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データ分析

BigQuery と Subsquid で Web3 データにアクセスする

2024年2月20日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2024 年 2 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: この投稿は、Built with BigQuery を活用したパートナー様をご紹介するシリーズの一部です。


ブロックチェーンはトランザクションごとに大量のデータを生成しますWeb3 の魅力は、そのすべてのデータが公開されていることです。しかし、マルチチェーンとモジュール形式の拡張により、データへのアクセスに複雑さが増しています。クロスチェーン分散型アプリ(DApps)の構築を検討しているプロジェクトでは、さまざまな場所に多様なフォーマットで保存されているオンチェーン データの活用方法を考えなければなりません。

同時に、インデクサを実行してデータを抽出して読み取り可能にするのは、時間とリソースを大量に消費する作業であり、スマート コントラクトのコーディングとインデクサの構築はそれとはまったく異なるスキルであるため、小規模な Web3 チームでは対応しきれない場合がほとんどです。

Web3 の最も貴重な部分の一つ(データ)を活用するのが開発者にとっての課題であると認識した Subsquid チームは、権限不要の方法でデータへのアクセスを大幅に拡大する完全分散型ソリューションの構築に着手しました。

Subsquid の説明

Subsquid Network は、Web3 最大の分散型データレイクとして考えることができます。つまり、100 を超えるイーサリアム仮想マシン(EVM)と非 EVM チェーンからデータを取り込み、正規化して構造化するためのものです。これにより、開発者は従来の RPC ノード インフラストラクチャを介するよりもはるかに効率的に、より細かな設定でデータに迅速にアクセス(「クエリ」)できるようになります。

Subsquid Network は水平スケーリングが可能で、アーカイブ ブロックチェーン データ ストレージと並行して拡張できます。クエリエンジンは、大量のデータを抽出できるように最適化されており、dApp 開発(インデックス作成)と分析の両方に最適です。実際、分散型アプリと L1 / L2 値では合計 110 億ドル以上が Subsquid のインデックス作成に依存しています。

9 月以降、Subsquid は初期のアーキテクチャから権限不要の分散型に移行しています。Testnet では、これまでに数万人の開発者を含む 30,000 人の参加者が 40,000 を超えるインデクサを構築し、デプロイしました。現在、Subsquid チームは、このユーザーベースとデータを Google BigQuery に導入することを決定しています。

BigQuery とブロックチェーン

BigQuery は、企業や個人がペタバイト規模のデータを保存および分析できるようにする、高度なエンタープライズ データ ウェアハウス ソリューションです。大規模なデータ分析向けに設計され、組み込みの ML 機能を備え、マルチクラウド デプロイメントをサポートする BigQuery を使えば、データ サイエンティストは単純な SQL で ML モデルを作成できます。

BigQuery はまた、Google 独自のビジネス インテリジェンス スイートや外部ツールとも完全に統合されているため、ユーザーは Jupyter NotebooksApache Zeppelin を使用して BigQuery 内で独自のコードを実行できます。

2018 年以降、Google は BigQuery にイーサリアムやビットコインなどのブロックチェーンのサポートを追加しました。そして今年に入ってから、新たに Avalanche、Fantom、NEAR、Polkadot、Tron を含む 11 のレイヤ 1 ブロックチェーン アーキテクチャのオンチェーン データが BigQuery に統合されました。

ただ、一般公開されているブロックチェーンのデータに対して分析を実行できるのは素晴らしいことですが、特定の開発者がアプリの開発に必要とする具体的なデータが常に提供されるとは限りません。そこで出番となるのが Subsquid です。

データが Web3 開発者とアナリストにもたらす力

カスタマイズで厳選されたデータを BigQuery に保存すると、開発者は Google の分析ツールを活用して、プロダクトがどのように使用されているかについて 1 つのチェーンやプラットフォームの枠を超えた分析情報を入手できます。

マルチチェーン プロジェクトは、Subsquid を BigQuery と組み合わせて利用することで、さまざまなチェーンでの使用状況を迅速に分析し、料金、運用費用、傾向についての情報を得ることができます。BigQuery を利用すれば、オンチェーン データ以外も活用できます。何といっても Google はウェブサイト トラフィックの高度な分析スイートである Google アナリティクスを開発している会社なのですから。

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Subsquid デベロッパーリレーションズ エンジニアの Daria A. 氏が、Subsquid を使用してデータのインデックスを BigQuery やその他のツールに保存する方法を紹介します

一連のオンチェーン アクティビティと、ソーシャル メディア データおよびウェブサイトのトラフィックを組み合わせてドメイン全体を分析すると、ユーザーが離脱するポイントを特定しながら、プロジェクト内のユーザー保持とコンバージョンを理解し、ワークフローをさらに改善できます。

「BigQuery は、開発者が自分のデータをクエリして分析したり、他の開発者がすでにコンパイルしたデータセットの豊富なコレクションを活用したりできるため、Web3 における重要性が急速に高まりつつあるプロダクトです。SQL をベースにしているため、あらゆるデータを探索し、より複雑なクエリを非常に簡単に実行できます。豊富な API と包括的なデベロッパー ツールキットを備える BigQuery は、事実上あらゆるものに接続できます」と Subsquid の CEO / 共同創設者である Dmitry Zhelezov 氏は記しています。

「Subsquid インデックスの追加により、Web3 開発者は文字どおりデータのスーパーパワーを手に入れることができました。Squid インデクサを最初から構築することも、既存のインデクサを使用することもでき、必要とするデータを非常に効率的に取得できます。これによって開発者がどのように能力を発揮していくのか、大いに期待しています。」

今すぐ BigQuery で Subsquid を使ってみましょう

Subsquid の BigQuery サポート機能はすでに実装されています。このツールを Web3 プロジェクトに組み込むことに関心をお持ちなら、こちらのドキュメントで詳細をご覧ください。サンプル プロジェクトのデモを YouTube で紹介しています。またオープンソースを GitHub でご確認いただけます。

データ プロバイダと ISV にとっての Built with BigQuery のメリット

Built with BigQuery は、Subsquid などの企業が Google データと AI クラウドを使って革新的なアプリケーションを構築するお手伝いをします。参加企業には以下のメリットがあります。

  • 専任のエキスパートから、重要なユースケース、アーキテクチャ パターン、ベスト プラクティスに関するインサイトを得ることによって、プロダクトの設計とアーキテクチャの構築を加速できます。
  • 共同マーケティング プログラムを利用して、認知度の向上、需要の創出、導入の拡大を図り、より大きな成功を実現できます。

BigQuery は、Google Cloud のオープンかつ安全でサステナブルなプラットフォームに統合された、パワフルでスケーラビリティの高い統合 AI レイクハウスのメリットをデータ プロバイダと ISV に提供します。Built with BigQuery の詳細については、こちらをクリックしてください。

-Subsquid 共同創業者 Marcel Fohrmann 氏

-Google Cloud、カスタマー エンジニア Benjamin Richter

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