モデル化されたデータへのアクセスが可能な Looker Studio の公開プレビュー版がリリース
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 11 月 8 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google Cloud は 4 月にLooker と Looker Studio (旧名称: データポータル)のインテグレーションの限定公開プレビュー版を発表しました。10 月に開催された Next では、Looker 傘下のビジネス インテリジェンスをさらに統一するため、データポータルを Looker Studio と改名したことが発表されました。現在、これらのプロダクトは Looker ファミリーの一部になり、Looker Studio は引き続き無料で利用できます。また、Next では、この 2 つのプロダクトのインテグレーションに機能を追加した公開プレビュー版をリリースしたことを発表しています。インテグレーションの仕組み
Looker コネクタをご利用のお客様は、Looker Studio 内で Looker から管理されたデータにアクセスできます。Looker Studio 用の Looker コネクタは、セルフサービスと管理された BI の両方を一つのツールや環境で利用できるようにします。Looker Studio をご利用のお客様は、Looker に接続することで、セマンティック データモデルを活用できます。このデータモデルを使用すると、ビジネスデータのキュレート済みのカタログ、事前定義されたビジネス指標、組み込みの変換機能により、複雑なデータをエンドユーザー向けに単純化できます。これにより、ユーザーは計算とビジネス ロジックを中央のモデル内で整合させることができ、組織における信頼できる唯一の情報源の構築を促進できます。
Looker Studio のレポート内で Looker のモデルデータにアクセスすることで、アドホック データと管理されたデータの両方を利用したレポートを一つのツールで作成できます。LookML を利用して Looker のデータモデルを作成できます。これは、ビジネスルールや定義を、1 つの Git でバージョン管理されたデータモデルで、一元的に定義、管理することによって可能です。
ユーザーは、Looker Studio 内で(スプレッドシート、csv ファイル、その他のクラウドソースから)管理されていないデータを分析し、迅速にプロトタイプ化できます。Looker からの管理されたデータと Looker Studio 内の 800 以上のデータソースから利用できるデータを組み合わせて新しい知見を迅速に生み出します。Looker Studio で Looker が管理するデータを情報量の多いカスタマイズ可能なダッシュボードやレポートに変換し、チームメンバーや社外ユーザーとのリアルタイムな共同編集でダッシュボードを作成できます。
公開プレビュー版の新機能
このプレビュー版をより多くのお客様に提供できることを嬉しく思います。すでに多くのお客様から、Looker Studio 用の Looker コネクタへのアクセスについてご要望をいただいております。また、今回の公開プレビュー版では、Looker Studio で Looker モデルをより完全に表現するための機能が追加されました。
大規模な Explore を使用する際にフィールドを整理された状態に保てるよう、Looker Studio のデータパネルでのフィールド階層がサポートされるようになりました。データパネルにフォルダ構造が表示され、フィールドがビュー、グループラベル、ディメンション グループといった通常の方法で整理されていることが確認できます。
Looker のモデルで指定された記述情報をすぐに確認できるように、フィールドの説明を新しい方法で公開することで、より高い視認性を提供しています。フィールドの説明は、データパネルおよびレポート内のテーブルで利用可能です。
また、Looker の Explore から「Looker Studio で開く」オプションが表示され、Explore を参照するデータソースで Looker Studio レポートをすばやく作成できるようになりました。
また、基になるデータソースから最新のデータをユーザーが取得できるように、Looker Studio でデータを更新すると、Looker キャッシュのデータも更新されるようになりました。
特に今回の公開プレビュー版では、Looker Studio における Looker データソースの制限を強化し、管理者が安心して機能を試用できるようにしました。
Looker Studio では Looker データソースの所有者の認証情報を無効にしているため、共有レポートなどについては各閲覧者が自分の認証情報を提供する必要があります。
また、現在、Looker Studio では、これらのデータソースのデータ ダウンロードとメールのスケジューリングを無効にしています。今後、Looker のこれらの権限と統合する予定です。
計算フィールドが無効になっているため、エンドユーザーは Looker Studio で独自のカスタム指標やディメンションを定義できず、Looker Explore で定義されたフィールドを使用する必要があります。
プレビューにアクセスする方法
このインテグレーションにより、Looker Studio と Looker の両方に加えられた変更を含むコネクタを網羅し、Looker モデルを表現し Looker Studio で Looker のガバナンスを拡張できます。Google Cloud は、セルフサービスと管理された BI を両立させる完全な統一プラットフォームを実現するための取り組みを続けており、今後もこの目標に向けて邁進していきます。引き続き Looker Studio に機能を追加して Looker モデルを完全に表現することを計画しており、Looker の管理者が現在の Looker で System Activity を使うのと同じように、Looker Studio から来る API アクティビティを確実に把握できるようにしたいと思っています。ガバナンスの拡張では、Looker から Looker Studio へと信頼の輪を広げたいと考えています。実現に向けて最善の方法を計画する際にご協力いただけるお客様を探しています。
このインテグレーションは、Looker バージョン 22.16 以降の Google Cloud でホストしたインスタンスと互換性があります。アクセス権を得るには、Looker インスタンスの管理者は、インスタンスの URL と有効化する組織ドメインを指定したお申込みフォームを送信します。Looker Studio の開始方法については、Looker Studio ヘルプセンターをご覧ください。
詳細とデモについては、Next '22 の ANA202: Bringing together a complete, unified BI platform with Looker and Data Studio のセッションと基調講演 ANA100: Looker とデータポータルの新機能をご覧ください。
- プロダクト マネージャー Andrew Becker