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Memorystore for Redis Cluster を発表: 60 倍のスループット、マイクロ秒のレイテンシ

2023年9月7日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 8 月 31 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

現在、Redis の利用が広まっています。たとえば、データベースの負荷を減らして費用を節約したり、レイテンシを短縮してエンドユーザー エクスペリエンスを改善したりするなど、さままな目的に活用されていますが、単純にデベロッパーから人気があるということも、普及の一因となっています。しかしながら、ゲーム業界(リーダーボードやセッション ストア)、金融業界(不正行為の検出)、広告業界(超低レイテンシでの配信)、小売業界(購入手続き)など、さまざまなワークロードに活用されるなかで、スタンドアロンの Redis シャードの境界線が広がり、パフォーマンスおよび水平方向のスケーラビリティが Redis クラスタに対して求められるようになってきています。

先日の Google Cloud Next で、Redis ワークロードのこのような厳しい要求に応える Memorystore for Redis Cluster のプレビュー版を発表しました。Memorystore for Redis Cluster は既存のサービスと比べて、60 倍のスループットで 10 倍のデータ量を処理できるうえ、レイテンシをマイクロ秒単位に抑えられます。Redis クラスタ向けのこの新しいフルマネージド サービスはオープンソースと完全な互換性があり、設定も簡単で、ゼロ ダウンタイムのスケーリングと予測可能な超低レイテンシを実現します。Memorystore for Redis Cluster はノードのゾーン割り当てを自動的かつインテリジェンスに行うのが特徴で、高可用性と復元性を確保するほか、レプリカの自動管理とプロモーションにも対応します。一般提供時には、SLA で 99.99% の可用性を保証する予定です。

予測可能な超低レイテンシ

Memorystore が支持されている理由は、低レイテンシと信頼性にあります。Memorystore for Redis Cluster は、これらの特長に加えて、スケーラビリティとパフォーマンスが大きく向上しています。ワンクリックまたは gcloud コマンドの簡単操作で、クラスタをテラバイト単位のキースペースにゼロ ダウンタイムでスケールし、Redis で最大 60 倍の Memorystore スループットを実現します。最大の特長は、Redis エンジン上で直接スケーリングを改善しているため、Redis のスケーリング エクスペリエンスが目に見えて向上するという点です。

Verve Group は、リアルタイム広告の配信を手がける広告テクノロジー エコシステムであり、超低レイテンシの Redis クラスタを活用しています。同社は最近、Memorystore for Redis Cluster をテストし、その管理のしやすさに加えて、Redis エンジンに加えられたスケーリング関連の改善点をじかに体験しました。具体的には、スロット移行の改善や、リスク回避のためのスケーリングが行われているほか、オープンソースの Redis クラスタ スケーリングに内在するデータ破損リスクにも直接対処しています。

「Memorystore for Redis Cluster は予想を超えるパフォーマンスをもたらし、卓越した高スループットと超低レイテンシを記録しました。10 ノードに直ちにスケールダウンできるなど、ゼロ ダウンタイムのスケーラビリティを簡単に得られることが実証されています。」 - Verve Group、DevOps マネージャー Ville Lamminen 氏

手軽に管理、節約

Memorystore for Redis Cluster の価値を示すために、総所有コスト(TCO)を下げて費用節約をもたらすこと、運用負担を減らすことは、不可欠な条件です。そのため、この新サービスでは Compute Engine 上にある数十~数百の Redis ノードの自己管理を不要にしています。具体的には、高可用性のためのゾーン割り当てや、VM エラーの処理、Redis の微調整、レプリカの管理、複雑なスケーリング操作など、面倒な手作業がいりません。さらに、これまでの 10 倍のスケールに対応して、小規模のワークロードを 1 つのクラスタにまとめて高パフォーマンスおよび復元性を実現し、費用と運用負担の両方の削減をもたらしています。料金は従量課金制(PAYG)となっており、ワークロードのニーズに応じて手軽にゼロ ダウンタイムのスケーリングを利用できます。たとえば、ブラック フライデーやサイバー マンデーなどの機会にワンクリックで手軽にスケールできるため、このようなイベント時の対応が劇的に改善されます。

「Memorystore for Redis Cluster を使えば、クラスタを簡単にスケールして、超大規模なワークロードにも対応できます。なにより有難いのは、クラスタの複雑な管理作業を Google に任せられるようになったという点です。これまでは Redis クラスタのエキスパート社員に頼って、Compute Engine 上で自分たちでクラスタを管理していましたが、こうした作業が不要になりました。Memorystore for Redis Cluster を社内でテストした結果、その使いやすさ、パフォーマンスの高さ、スケーリングのしやすさが実証されています。」- Palo Alto Networks、上級エンジニア Animesh Chaturvedi 氏

高可用性を簡単に実現

ゾーン内でノードとレプリカの配置を自己管理するという作業は、概念としてはシンプルですが、実際にやってみると技術的に多大な労力を要し、手痛いミスにつながりがちです。Memorystore for Redis Cluster なら、Redis クラスタノードのゾーン割り当てが自動的に行われ、高可用性と復元性が確保されます。さらに、レプリカノードを追加すると、プライマリと異なるゾーンに自動的に配置されるため、クラスタの復元性が増し、ゾーン障害の発生時でもデータが保護されます。

Memorystore for Redis Cluster では、インフラストラクチャのプロビジョニングと構成も自動的に行われ、パフォーマンスが最適化されると同時にレイテンシが最小化されます。たとえば、ソフトウェアとセキュリティ パッチの管理、エラーの検出、自動フェイルオーバーのトリガー、VM の置き換えなどが自動的に行われるため、社内の技術者はオープンソース ソフトウェアや Compute Engine インフラストラクチャの管理といった作業に縛られることなく、アプリケーション開発という本来の業務に集中できます。

安全な非公開アクセス

Memorystore for Redis Cluster における接続処理を簡素化し、最良のマネージド エクスペリエンスを提供するため、Private Service Connect(PSC)と合わせての提供も行っています。PSC は、非公開の安全な接続オプションをデフォルトで提供し、Google ネットワーク外にトラフィックが決して出ないようにするのが特徴です。PSC なら、ネットワークの専門家がいなくても非公開ネットワークを構成できるので、Memorystore for Redis Cluster をスムーズに使い始めて、クラスタのプロビジョニングを簡単に行えます。また、IP の使用数を最小に抑えながら、接続をきめ細かく管理できます(シャードが 100 を超える場合でも、クラスタにつき IP アドレスが 2 つに抑えられます)。さらに、Virtual Private Cloud(VPC)のピアリングの制限にも対応しているほか、任意のリージョンからアクセスできる、高度なセキュリティ管理を行える、という特徴もあります。

さっそく使い始めて、クラスタを設定する

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Memorystore for Redis Cluster は、本日プレビュー版が公開されました。さっそくお試しになり、抜群のスケールとパフォーマンスをぜひご体験ください(Google Cloud コンソールのリンク)。Identity and Access Management(IAM)、Cloud Monitoring、監査ロギングとの統合や、転送中の暗号化など、その他の機能や詳細についてはドキュメントをご覧ください。ご質問やご意見などございましたら、cloud-memorystore-pm@google.com までお気軽にご連絡ください。


- プロダクト マネージャー Kyle Meggs
- プロダクト マネージャー Matt Geerling

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