BigQuery で AI 費用を予測可能に: 生成 AI 関数の費用管理のご紹介
Tushar Jaiswal
Software Engineer
Alicia Williams
Developer Advocate
※この投稿は米国時間 2026 年 10 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
BigQuery の生成 AI 関数(AI.GENERATE、AI.IF、AI.CLASSIFY、AI.SCORE など)では、大規模言語モデル(LLM)が SQL に直接組み込まれるため、1 つのクエリで数百万件のサポート チケットを分類したり、感情について各商品レビューにスコアを付けたりできます。ただし、これらの関数はトークン単位で課金されるため、大規模なデータセットで使用する場合は、予算を事前に管理することが重要になります。
Google は先日、BigQuery 生成 AI 関数のトークンベースの費用管理の一般提供(GA)が開始されたことを発表しました。これは、管理者が AI トークン消費にセルフサービスのガードレールを設定できる 1 日あたりの割り当てで、チームは予算内でイノベーションを推進できるようになります。このブログ投稿では、BigQuery の生成 AI 関数の費用管理の概要を示し、いくつかの実用的な例と、利用を開始する際に役立つリソースをご紹介します。それでは詳しく見ていきましょう。
費用を管理するための割り当て
Google Cloud Identity and Access Management(IAM)割り当てシステムで管理される 1 日あたりの割り当ては 4 種類あり、プロジェクト レベルおよびユーザーレベルでの管理が可能です。ユーザーごとの上限は、組織全体ではなく、プロジェクト内の各ユーザーに適用されます。
詳細:
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割り当てはグローバルです。使用量はすべてのリージョンで合計されるため、監視していないリージョンで費用が気づかないうちに積み上がることはありません。
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出力割り当てには「思考」トークンが含まれます。推論トークンは、Gemini プラットフォームの請求にカウントされるのと同様に、出力割り当てにカウントされます。
対象となる関数
割り当ては、LLM を利用した生成を行う以下の BigQuery 関数に適用されます。
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AI.GENERATE_TEXT(およびそのエイリアスML.GENERATE_TEXT)
対象外: AI.GENERATE_EMBEDDING(ML.GENERATE_EMBEDDING としても利用可能)や AI.EMBED などのエンベディング関数は、大幅に費用が低い別のモデルで実行されるため、これらの割り当ての対象にはなりません。
割り当ての管理
管理者は、ワークロードの変化に応じて、Google Cloud コンソールで直接割り当てを確認、調整できます。サポートケースは必要ありません。
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[IAM と管理] → [割り当てとシステム上限] に移動します。
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サービスでフィルタし、[BigQuery API] を選択します。
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[名前] 列で並べ替えて、4 つの AI 割り当てを一番上に表示します。


[IAM と管理] → [割り当てとシステム上限] で生成 AI トークンの割り当てを確認。
4. 割り当て(1 日あたりの AI 入力トークン数など)を見つけます。
5. その他メニューを開き、[割り当てを編集] を選択します。
次の操作を行います。
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費用管理を厳しくするには、割り当てを減らします。これはすぐに有効になり、承認は必要ありません。
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使用量の増大に対応するには、同じページから増加をリクエストします。多くのリクエストは自動的に承認されますが、大幅な増加の場合は簡単な審査が行われることがあります。


[IAM と管理] → [割り当てとシステム上限] で生成 AI トークンの割り当てを編集。
適切な権限が必要です。オーナー、編集者 、割り当て管理者(roles/servicemanagement.quotaAdmin)、Service Usage 管理者(roles/serviceusage.serviceUsageAdmin)のいずれかが必要です。
自動化をご希望の場合は、Cloud Quotas API、gcloud CLI、Terraform を使用してこれらの割り当てをプログラムで管理し、プロジェクト全体に一貫したガードレールを適用することもできます。
使用量のモニタリング
[割り当てとシステム上限] ページでは、上限を設定できるだけでなく、トークン消費量の履歴も表示されるため、急増をすばやく検出して予算を適正化できます。これらの傾向から、新しい生成 AI ワークロードとデータ パイプラインがトークンの全体的な使用量に与える影響を確認できます。


[IAM と管理] > [割り当てとシステム上限] に表示された、生成 AI トークンの割り当てに対するプロジェクト レベルの 1 日あたりのトークン使用量。


7 日間、14 日間、30 日間、カスタムの期間を選択できる長期的な使用量グラフ。
詳しい手順については、トークン割り当てによる費用の管理に関する BigQuery のドキュメントをご覧ください。
トークン割り当てと費用上限
Google Cloud の費用ガードレールは、トークン割り当てだけではありません。
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トークン割り当て(この機能)は、予防的で AI 固有のものです。BigQuery はクエリ実行中のトークン使用量を追跡し、上限に近づくと処理を停止します。上限はプロジェクトごと、ユーザーごとに個別に設定されます。
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Cloud Billing の費用上限は、プロジェクト レベルとサービスレベルでドル単位で設定され、しきい値に達すると自動的に使用をブロックできます。これは、使用量を正確に管理するものではなく、財務上の広範な安全策です。また、適用が即座に行われないため、超過料金が発生する場合があります。
AI 費用の最初の防御策としてトークン割り当てを使用し、プロジェクト全体のセーフティ ネットとして費用上限を使用します。
適用の仕組み
割り当ては、上限を超えてクエリを実行するのではなく、処理を停止することで適用されます。クエリは、必要な割り当てがすでに使い果たされている場合にのみ、事前に拒否され、その際に QuotaExceeded エラーが発生します。それ以外の場合はクエリが開始され、クエリの途中で割り当てがなくなると、BigQuery は新しい LLM 呼び出しの送信を停止します。
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max_error_ratio をサポートする関数(
AI.IFなど)は、未処理の行が比率内に収まっている場合は部分的な結果を返し、そうでない場合は失敗します。 -
汎用関数(
AI.GENERATEなど)は成功します。ただし、スキップされた行には生成された値がなく、statusフィールドには割り当て超過エラーが含まれます。
詳細については、ドキュメントの割り当ての適用動作をご覧ください。
入力データのサイズ設定: AI.COUNT_TOKENS
割り当て値を選択するには、ワークロードがモデルに送信するテキストの量を把握しておくと便利です。それに役立つのが AI.COUNT_TOKENS 関数です。
AI.COUNT_TOKENS は、課金対象の生成呼び出しを行わずに、モデルのトークナイザーがテキスト文字列に対して生成するトークンの数を返します。列に対してこの関数を実行して、入力データを測定します。
この数は、入力トークンの下限です。出力トークンや思考トークン、各 AI 関数が入力に追加する指示、画像などのテキスト以外の入力は含まれません。次の目的でこの関数を使用します。
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ワークロードを起動する前に、ワークロードの入力側を測定する。
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実際の入力と出力の使用量を測定する小規模なサンプル実行と組み合わせて、割り当てを適正化する。
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モデルについて公開されている Gemini プラットフォームの料金を使用して、トークンをドルに換算する。
トークンから予算まで: 具体例
たとえば、Gemini 3.1 Flash-Lite モデルを使用した、プロジェクトの 1 日あたりの AI 費用を $100 程度に抑えたいとします。現時点で公開されている料金は以下のとおりです(BigQuery はバッチ処理を行うため、50% 割引が適用されます)。
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入力トークン: 100 万トークンあたり $0.125
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出力トークン(回答 + 推論): 100 万トークンあたり $0.75
小規模なサンプル実行で、入力トークンと出力トークンの比率が平均 100:1 であることがわかった場合、1 日の予算を次のように計算できます。
この計算式で計算すると、1 日あたり約 7 億 5,400 万の入力トークンと 754 万の出力トークンになります。1 日あたりの AI 入力トークン数と 1 日あたりの AI 出力トークン数をこれらの値に設定して、プロジェクトの費用を 1 日あたり約 100 ドルに抑えます。プロジェクトで異なる料金のモデルを使用する場合は、モデルごとに予算を設定するか、平均料金に基づいて予算を設定します。
AI 費用管理のベスト プラクティス
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ユーザーごとの割り当てから始めます。これにより、1 人のユーザーや暴走したテストによってプロジェクトの予算が使い果たされるのを防ぐことができます。
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規模を拡大する前に測定します。
AI.COUNT_TOKENSを使用して入力のサイズを測定し、使用量グラフで小規模なサンプル実行を確認してから、上限を設定します。 -
出力側を意識します。出力トークンは費用が高くなります。関数で
max_output_tokensを使用できる場合は、生成の長さを制限するように設定します。 -
モニタリングと反復処理を行います。実際の使用量と予算の変化に応じて上限を調整します。
使ってみる
トークンベースの費用管理が利用可能になりました。手順は次のとおりです。
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Google Cloud コンソールで [IAM と管理] → [割り当てとシステム上限] を開き、[BigQuery API] でフィルタします。
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AI 関連の 4 つのトークン割り当てを確認し、予算に合った上限を設定します。
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AI.COUNT_TOKENSを使用して、入力データのサイズを測定します。
詳細については、生成 AI の費用の管理に関するドキュメントをご覧ください。
トークンベースのガードレールを導入することで、組織が必要とする費用の予測可能性を確保しながら、BigQuery で生成 AI を使用できます。
- ソフトウェア エンジニア、Tushar Jaiswal
- デベロッパー アドボケイト、Alicia Williams

