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データベース

Cloud Spanner でインスタンスのきめ細かなサイズ設定: 月額 $40 から本番環境ワークロードを実行可能に

2022年6月7日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 6 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Cloud Spanner は、業界トップクラスの 99.999% の可用性と、ほぼ無制限のスケーリングを提供し、最も要求の厳しいワークロードにも対応できるリレーショナル データベース サービスです。そのため、さまざまの業界のユーザーが、大きなスループットを必要とするワークロードに対する Spanner の性能を信頼しています。ユーザーからは、Spanner が提供する管理機能、スケール保証、一貫したパフォーマンスを高く評価し、大小さまざまなワークロードを Spanner で標準化したいという声が寄せられています。

そのようなご要望にお応えし、昨年、月額およそ $65 から Spanner でワークロードを実行できる、インスタンスのきめ細かなサイズ設定のプレビュー版をリリースしました。本日は、このサイズ設定の一般提供が開始されたことをお知らせいたします。インスタンスのきめ細かなサイズ設定を行うことで、ゾーンまたはリージョン間での透過的なレプリケーション、高可用性、さまざまな種類の障害に対する復元力、ダウンタイムなしで必要に応じてスケールアップ / スケールダウンする機能など、Spanner のすべての長所を今までより低コストで利用できます。さらに、確約利用割引を利用すれば 3 年契約で 40% の割引が適用され、本番環境ワークロードの最小構成価格はさらに低減され、月額 $40 未満になります。

インスタンスのきめ細かなサイズ設定の仕組み

インスタンスのきめ細かなサイズ設定では、Spanner のリソースをプロビジョニングする新しい単位として、「ノード」とは別に「処理ユニット(PU)」を導入しています。Spanner の 1 ノードは 1,000 PU に相当します。したがって、100 PU のインスタンスから始めて、100 PU のバッチ単位でプロビジョニングし、それに比例した量のコンピューティング リソースとストレージ リソースを取得できます。1,000 PU 未満、すなわち 1 ノード未満のインスタンスを含むすべての Spanner インスタンスの可用性 SLA は、リージョン インスタンスで 99.99%、マルチリージョン インスタンスで 99.999% とほぼ同じです。この機能を活用することで、費用対効果の高い方法であらゆる規模のワークロードを Spanner 上で実行し、必要に応じてシームレスなスケーリングが行えます。

インスタンスのきめ細かなサイズ設定を行うことで、比例したリソースを比例した価格で取得できます。たとえば、100 PU の Spanner インスタンスでは、最大 10 個のデータベースで、最大 410 GB のデータ ストレージをサポートします。この Spanner インスタンスあたりのデータベース数の上限は、インスタンスのプロビジョニングされたコンピューティング容量に比例してスケーリングされ、インスタンスあたり最大 100 データベースまでとなります。また、Spanner インスタンスの保存量の上限は、1,000 PU(1 ノード)あたり 4 TB のため、インスタンスに十分なコンピューティング容量がプロビジョニングされている限り、無制限にデータを保存できます。

インスタンス構成、コンピューティング容量の単位として処理ユニット(PU)を選択し、その数量を指定することで、インスタンスのきめ細かなサイズ設定を簡単に使用できます。コンソール ページの右側の概要には、処理ユニット数に基づいた時間当たりのコンピューティング費用が表示され、インスタンスで利用可能な最大ストレージも記載されています。

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あらゆるデベロッパーとワークロードにとって、さらに使いやすい Spanner に

Google のミッションは、誰もが Spanner を利用できるようにすることです。そうすることで、デベロッパーは使い慣れたインターフェースで使用を開始し、初期費用を抑えたうえで、ダウンタイムなくシームレスなワークロードのスケーリングを実現できるようになります。  

インスタンスのきめ細かなサイズ設定では、本番環境ワークロードの初期費用を削減するだけではありません。最近では確約利用割引(CUD)も導入されました。CUD では、Spanner のコンピューティング容量を費用ベースの使用量に応じて時間単位で 1 年以上確約することで、割引価格で利用できます。費用ベースの確約割引では、プロジェクト全体で、すべてのインスタンス構成(リージョンまたはマルチ リージョン)でインスタンスのコンピューティング容量に対して自動的に割引が適用されるため、最大限の柔軟性が提供されます。1 年間の CUD(20% 割引)、または 3 年間の CUD(40% 割引)のいずれかを購入することで、費用を削減できます。そのため、100 PU のリージョナル Spanner インスタンス、たとえば us-central1 で、3 年間の確約利用割引が適用された場合、毎月の請求額は $40 未満となります。

また、Google Cloud Next ‘21 では、Spanner 用の PostgreSQL Interface のプレビュー版も発表されました。この機能により、使い慣れた PostgreSQL 言語を使用して、Spanner で革新的なアプリケーションを構築できます。Spanner のスケーラビリティ、整合性、高可用性を備えた PostgreSQL の提供する機能の主要サブセットも利用できます。Spanner 用の PostgreSQL Interface の一般提供については、近日中に発表する予定です。

Google は、インスタンスのきめ細かなサイズ設定、CUD、Spanner 用の PostgreSQL Interface により、デベロッパーからの多くのご要望に応え、Spanner での最高水準のエクスペリエンスをより利用しやすく、費用対効果の高いものにすることを目指しています。たとえば、あるスタートアップは 2 人でゲーム開発を行っていますが、100 PU の Spanner インスタンスで最初のゲームを開発し、間もなく発売する予定です。このスタートアップは、自社のゲームタイトルが、同じく Spanner で構築されたポケモン GO と同じように成功することを目指しています。その目標が実現した場合も、Spanner では数百万人のユーザーをサポートするためのシームレスなスケーリングを提供しているので、データベースの再構築を心配する必要はありません。

詳細

Spanner でアプリケーションを構築し、お客様のビジネスの成長に合わせてスケーリングしませんか? Spanner の利用を開始するには、インスタンスを作成するか、Spanner Qwiklab でお試しください。



- Google、グループ プロダクト マネージャー Vaibhav Govil
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