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データ分析

Google Cloud で Esri ArcGIS を使用して場所の科学を実践

2020年12月24日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 12 月 12 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

過去 18 年間、Google は世界中の情報を体系化して時間や場所を選ばずアクセスできるようにし、すべての人に役立てることに注力してきました。今日では、生成されるデータの大半に位置情報が含まれており、ユーザーの質問は「場所」に重点が置かれています。たとえば、「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の検査はどこでできますか?」、「期日前投票はどこで行われますか?」、「この近くの喫茶店はどこにありますか?」などです。

こうした傾向はビジネスでも見られます。Google Cloud では、組織で地理空間データを使用可能にすることに焦点を合わせています。政府機関は地理情報システム(GIS)マッピングの開発とデプロイを先導してきたかもしれませんが、データ分析がエンタープライズ ワークフローに組み込まれるようになるにつれて、ヘルスケア、小売業、金融サービス、メディア、エンターテイメント、製造をはじめとする他の業界も重要なビジネス上の意思決定を行う際に位置認識データセットを活用するようになりました。

地理空間データを使用すると、組織は周囲の物理世界のデジタル版を作成して、研究やサプライ チェーンに加え、道路や橋などの建設インフラに関する活動に役立つ情報を提供できます。大小の企業内に新しく設置されたデータ サイエンス チームでは、地理空間データは通常、従来の GIS 製品ではなく分析ツールを介してアクセスされています。Google Cloud で Esri ArcGIS Enterprise を実行する機能は、両者の間の橋渡しになります。

Esri は 50 年以上にわたって世界の GIS アプリケーションの基盤であり続け、何十万もの組織が Esri プラットフォームを活用して地図上の情報を可視化しています。また、Google Cloud で Esri、具体的には Esri ArcGIS Enterprise を実行すれば、高度な Google Cloud サービスを複数利用できます。

基本レベルでは、Linux または Windows オペレーティング システム上で、Google Cloud の標準の Compute Engine 仮想マシン インスタンスを使用して、Esri ArcGIS Enterprise、Portal、WebAdapter、Image Server、または Tile Cache や Datastore を実行できます。Compute Engine では、Google の世界規模の高速ネットワークを使用しながら、あらゆる規模のワークロードにすばやく簡単にスケールできる高性能な仮想マシンの作成と構成を容易に行えます。カスタム マシンタイプを使用すると、各 VM の仮想 CPU(vCPU)と RAM の数を設定して、vCPU とメモリの数を事前に定義した場合に比べてコストを大幅に削減できます。同様に、Compute Engine VM はソリッドステート ディスク(SSD)にバンドルされていないため、必要な SSD を用意するために必要以上に大きな容量の VM を購入しなくて済みます。

ArcGIS Enterprise をデプロイするには、PowerShell DSC や Chef Automation などの自動デプロイツールを活用します。さらに、Google Cloud に移行する ArcGIS Enterprise のデプロイメントの多くは Windows Server ベースです。Google Cloud では、エンタープライズ グレードのサポートにより Windows ベースと Microsoft ベースのワークロードのための最高レベルのエクスペリエンスを提供します。現在のインフラストラクチャ階層管理が中断しないように、Active Directory を Google Cloud Directory Sync サービスと連携するか、Managed Service for Microsoft Active Directory を使用できます。また、Google Cloud ロードバランサ、マネージド SSL 証明書、マネージド データベース(SQL Server や Postgres)、NoOps サーバーレス データ ウェアハウスの BigQuery を使用することも可能です。これらはいずれも Esri ArcGIS Enterprise と互換性があります。

BigQuery を分析フレームワークとして選択した Google Cloud のお客様は、驚異的なスケーリングが可能なプラットフォームを利用できます。データ量が数百ペタバイトを超える Google のお客様の中には、数十ペタバイトをスキャンするクエリを実行したり、テーブルごとに 1 秒あたり数ギガバイトをストリーミングしたり、数万の同時クエリを実行したりするお客様もいらっしゃいます。一方、信頼性に優れ使いやすく安全なエンタープライズ対応のオープン データベースを求めている組織は、Cloud SQL を利用しています。BigQuery と Cloud SQL は緊密に統合されており、どちらも地理空間のデータ型と関数のサポートはトップクラスです。PostGIS のユーザーは両方のサービスを安心して利用できます。

ArcGIS ユーザーは Google Cloud SDK で Python ノートブックから BigQuery のデータにアクセスし、そのデータを機能サービスによって ArcGIS Enterprise ウェブサービスに書き込んだり、独自のジオプロセシング ワークフローへの入力として使用したりできます。Google Cloud には、さまざまなジオプロセシング ワークフロー間のデータ相互運用性を提供する Safe Software の FME ETL ツールも用意されています。

そして、Google Cloud の一連の分析ソリューションにデータを取り込んだら、土地利用、インフラの状態、環境の変化などの課題に Google Cloud AI / ML 機能を適用できます。地理空間データで AI を使用すると、コミュニティがポリシーを適用する方法が一変し、コミュニティの人々が働き、生活し、繁栄する分野への投資を推進できると考えられます。

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「GCP 上の Esri は、世界で最もスケーラブルなパブリック クラウド サービスでまったく独自の地理空間機能を利用して、空間データ インフラストラクチャの進化を図ろうとする組織に最適です。」- NGIS エグゼクティブ ディレクター Nathan Eaton 氏

次のステップ

静的マップの構築を目的として単一部門で使用されていた GIS は、ビジネス プロセスの自動化やイノベーションの基盤となる要素へと進化しました。Google Cloud のデータ分析ツールと Esri ArcGIS Enterprise を組み合わせれば、ジオプロセシング ワークフローを見直し、ビッグデータを活用するまたとない機会が得られます。今後の投稿に引き続きご注目ください。特定の分析と機械学習の例を取り上げ、Google Cloud 内の地理空間プロダクトを Esri ArcGIS Enterprise と組み合わせて活用する方法をご紹介する予定です。

Google Cloud で Esri アプリケーションを実行する方法について詳しくは、担当の Google Cloud パートナーまたは営業担当者にお問い合わせください。

-グローバル ISV リード Denise Pearl

-デベロッパー アドボケイト Kelsey Hightower

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