統合ビジネス インテリジェンス プラットフォーム、Looker の次なる進化の紹介
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 10 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
私たちは皆、消費者として、ウェブで答えを見つけたり、初めて訪れる街の道を調べたり、ディナーに最適な場所を選定したりと、あらゆる行動においてこれまでになくデータにアクセスすることで恩恵を受けています。しかし、仕事となるとそれほど簡単ではありません。質問の答えはすぐには得られず、答えを得るためには費用のかかる IT プロジェクトが必要になります。そして、答えが得られても新しい質問が提起されるだけで、答えを得るにはまた IT プロジェクトが必要になる、といったような具合です。
Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることですが、Looker もこれと同じく、ビジネスデータに関して、ユーザーが分析情報を簡単に得られるようにし、分析情報を活用したアプリケーションを構築できるようにすることを目指しています。このビジョンは、Google Cloud におけるビジネス インテリジェンスの目標そのものです。そのようなことから、Google は 2020 年に Looker を買収し、今後数年間に向けた大規模な計画を立ててきました。
本日、Google は、Looker の傘下でビジネス インテリジェンス プロダクト ファミリーを統合します。今後 Google が Looker という名前を使用する場合は、Looker、データポータル、そして人工知能(AI)や機械学習(ML)などの Google のコア テクノロジーをまとめた Google Cloud ビジネス インテリジェンス プロダクトを意味します。また、本日より、データポータルは Looker Studio となります。この完全なエンタープライズ ビジネス インテリジェンス スイートを使用することで、ダッシュボードの枠を超えて、データドリブンな意思決定に必要なインテリジェンスをワークフローやアプリケーションに組み込めるようになります。
Looker の機能とリーチを拡大
Looker Studio では、誰もが簡単にセルフサービス分析を行うことができます。現在、600 を超えるコネクタを含むカタログで 800 を超えるデータソースがサポートされており、数回クリックするだけで、IT 担当者の力を借りなくても、さまざまなソースからデータを簡単に探索できます。Looker Studio は、よく知られた人気の機能に加えて、Looker でモデル化されたデータを操作するための完全なユーザー インターフェースを搭載するように進化していく予定です。
この過程での第一歩として、本日、Looker Studio から Looker データモデルへのアクセスがプレビュー版で利用可能になりました。これにより、お客様は Looker のモデリング レイヤを介して、信頼できるデータを探索できます。これで初めて、アドホック データソースからのセルフサービス分析と、Looker ですでに検証されてモデル化された信頼できるデータを簡単に組み合わせることができるようになります。
Google は、NBA の MVP への投票や国際宇宙ステーションの位置の追跡から、パンプキン スパイス エコノミーやビデオゲーム業界の分析まで、Google のユーザーが Looker Studio を使用して実現したことをとても嬉しく思っています。このような膨大な数の多様なユースケースをサポートするために、Google は引き続き Looker Studio を無料で提供していきます。同時に、お客様の多くは Looker Studio をデータスタックの一部として使用しながら、ガバナンスとコンプライアンスの要件にも対処するために、エンタープライズ向けの機能を必要としています。このようなお客様のご要望にお応えするために、Looker Studio Pro の提供開始を発表いたします。
Looker Studio Pro にアップグレードすると、新しいエンタープライズ管理機能、チーム コラボレーション機能、SLA をご利用いただけるようになります。これは最初のリリースにすぎず、Google では機能のロードマップを作成しています。これは、企業のお客様が求めてきたデータリネージとメタデータの可視化を実現する Dataplex のインテグレーションから開始されます。
Lookerが Google Cloud に加わった際、主な目標の一つは、ビジネス インテリジェンスを Google Cloud のコア テクノロジーに近づけることでした。この取り組みの大きな一歩として、本日、Looker(Google Cloud コア)のプレビュー版を発表いたします。この新バージョンの Looker は、Google Cloud コンソールで利用でき、主要なセキュリティ サービスや管理サービスなど、中核となるクラウド インフラストラクチャ サービスと密接に統合されています。
オープンデータはオープンなビジネス インテリジェンスでもある
あらゆる場所で分析情報を利用するということは、Looker のあらゆる場所で分析情報を利用するということにとどまりません。お客様は、分析、ビジネス インテリジェンス、機械学習のいずれでも、サイロを解消するオープンなデータクラウドを求めています。Google は、BigQuery データ ウェアハウスですでに行ってきたように、お客様が必要とする Google やパートナーのさまざまなプロダクトと Looker を統合すべく取り組んでいます。
たとえば、Looker と Google Workspace を密接に統合して、日々使用する使い慣れた生産性向上ツールで分析情報を利用できるようにしていきます。これにより、スプレッドシートやその他のドキュメントを介して、組織全体の厳選されたデータソースから、信頼できる一貫した回答に簡単にアクセスできるようになります。Looker と Google スプレッドシートのインテグレーションは現在プレビュー版で、2023 年前半に完全にリリースされる予定です。
オープン データクラウドへの移行を進めているお客様に引き続き対応するために、他の一般的なビジネス インテリジェンス サービスとの接続にも取り組んでいます。このような接続により、Tableau や Power BI などの可視化ツールを使用して、Looker から信頼できるデータを簡単に分析できるようになります。さらに、Looker は引き続きオープン プラットフォームであり、モデリング レイヤからユーザー エクスペリエンスまで、パートナーシップを拡大していきます。
これを実証するために、Google は Sisu Data と新たなパートナーシップを結びました。多くの場合、何か異常が発生したことがデータから判明したとしても、その原因を突き止めるには、熟練したデータ サイエンティストでも何時間あるいは何日もかかることがあります。Sisu Data とのパートナーシップにより、根本原因の発見を自動化することで、従来のアプローチよりも 80% 迅速化できます。この密接な統合により、より多くのお客様にスムーズなエクスペリエンスを提供できるようになります。
実際のデータ、実際のインテリジェンス、実際の影響
Google のお客様は、内部のビジネス インテリジェンスと、組み込みのデータ プロダクトの作成のどちらにも Looker を使用しています。地理的に多様な従業員を抱えるラテンアメリカの小売業者、Mercado Libre では、Looker と BigQuery を使用して迅速なフルフィルメントを実現しています。2022 年の前半には、79% の出荷を 48 時間未満で完了することができました。
別のお客様としては、Adweek で急成長しているデジタル マーケティング代理店の Wpromote が挙げられます。同社は Looker と BigQuery を使用して、ビジネスのあらゆる側面に使用するインフラストラクチャを再構築しました。Wpromote の最高技術責任者である Paul Dumais 氏は、次のように述べています。「当社は、ビジョンと実行力以外の何にも制限されない、上限のないシステムを構築したいと考えていました。Looker UI からできることはすべて、API を介して実行できます。」
私たちの日常生活の多くはデータを中心に回っており、こと働き方に関しては特にそう言えます。データは私たちに豊富な知識をもたらしてくれますが、適切なツールがなければ、情報量に圧倒されたり、費用や時間がかかりすぎたりする可能性があります。統合された新しい Looker プロダクト ファミリーは、現在および将来にわたって、データを最大限に活用し、チームに優れたエクスペリエンスを提供し、最終的には顧客に優れたエクスペリエンスを提供するのに役立ちます。
データクラウドの発表でのその他の最新動向やお知らせの詳細については、Google Cloud 公式ブログをご覧ください。
- Google Cloud、BI プロダクト管理担当シニア ディレクター Kate Wright