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Google Cloud

オープン クラウドが実現する顧客支援とエコシステム強化

2020年11月30日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 11 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

クラウドに移行する組織はそれぞれ、進化する運用環境や規制要件など、さまざまな要因に応じて独自の道のりを歩んでいます。複数の地域にまたがって、変化の多い市場環境の中で成長している組織を含め、すべての組織におすすめするのがオープン クラウド アプローチです。このアプローチでは、パブリック クラウドまたはプライベート データセンター間で運用面と技術面の一貫性を確保し、インフラストラクチャ、アプリケーション、データを組織全体で効率的に管理できます。

Google は、選択肢、柔軟性、オープン性をもたらすオープン クラウドが、多様な企業のニーズを満たすことができると確信しています。Google のオープン クラウドの理念は、お客様がインフラストラクチャ全体に自律性と管理性を求めているという考え方に根差しています。クラウドとオンプレミスの両方で複数の環境においてアプリケーションを構築、移行、デプロイするオプションを提供することによって、お客様はベンダー ロックインを回避し、複数の環境間で迅速にイノベーションを達成できます。

Google はオープン クラウド推進の旗振り役であることを誇りとしており、この姿勢がオープンソースおよびオープンデータ コミュニティへの貢献、ならびにテクノロジー ソリューション構築へのアプローチを支え、促進しています。

オープンソースを介してコンピューティングを推進する

オープンソースは、オープン クラウドにおいて重要な役割を果たします。多くの企業は、プロバイダが国または地域の政策変更によりクラウド サービスを一時停止または終了せざるを得なくなった場合に備えた「存続可能性要件」があるミッション クリティカルなワークロードやセンシティブ データを所有しています。ワークロードを他のクラウドに移動するには、オープンソースおよびオープン標準を使用して開発したクラウドであることが重要です。

Google Cloud は、専用ソリューションでは存続可能性要件に完全に対処できず、オープンソースのツールとオープン標準に基づくソリューションこそが、お客様と政策立案担当者の懸念に対処するための手段になると考えています。さらに重要なことは、オープンソースが、パブリック クラウド プラットフォームの内外に重要なワークロードをデプロイする(さらに、必要に応じて移行する)柔軟性をお客様にもたらすという点です。

Google は長い間、オープンソースを介してテクノロジーを共有してきました。たとえば、現在ではクラウドにおけるコンテナのポータビリティと相互運用性の業界基準となっている Kubernetes などのプロジェクトや、誰でも機械学習モデルを開発してトレーニングできる TensorFlow プラットフォームを手がけてきました。Google の主任エコノミストである Hal Varian の言葉を借りれば、「オープンデータとオープンソースは私たちや業界にとって良いものであるだけでなく、世界全体にメリットをもたらすもの」です。

お客様の選択肢を重視する Google の信念はテクノロジー開発手法の根幹をなすものであり、オープンソース API や相互運用可能なソリューションの活用に根差しています。さらに、データ管理とデータ分析の分野の主要な組織と連携して、オープンソースのメリットとマネージド クラウド ソリューションを組み合わせたプロダクトを開発しています。

柔軟性を提供するための別の手法として Google が採用しているのは、ハイブリッド マルチクラウド環境です。Anthos は Google のハイブリッド マルチクラウド プラットフォームです。Kubernetes、Istio、Knative などのオープン テクノロジーをベースに構築されていて、競争を強化し新たなパートナーシップへの扉を開くエコシステムを実現します。この精神に基づき、OVHcloud と Google Cloud は先週、ヨーロッパにおいて信頼性の高いクラウド ソリューションを共同開発するための戦略的パートナーシップの締結を発表しました。このパートナーシップの焦点は、Google Cloud テクノロジーによる最高水準のイノベーションと価値をアジャイルに提供し、ヨーロッパのお客様がクラウドにおけるビジネス変革を促進すると同時に、厳格なデータ セキュリティおよびプライバシー要件に対処できるよう支援することにあります。

一般公開データセットでデータサイロを排除し、新たなインサイトを見いだす

お客様は、Google Cloud を利用してデータからより優れたインサイトを獲得しています。BigQuery などのデータ分析ソリューションが、データの可能性を最大限に引き出すお手伝いをしています。Google の最新分析ソリューションの一つである BigQuery Omni を利用すると、マルチクラウド環境全体で費用対効果の高い方法でデータにアクセスし、安全にデータを分析できます。これらのツールにより、お客様は組織の内外でデータのオープン性を高めることができます。Google は、安全性の高い方法で責任をもってデータのアクセシビリティとポータビリティの実現を支援することを最重要視しています。

同時に、Google Cloud 一般公開データセット プログラムを介して、100 を超える需要の高い一般公開データセットをホストするデータ プロバイダと連携し、お客様と研究コミュニティが実際のビジネスおよび社会面での問題を解決するための独自のインサイトを特定できるようにしています。たとえば、今年初めには COVID-19(新型コロナウイルス感染症)一般公開データセットを追加し、この新たなコロナウイルスに対する世界中の対応をサポートしました。

また、さまざまな調査結果とツールをコミュニティと共有し、誰もがデータを安全に、また研究者、デベロッパー、ジャーナリストの重要な業務を後押しするような方法で共有できるようにしました。Google のチームは調査サイトを介して 80 を超えるオープン データセットをリリースし、その他の匿名化されたプロダクト インサイトを集約して共有しています。たとえば、YouTube-8M は大規模なラベル付き動画データセットで、研究者がコンピュータ ビジョンと動画に関する理解を深めるために利用しています。さらに、3,100 万を超えるデータセットを擁するデータセット検索を利用することで、使用権、形式、その他の主要なパラメータに応じた関連性の高いデータセットを誰でも特定し、フィルタリングできます。また、500 万人のユーザーから構成される Kaggle コミュニティは 5 万の一般公開データセットと 40 万の一般公開ノートブックをホストし、機械学習と人工知能の研究をサポートしています。

継続的なコラボレーションによりオープン クラウドへの道を切り拓く

Google Cloud はオープン クラウドへの取り組みを継続し、パートナーや政策立案担当者と連携して、お客様、オープンソース コミュニティ、社会全体を支援していきます。オープン性を介して組織が達成する偉業を知ることが最大の喜びであり、オープンソースとオープンデータへの貢献を続けることで、そうした組織を引き続き支援していく所存です。

-Google Cloud CEO、Thomas Kurian

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