コンテンツに移動
データベース

AlloyDB がエージェント向け PostgreSQL を提供: ワークロードを完全に分離し、エージェント規模でリアルタイム データを処理

2026年10月6日
Raj Pai

VP, Product Management, Databases

Sujatha Mandava

Senior Director, Product Management, Databases

Nov 4: Agentic Data Cloud Event

Join our product leaders to architect your agentic future

Register

※この投稿は米国時間 2026 年 9 月 25 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

 

ミッション クリティカルな運用データベースは企業にとってなくてはならないものであり、パフォーマンスの低下は許されません。しかし従来のアーキテクチャでは、わずか数個のエージェントが高密度の推論ループを実行しただけで、予測不可能なクエリのバーストが発生して簡単に過負荷状態に陥ります。

このたび、AlloyDB でエージェント向け PostgreSQL(プレビュー版)の提供を開始したことをお知らせいたします。これにより、ミッション クリティカルなシステムのパフォーマンスを損なうことなくリアルタイムのデータアクセスを行うことが可能になります。AlloyDB は、サンドボックス化されたデータベース インスタンスを数秒でプロビジョニングしてスケールすることでエージェントによる突発的なクエリの急増に対応し、ワークロードの完全な分離を可能にします。インスタンスはエージェントが終了すると自動的にスピンダウンするため、数個でも数百万個でも、エージェントをあらゆる規模で費用対効果よく実行できます。この発表による変更点は以下のとおりです。

  • AlloyDB に、秒単位で同期された本番環境の最新データに読み取り専用でアクセスできる数千のサーバーレス データベース インスタンスへと PostgreSQL をスケールさせるように設計されたエージェント向けデータベース アーキテクチャが搭載されます。これらのインスタンスは常時、本番環境ワークロードがアクセスするプライマリ、スタンバイ、リードレプリカのインスタンスから完全に分離されています。

  • これらの各インスタンスは、Google が提供するエクサバイト規模の分散ストレージ システムである Colossus の統合ストレージ レイヤを基盤とするデータベース内のリアルタイム データにアクセスします。これにより、エージェントはミリ秒未満の I/O とテラビット/秒の集約スキャン スループットを実現し、秒間 300 万以上のクエリにも対応できます。

  • これらのインスタンスは完全な AlloyDB PostgreSQL エンジンを備え、すべてのインデックス、SQL の全機能、包括的なベクトル検索、全文検索、空間検索へのアクセスを提供します。さらに、複雑な ETL パイプラインを構築しなくても、エージェントは BigQuery と Spark を活用してレイクハウス分析を実行できます。

  • これらのインスタンスはエージェントがタスクを完了するとすぐにゼロへとスケールダウンされるため、料金はアクティブな推論ループに対してのみ発生し、クラウド費用を削減できます。

Google は、この AlloyDB for PostgreSQL により高度なベクトル演算、ML 推論、基盤モデルのインテグレーションを 100% PostgreSQL 互換のエンジンに直接組み込み、エージェント向けエンタープライズ リレーショナル データベースの分野における先駆けとなりました。AlloyDB for PostgreSQL は Google Cloud のセキュリティ機能と緊密に統合されており、静的パスワードに代わる IAM 認証の使用、VPC Service Controls を介したトラフィック分離、顧客管理の暗号化と監査の提供によりデータを保護します。この機能とエージェント アーキテクチャによるスケーラビリティを組み合わせて提供する AlloyDB は、エンタープライズ グレードの優れたエージェント PostgreSQL サービスとなっています。

プレビュー版をご利用になるには、こちらからお申し込みください。

重要である理由

エージェントの時代となった今、企業による AI の使用方法は単一のコパイロット エージェントとのやり取りから、数百万のエージェントが同時に連携するネットワークへと急速に移行しています。これらのエージェントが一斉にクエリを実行してデータベースを操作すると、突発的なトラフィックの急増によってコア データベースが過負荷に陥り、ビジネスを運営する基幹システムと競合してしまう可能性があります。

エージェントがワークフローを効率的に実行するためには、B ツリー、ベクトル、テキスト、空間の各インデックスを活用して、高度な分析とリアルタイムの本番データに対する低遅延アクセスの両方を実現する必要があります。新興のアーキテクチャはオブジェクト ストレージの上に配置されたページ キャッシュ レイヤを使用しますが、これにはスケーリングと費用に関する課題があり、本番環境システムの安定性が損なわれる可能性があります。

加えて、分析のために本番環境のデータを解放すると運用アクセスにパフォーマンスのボトルネックが生じ、エージェントが本番環境にリリースされた瞬間からミッション クリティカルなデータベースがリスクにさらされるという、難しいトレードオフも発生します。これらは、データベース ストレージに従来のオブジェクト ストアを使用して問題を解決しようとするアプローチです。分析アクセスが可能になるので一部のエージェントはこれを役立てることができますが、基盤となるデータベースの処理速度が本番環境のワークロードに対して遅すぎ、I/O レイテンシが最大で 10 倍悪化します。ページ キャッシュ レイヤがあっても、一時しのぎ程度にしかなりません。キャッシュ自体の速度が依然として十分に速くないうえに、エージェント ワークロードによって簡単に飽和してしまうスケーラビリティのボトルネックを抱えることになります。

アクティブなマルチエージェント システムが高密度な推論サイクルを実行すると、高度に並列化された予測不可能なクエリのバーストが発生してこれらのキャッシュ レイヤを圧倒し、ミッション クリティカルな本番環境システムが、エージェント起因のサービス停止に対して無防備な状態になります。その結果、このアーキテクチャでは運用ユースケースの全領域が実行不可能となり、企業はライブのエンタープライズ データが持つ、AI による変革の力をビジネスに活用する機会を失うことになります。

AlloyDB 独自の PostgreSQL エージェント アーキテクチャ

Google はこれとは異なるアプローチを採用しました。AlloyDB は、AI 時代に特化して設計されたエージェント向けデータベース アーキテクチャを提供し、4 つの主要な差別化機能を備えています。

  • 人工的なボトルネックのない、1 ミリ秒未満の I/O レイテンシ: 業界をリードする AlloyDB のトランザクションおよびクエリ処理性能と、Google の地球規模の Colossus ストレージ インフラストラクチャに支えられた低レイテンシのオブジェクト ストレージが組み合わさったこのアーキテクチャは、エージェント向けの大規模な共有ストレージ プレーンを提供します。ミリ秒未満の I/O と 1 秒あたり 1 テラビットを超える集計スキャン帯域幅を実現しているため、エージェントが最新の運用データに対して直接、集中的に読み取りクエリとベクトル検索を実行しても問題なく処理できます。

  • 本番環境のワークロードから完全に分離しつつ、需要に合わせてスケーリング: AlloyDB は、最新の本番環境データに対してサンドボックス化されたデータベース インスタンスを数秒で動的にプロビジョニングすることでスケールします。エージェント同士が運用リソースを奪い合う従来のアーキテクチャとは異なり、エージェント データベース コンピューティングはプライマリ データベース クラスタから完全に分離されています。そのため、エージェントが高密度で予測不可能な推論ループを実行しても本番環境のパフォーマンスが低下することはありません。これらの堅牢な安全ガードレールと、エンタープライズ グレードのガバナンス、きめ細かいアクセス制御が組み合わさっているため、アクティブなエージェント ループで分析クエリ、ベクトルクエリ、運用データのポイント ルックアップをシームレスに組み合わせ、本番環境データに対して PostgreSQL の性能を制限なく最大限に活用することができます。

  • 従量課金制: エージェントのアクティビティは一般的に、短時間のうちに大量のクエリが同時送信され、それが終わると非アクティブな期間が続くという特徴があります。このような急増に備えて専用のリードレプリカをプロビジョニングした場合、高価なインフラストラクチャを 24 時間体制で維持する必要があります。費用対効果の高い方法で大規模なエージェント グループをサポートし、プロビジョニングしたシステムがアイドル状態のままでコンピューティング オーバーヘッドを発生させることを避けられるよう、エージェント AlloyDB インスタンスは迅速にスケールして秒間数百万のクエリに対応できます。また、柔軟な従量課金制の料金モデルによって自動的にゼロへとスケールさせることができます。

  • ETL 不要のネイティブ レイクハウス統合: 本番環境データはすべて、Google Cloud のボーダーレス レイクハウスとネイティブに統合されます。そのため、エージェントは BigQuery と Lightning Engine for Apache Spark に対して連携クエリを実行し、大規模なレイクハウス データセットと、AlloyDB の秒単位で更新される最新のトランザクション データを結合できます。これにより、壊れやすいバッチ ETL パイプラインを構築して維持する必要がなくなり、自律型エージェントは最新の運用状態と、レイクハウスに格納されている過去のコンテキスト データの両方に即座にアクセスできます。

「サプライ チェーンの自律性が高まるにつれ、当社のプラットフォームでは、数千もの施設にわたる複雑な物流ワークフローを調整するリアルタイムのトランザクション インテリジェンスが欠かせなくなっています。AlloyDB の新しいエージェント向け PostgreSQL アーキテクチャは、当社にとって大きな転機となりました。現在では、コアのトランザクション処理には一切影響を及ぼすことなく、同時に連携して動作するエージェントのネットワークをデプロイし、在庫データや注文データを 1 秒未満の鮮度で分析できるようになっています。このアーキテクチャにより、次世代のエンタープライズ サプライ チェーン AI を支えるために必要な分離、スピード、費用対効果を実現できました。」 - Manhattan Associates、エグゼクティブ バイス プレジデント兼最高技術責任者、Sanjeev Siotia 氏

提供状況

AlloyDB の PostgreSQL for Agents は現在、プレビュー版としてご利用いただけます。

詳細については、ドキュメントページをご覧ください。ご利用を開始するには、こちらからお申し込みください。

投稿先