AI を活用してデータベース フリート管理の簡素化を実現するデータベース センターの一般提供を開始
Apoorv Shrivastava
Product Manager, Google Cloud Databases
Niranjan Shivprasad
Group Product Manager
※この投稿は米国時間 2025 年 5 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google Cloud Next 25 で、モニタリング、最適化、セキュリティなど、データベース フリート管理のあらゆる側面を簡素化する、AI を活用した統合フリート管理ソリューションであるデータベース センターの一般提供が発表されました。
データベース センターは、企業がデータベース フリートのモニタリングに使用する断片化されたツール、複雑なスクリプト、API、ミスが発生しやすいその他ワークフローに代わるものとして、Google の基盤 AI モデルを使用した直感的なチャット インターフェースとインテリジェントな推奨事項を提供する統合エクスペリエンスを実現します。
以前の投稿では、データベース フリートのカオスに秩序をもたらし、データの真の可能性を引き出すために、データベース センターがどのように設計されているかを説明しました。その直感的な単一のインターフェースを使うことで、次のことが可能になります。
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データベース フリート全体を包括的に把握する。これにより、情報のサイロ化が解消され、専用のツールやスプレッドシートで情報を探す必要がなくなります。
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インテリジェントなパフォーマンス、信頼性、費用、コンプライアンス、セキュリティに関する推奨事項により、フリートのリスクを未然に回避します。
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AI を活用したアシスタンス機能でデータベース フリートを最適化する。自然言語のチャット インターフェースを使用して質問し、フリートの問題を迅速に解決して、最適化に関する推奨事項を得ることができます。


一括表示、直近の問題、カスタムビュー
データベース センターの最新情報
一般提供版のデータベース センターでは、Cloud SQL、AlloyDB、Spanner、Bigtable、Memorystore、Firestore など、すべての Google Cloud データベースのパフォーマンスと健全性のモニタリングが強化されています。より多様な指標と実用的な推奨事項を提供し、データベースのパフォーマンスと信頼性を最適化します。また、エクスペリエンスのカスタマイズも可能です。データベース センターは、Gemini を活用したアシスト機能によりパフォーマンスのトラブルシューティングを支援します。さらに、データベース インベントリと健全性の問題に関する週ごとの進捗状況を追跡できます。
データベース センターの一般提供版リリースで新しく追加される機能の詳細を以下にご紹介します。
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Gemini アシストによるパフォーマンスのトラブルシューティングでは、以下の機能が提供されます。
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Cloud SQL の非効率なクエリやインデックスを改善するためのアドバイザー
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Cloud SQL と AlloyDB のリソース使用率の高いオプションの分析
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Bigtable、Spanner、Memorystore、Firestore、Cloud SQL で提供される推奨事項が拡充されました。新しく追加された推奨事項は以下のとおりです。
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Spanner - 削除保護の無効状態、自動バックアップ ポリシーの未設定、前回のバックアップから 24 時間以上経過
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Bigtable - ホットスポット検出、高いリソース使用率、ストレージ容量の上限到達または到達間近、削除保護の無効状態、リソースの停止
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Memorystore - 高いリソース使用率、高負荷のコマンド、メンテナンス ポリシーの未設定
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Firestore - ポイントインタイム リカバリの無効状態、自動バックアップ ポリシーの未設定
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Cloud SQL - ユーザー パスワード ポリシーの未設定、非効率なクエリ
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保存可能なビュー: 特定のペルソナ向けにデータベース センターのカスタムビューを作成、保存、共有できます。
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過去のデータ: 過去 1 週間に生成された新しいデータベース リソースと発生した問題を追跡できます。
アラート: 一元化されたインターフェース上で、すべてのデータベース変更ポリシーとインシデントを確認できます。


パフォーマンスの問題を検出して分析するアシスト機能
データベース センターのお客様の声
データベース センターのプレビュー版を使用したお客様は、この統合フリート管理ソリューションが提供する価値を実感しています。
「デジタル トランスフォーメーションの加速を継続するなかで、データベースは開発のペースに追随し、ビジネス アプリケーションを支えるデータベース環境の複雑性の増大に適応していく必要があります。Ford にとって重要な数百のプロジェクトにおいて、数千におよぶデータベースを管理しています。データベース センターは、当社のデータベース環境について他のソリューションでは得られないような分析情報を提供してくれました。堅牢なモニタリングとオブザーバビリティのツールにより、潜在的な問題をプロアクティブに特定し、ユーザーに影響が及ぶ前に対処できるようになりました。現在では、フリートの健全性に関する情報を数秒で取得でき、アプリケーションに潜むリスクをこれまで以上に迅速に、先を見越して軽減できます。」 - Ford Motor Company、データベース技術担当技術エキスパート、Bogdan Capatina 氏
「データベース センターは、データベース環境全体の状況を一元的に可視化し、社内のあらゆるデータベースにアクセスして操作するための中央ハブとして機能します。」 - Telus、情報サービス担当マネージャー、Kurt Harsft 氏
「データベース センターは、データベースのオブザーバビリティに関する当社のビジョンに完全に合致しています。オンプレミスのデータベースをモニタリングするのと同じように、単一の統合ビューでデータベース環境全体を確認できます。管理を簡素化し、セキュリティ コンプライアンスを強化し、シームレスかつ包括的なデータベースの監視方法を標準化します。」 - Home Depot、シニア プリンシパル アーキテクト、Sangeeth Talluri 氏
「フリート全体におけるインフラストラクチャの包括的な健全性、セキュリティ、コンプライアンス、アラート、データ保護の状況を簡単に確認できるデータベース センターの機能は、まさに画期的であり、卓越した価値と安心感を提供します。」 - UKG、エンジニアリング マネージャー、Rahul Jain 氏
データベース センターにアクセスする方法
データベース センターは、Google Cloud のマネージド データベース サービスのコンソール、つまり Cloud SQL、AlloyDB、Spanner、Bigtable のコンソールから利用できます。任意の階層における必要な IAM 権限を備えたユーザーに対して、データベース センターはデフォルトで有効になります。
Google Cloud のお客様は、追加料金なしでデータベース センターをご利用いただけます。パフォーマンスとコストの Recommender や自然言語チャットなどの Gemini 活用機能を含む一部のプレミアム機能を使用するには、Gemini Cloud Assist を有効にする必要があります。セキュリティとコンプライアンスの高度なモニタリングには、Google Security Command Center(SCC)のサブスクリプションが必要です。
ぜひデータベース センターの利用を開始しましょう。
-Google Cloud データベース、プロダクト マネージャー、Apoorv Shrivastava
-グループ プロダクト マネージャー、Niranjan Shivprasad