡すオークランドのダウンタウン
オクルージョン(対象物を見た目上隠したり目立たなくしたりするプロセス)がうまく機能すると、AR の主要な問題点が解決され、現実世界で AR コンテンツをよりリアルに感じられるようになります。オクルージョンは、AR モデルを実際の建物や対象物の背後に隠せるようにすることで、奥行きを作り出します。建築と設計において、オクルージョンはプレゼンテーションや設計レビューで実際の現場に新しい建物の提案を適切に配置するための最も重要な機能です。オクルージョンがなければ、建物はカメラの前に浮かんで見えるだけです。
Magic Leap 2 グラスで建物のオクルージョンを実現
私はメリット湖の湖畔に立ち、ML2 の電源を入れ、スマートフォンのホットスポットに接続させて新機能のテストを始めました。結果は成功でした。思わず「うまくいったぞ」と声が出ました。私は Photorealistic 3D Tiles と 3D 建物モデルをオークランドの景色に重ねると、モデルを所定の位置に固定し、非表示にして、オクルージョン レイヤを作成しました。目に見えないこのマスクにより、AR コンテンツを実際の対象物や建造物と融合させ、背後に隠すことができました。
私たちは Magic Leap 2 AR アプリにさまざまな 3D 建物モデルを組み込み、超高層ビル、小さな建物、住宅、さらには木などを街中のあらゆる場所に配置できるようにしました。まるで現実の街で SimCity をプレイしているように感じました。しかもちゃんと機能しています。私は自分たちの理論が機能したことに、興奮を抑えきれませんでした。そして今後は他の都市にも応用できるのです!
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Magic Leap でサンフランシスコに重ねられた拡張現実
メリット湖でのキャプチャを終え、自分が目にしたものに驚嘆していると、興味を引かれたジョガーが私のそばで足を止め、何をしているのか尋ねてきました。私は嬉しくなり、グラスを外して「これを見てみてください」と答えました。そして彼にグラスを装着してあげ、オークランドのダウンタウンにそびえ立つ、私が設置した AR のタワーを指さしました。「うわ!あれ AR なんですか?」と叫んだジョガーの反応に気をよくした私は、「そうなんです」と答えてから、ハンドヘルド コントローラを使って街中でタワーを動かす方法を教えてあげました。それを見たジョガーは「すごいですね」と感嘆してくれました。彼はこの体験に感謝し、私と握手して、ジョギングに戻っていきました。私は都市規模のオクルージョンを実現したことに興奮し、好奇心をそそられたジョガーは友人との話の種にもってこいの体験ができました。
この技術を実現した詳しい方法
まず、ウェブやモバイル デバイスはもちろん、AR グラスや VR ヘッドセット向けのアプリケーション開発にも使用されるゲーミング プラットフォーム、Unity と Unreal Engine 5 向けのオープンソース プラグインを備えた 3D 地理空間プラットフォーム、Cesium を使うことから始めました。そして ML2 グラスを使って 3D マップを投影する方法を見つけました。次に、特殊なオクルージョン マテリアルを開発し、Photorealistic 3D Tiles に適用してユーザーに見えないようにしました。これにより、AR モデルをオクルージョン レイヤと相互作用させ、背後に隠せるようになりました。その後、現実世界でモデルを移動、回転、位置合わせし、所定の位置に固定するためのロケーション ツールを構築しました。
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Cesium と Google Maps Platform を使用したデトロイトの拡張現実
Cesium、Google の Photorealistic 3D Tiles、Magic Leap 2 をパッケージ化した Geopogo は、先見的な建築家、リーダー、設計者、商業開発者向けのパワフルなプラットフォームになりつつあります。Geopogo を使用すれば、建物のコンセプトを現実世界で設計、レビュー、プレゼンテーションすることができ、建築前にその設計の視覚的なインパクトについてあらゆる人に確認して理解してもらえます。建築 / エンジニアリング / 設計企業の HOK(米国最大手)のような会社やチームでは、プレゼンテーションや設計レビューに Geopogo プラットフォームを使用しています。
あの夏の暖かな朝にメリット湖のほとりに立ったとき、レンダリングやブループリントの域をはるかに越えたパワフルな建築プレゼンテーションを可能にするという Geopogo の使命に、これまでになく近づいていることが実感できました。Geopogo は、より良い街づくりのためのアイデアが浮かんだ時に誰もが簡単にそのアイデアを他の人に提示できるように構築されています。「グラスをかけて私のアイデアを見てみて」と言うだけの手軽なプレゼンテーションが可能になるのです。
さっそく Geopogo を使ってあなたのアイデアもお見せください!
Photorealistic 3D Tiles の詳細を見るか、今すぐ使ってみましょう。Google Maps Platform の詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
- Geopogo、クリエイティブ ディレクター Mike Hoppe 氏