Pollen API を発表: 世界各地の花粉飛散量に関する実用的情報を提供
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 8 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: この投稿は、世界規模で開催されるインスピレーション、イノベーション、教育に関する展示会「Next '23」から Google Maps Platform に関する最新のニュースをお伝えするシリーズの一部です。Google Maps Platform の新機能の詳細は、 8 月 30 日の午前 11 時から 11 時 45 分(米国太平洋夏時間)に行われた「Google Maps Platform の新機能」のセッションでもご覧いただけます。
世界保健機関(WHO)によると、世界の人口のうち最大で 3 分の 1 がアレルギー性鼻炎を患っており、米国では成人の 4 分の 1(約 6,700 万人の米国人) が季節性アレルギーを患っています。気候変動による気温の上昇と温室効果ガスの排出により、花粉の飛散期間が長くなり、飛散量が多くなっているため、企業は自社の対象顧客、特に花粉に敏感な顧客に対して、単なる医薬品提供だけにとどまらない価値を提供したいと考えています。このような顧客とのかかわりを深め、季節性アレルギーに悩む人々にとって頼りになる存在として自社ブランドを位置づけるには、企業が世界中の花粉飛散量に関する信頼性の高い、実用的な情報を自社のユーザーに提供することがますます重要になってきています。このたび Google Maps Platform チームが発表した新しい Pollen API を活用することで、企業は関連情報をユーザーと共有し、ブランドのロイヤリティとエンゲージメントを高めることができます。
Pollen API を使用することで、人々が花粉などを始めとするアレルギー原因にさらされるリスクを抑え、正しい情報に基づいて、日々の判断を適切に行うことができます。この API は、皆様のユーザー様に健康に関連する有益な情報を提供して、以下のようなユースケースに対応するべく開発されました。
地域に的を絞った適切な花粉飛散量データ
ヒートマップのビジュアリゼーション
植物性アレルゲンに関する詳細情報
花粉への曝露を最小限に抑えるための実用的なアドバイス
Pollen API を支えるデータ
従来の花粉に関する報告はかなり手作業に頼るもので、時間がかかり、多くの場合、結果を出すのが遅れます。言うまでもなく、花粉の影響を受けやすい人々にとっては、影響を受けやすい特定の植物や種に関する情報も重要です。花粉の影響を受けやすい人々に対し地域に的を絞った有益なリスク指標を提供するには、さまざまな植物種から発生する草、雑草、樹木の花粉を区別することが重要となります。花粉の飛散時期が変化し続け、予測が難しくなるにつれ、従来の花粉飛散量の報告には、たいてい、特に地域レベルで、アレルギーを持つ人々を効果的に支援するのに必要な情報が欠けています。
今回発表した Pollen API は、世界 65 か国以上の 1 平方キロメートル グリッドにおける花粉の季節性と 1 日あたりの量を計算するモデルを利用しています。また、最大 5 日間の予測、3 種類の植物、15 種類の植物種に対応します。このモデルは、土地被覆、気候データ、植物ごとの年間花粉生成量などのさまざまな入力情報を使用して、地域の花粉飛散量と曝露リスクに関する信頼性の高い予測値を提示します。
健康に良い意思決定と事業の成長のための機能
個人に合わせ、地域に的を絞り、植物に特化した花粉データを迅速に提供することは、影響を受ける対象ユーザーを引き付け、これらユーザーに正しい情報を提供するうえで重要です。Pollen API を利用することで、健康に良い意思決定のためのデータ分析情報を提供し、以下のようにビジネス成長の機会を生かすことができます。
アレルギーを持つ人々が薬を最適に服用し、屋外活動に最適な時間帯と最も花粉の少ない経路を選択して、室内空間を可能な限り花粉のない状態に保つことができるようにすることで、アレルギー反応を最小限に抑えられるよう支援する。
ソーシャル メディア、メール、ウェブサイト アラートなどのデジタル チャネルを通じて、花粉飛散量の変化に備えるための有益な花粉情報をユーザーに提供する。
花粉に関する詳細な情報を伝える対話型の視覚的体験を提供することで、人々がより迅速かつ十分な情報に基づき健康に関する判断を下せるよう支援し、エンゲージメントとブランド ロイヤリティを高め、ブランドの差別化につなげる。
花粉データがビジネスに何をもたらすか
花粉データは、ブランド ロイヤリティと信頼の確立の機会、エンゲージメントと商品価値の向上の機会、より復元力のあるコミュニティづくりへの貢献の機会など、企業にとってまたとない機会をもたらします。要望に合わせた予測やリアルタイムの環境可視化機能は、人々が周囲の環境を「見て」理解し、適宜行動を起こすのに役立ちます。このような花粉データの活用によって、さまざまな業界においてビジネスの成長を実現できます。
アレルギーに関するサービスを提供する企業の場合、個人に合わせて提供される花粉データを使用して、供給管理と需要計画の改善、市場分析のための情報提供、現在および将来のプロダクト ロードマップのための情報提供を目的とした消費トレンドの特定を行えます。
健康事業または健康関連事業の場合、地域の花粉データを活用することで、アレルギーに苦しむ個人の具体的な要望と環境に応じて、健康に焦点を当てたアラートと推奨事項を配信できます。たとえば、具体的な花粉飛散量の増加が見込まれる前に薬を服用するようアラートを出したり、アレルギーに苦しむ人が屋外の活動を楽しめるよう、こういった人にアレルギー リスクが低くなる時期を通知したりできます。これにより、プロダクトおよびブランドに対するエンゲージメントを高めることができます。
コンパニオン アプリの場合、複数日の花粉飛散量予測を利用することで、ユーザーにより長期的な価値を提供し、日単位および週単位の出張や旅行、または仕事のための計画の改善といったより健全な生活習慣の導入を可能にすることで、サービスを強化し、新たな収益化の流れを切り開くことができます。
Google は、人々の生活に大きな影響を与える可能性がある花粉データをさまざまなビジネスモデルに反映することで生まれるイノベーションに期待しています。Pollen API はプレビュー版であり、Google Maps Platform をご利用中のお客様にご利用いただけます。まずは Pollen API のウェブページをご覧ください。Google の新しい Environment API 群の詳細については、 8 月 30 日の午前 11 時から 11 時 45 分(米国太平洋夏時間)に行われる「Google Maps Platform の新機能」のセッションにご参加ください。