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データ分析

BigQuery Graph の一般提供を開始: エージェントの時代を支える知識の基盤

2026年9月8日
Bei Li

Sr. Staff Software Engineer

Candice Chen

Product Manager

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The front door to AI in the workplace

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※この投稿は米国時間 2026 年 9 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

エンタープライズ データで重要になる質問の多くは、個々の行に関するものではなく、さまざまな要素の相互関係に関するものです。たとえば、2 つのアカウントがどのようにリンクされているか、支払いがどのような経路をたどったか、AI エージェントの回答の根拠となるコンテキストは何か、というものです。グラフを使用することで、こうした質問に回答できます。従来、こうした分析情報を引き出すには、データをスタンドアロンのグラフ データベースに抽出する必要があり、結果的にサイロ化と運用上のオーバーヘッドを招いていました。こうした障壁を取り除くため、Google はネイティブ グラフ機能をデータ ウェアハウスに直接組み込みました。そしてこのたび、BigQuery Graph の一般提供を開始いたしました。

プレビュー版の BigQuery Graph では、グラフ分析とリレーショナル分析を統合しました。ISO 規格の Graph Query Language(GQL)と SQL が併用され、走査がネイティブに実行されるため、ETL は不要です。また、BigQuery を基盤とする BigQuery Graph はその機能を継承し、さらに拡張しています。具体的には、スケールアップ データベースのメモリ ボトルネックなしでペタバイト規模に達し、既存の行レベルおよび列レベルのセキュリティの下で実行され、同じクエリで BigQuery ML と AI 関数を呼び出します。1 つのエンジンで、大規模なグラフ分析と AI エージェント向けの相互につながりのあるコンテキストの提供という 2 つの役割を担います。

「BigQuery Graph は、当社の脅威検出パイプラインに大きな変化をもたらし、単純でサイロ化されたアラートからの脱却を可能にしました。セキュリティ シグナル データをプロパティ グラフとしてモデル化することで、以前は計算上不可能だった複雑なマルチホップ走査を数秒で実行できるようになりました。このグラフ中心のアプローチにより、異常が一貫した攻撃ストーリーに自動的にクラスタ化され、それが Gemini モデルのシームレスな統合と組み合わさることで、実用的な脅威ナラティブを生成できています。ネイティブの BigQuery Graph アルゴリズムを統合して、ワークフローをさらに効率化できるようになることを楽しみにしています。」- Thales Cybersecurity Products、グローバル エンジニアリング担当バイス プレジデント、Pete Rubio 氏

プレビュー版のリリース以降、さまざまな業界のデータチームによって分析ワークフローとエージェント ワークフローの両方に BigQuery Graph が採用されてきました。

  • 脅威と不正行為の検出: セキュリティ組織や金融機関では、イベントログ全体でシグナルを相互に関連付け、マルチホップ攻撃パス、不正行為ネットワーク、不審なトランザクション ループを検出しています。

  • サプライ チェーンのデジタルツイン: 製造組織や物流組織では、サプライヤー、部品、配送ルート間の依存関係をマッピングして、停止をシミュレートし、フルフィルメントを最適化しています。

  • ID 解決と Customer 360: 広告テクノロジー プラットフォームと小売プラットフォームでは、断片化されたユーザー ID と行動タッチポイントを、チャネルをまたいで統合された顧客プロファイルにまとめています。

  • ナレッジグラフと AI エージェントのグラウンディング: 企業の AI チームは、非構造化ドキュメントから構造化されたナレッジグラフを構築し、Gemini モデルと GraphRAG ワークフローのグラウンディングのためのドメイン コンテキストを提供しています。

  • ネットワーク リネージとインフラストラクチャ管理: 通信業界と企業の IT チームは、複雑なネットワーク トポロジ、サービス依存関係、マルチホップ パス全体のデータリネージを追跡しています。

BigQuery Graph の新機能

一般提供までたどり着いたことには、単なる「安定性の確保」を上回る意味があります。この段階に達するまでに、2 つの取り組みを行いました。まず、グラフエンジン自体を高速化し、適用範囲を広げました。次に、エージェントがグラフを構築し、グラフとチャットし、監査可能なメモリをグラフに保持できるよう、グラフエンジンを取り巻くエージェント エコシステムを構築しました。以下で紹介する機能の中には、現時点で一般提供されているもの、プレビュー版のもの、数週間以内にリリースされるものが含まれています。

グラフエンジンの高速化と適用範囲の拡大

「広告業界は数十年にわたり、個々のイベントを最適化してきました。エージェントの時代が到来し、それらのイベント間の関係が最適化されるようになるでしょう。Yahoo の AI エージェントは、キャンペーン、オーディエンス、露出、成果などの相互につながりのあるコンテキストを BigQuery Graph から得ています。これらのコンテキストに対して、収益化データがすでに存在する場所で、標準の GQL を使用して走査を実行できます。個別のグラフエンジンやデータの移動は不要です。エージェントはグラフを読み取るだけでなく、グラフについて推論し、その結果を新しい関係として書き戻します。こうすることで、自動化を超えて、信頼できる自律システムへと収益化を移行させることができます。」- Yahoo、収益化プラットフォーム担当エンジニアリング ディレクター、Mikul Bhatt 氏

ボーダーレス グラフ レイクハウス

エージェントの性能は、推論対象となるコンテキストの質に左右されます。そして、そのコンテキストが 1 か所にまとまっていることはほとんどありません。ボーダーレス レイクハウスを使用することで、単一の BigQuery Graph で、ネイティブの BigQuery テーブルと(Databricks Unity Catalog、AWS Glue、Snowflake を介した)他のクラウドのオープンな Iceberg テーブルをその場で走査できます。データをコピーしたり ETL パイプラインを構築したりする必要はありません。

たとえば、サポート エージェントが「この顧客の遅れている注文の商品のサプライヤーはどこで、その拠点はどこか?」という質問に答える必要があるとします。顧客データは Google Cloud の Iceberg レイクハウスに、商品とサプライヤーのレコードは AWS の Databricks カタログにあります。この場合、エージェントは、リクエストごとにソースを結合するのではなく、すでにソースを相互に関連付けている 1 つの仮想ナレッジグラフを走査します。対象となるデータが移動することはありません。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/1_Virtual_Graph.max-2200x2200.png

図 1: Google Cloud(青色のノード)、AWS(黄色のノード)、その他のクラウド(緑色のノード)にまたがる仮想ナレッジグラフを示す図。データの移動は発生しない。

次の DDL ステートメントは、ノードテーブルとエッジテーブルを両方のクラウド環境に直接マッピングして、この仮想グラフを定義する方法を示しています。

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これにより、エージェントは 2 つのクラウドにまたがって組み立てられた、グラウンディング済みマルチホップの回答を 1 回の走査で取得できます。

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GQL の高速化と表現力の強化

BigQuery Graph は、相互の関連付けに関する質問に対応するように構築されています。たとえば、2 つのアカウントがどのようにリンクされているか、支払いがどのような経路をたどったか、フラグが付けられたエンティティから数ホップ以内にどのエンティティが存在するか、といった質問です。これらは SQL 結合では表現が難しい質問であり、このような場面でグラフエンジンが真価を発揮します。一般提供では、実行速度が向上し、記述がさらに容易になりました。

  • 迅速な実行。一般提供では、非巡回および無向の走査の経路探索が最適化されています。公開ベンチマークと比較して、プレビュー版以降の GQL は 2 倍高速になり、無向の走査は 100 倍になりました。ACYCLIC および TRAIL 経路モードでは、より高速でリソース効率の高いサイクル検出が可能です。クエリのレイテンシが低いため、エージェントの回答の根拠となる近傍検索とパス検索は、頻繁なインタラクティブ アクセスでも応答性を維持できます。

  • 表現力が強化されたクエリ。新しい CALL ステートメントと拡張されたサブクエリのサポートにより、結果のエンティティごとにグラフ サブクエリを実行したり、再利用可能な名前付き関数を呼び出したりできるため、複雑な質問を 1 つの広範なパターンとして扱うのではなく、複数のパーツに分割できます。アナリストが記述する同じ関数は、エージェントがツールとして呼び出す構成要素になります。

エージェントの時代への適応

「企業には従業員に関するデータが豊富にありますが、従業員に何ができるか、従業員がどの分野に適しているかについての共通認識はほとんどありません。BigQuery Graph を使用すると、散在する情報を 1 つの再利用可能なプロパティ グラフに変換し、人材、役割、能力、証拠の相互関係を大規模に走査できます。これにより、相互につながりのある同じ従業員コンテキストを、数千の意思決定に利用できます。意思決定ごとにコンテキストを再作成する必要はありません。これにより、仕事の進め方に関するより難しい質問に関して、AI が回答のためのより強固な基盤を得ることができます。」- Workerbee、創設者兼 CEO、Heiko Roth 氏

グラフとチャットする

グラフを探索するために GQL を記述する必要はありません。BigQuery の会話型分析を使用すると、自然言語で直接グラフとチャットできます。この機能は、スキーマ内の関係を読み取って質問を SQL または GQL に変換し、パスベースの回答のために走査を可視化します。エージェントは、説明や類義語などのグラフ メタデータを活用して、結果のグラウンディングを維持します。グラフをグラフたらしめている関係性こそが、自由形式の自然言語クエリに問題をもたらす曖昧さやハルシネーションを排除するのです。また、MCP サーバーを介して Gemini Enterprise を BigQuery Graph に接続したり、会話型データ エージェントを直接 Gemini Enterprise に公開したりすることもできます。

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エージェントを使用してグラフを構築する

グラフの準備作業(テーブルをノードとエッジにモデル化し、それらに対する GQL を記述する作業)は、すでにご利用のデータ エージェントに任せることができます。Google は、GQL パターン マッチング、グラフと SQL の融合、推奨プラクティスに沿ったスキーマ設計など、BigQuery Graph の専門知識をエージェント スキルにパッケージ化し、エージェントがグラフを使いこなせるようにしました。これらの機能は、Google Cloud Data Agent Kit 拡張機能を使用することで、Antigravity、Visual Studio Code、Claude Code、Codex など、お好みのエージェント コーディング ツールでそのまま利用できます。

このスキルは、アドバイスだけでなく作成も学習しており、この機能はまもなくリリースされる予定です。エージェントにデータセット、モデル ドキュメント、ER 図を参照させると、ノードとエッジが提案され、グラフの構築前に各関係がデータと照合されて、一致率が表示されます。たとえば、98% で一致するものもあれば、56% で一致するものもあります。これにより、最初から信頼できるグラフを手に入れることができます。

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エージェントに監査可能なメモリを提供する

エージェントのグラウンディングは、目的の半分にすぎません。残りの半分は、エージェントが何をしたかを記憶することです。エージェントの役割がアドバイスの提供から行動へと移行する中で、どのオプションが選択されたか、どのポリシーが適用されたか、どの代替案が却下されたかなど、すべての決定について事後に説明できることが必要になってきます。BigQuery Agent Analytics のコンテキスト グラフを使用すると、エージェントが実行する各アクションが取り込まれ、コンテキスト グラフに変換されます。これは、エージェントの推論を型付きのクエリ可能なトレースとして BigQuery Graph に直接保存したものです。トレース自体がグラフであるため、「エージェントの意思決定の理由」を 1 回の走査で確認できます。また、それらの決定に再結合した結果は、次の決定を改善するためのデータになります。

BigQuery Graph を今すぐ使ってみる

BigQuery Graph は、クラウドをまたいでグラフ分析を実行し、AI エージェントをデータにグラウンディングします。まずは、概要とデータモデルで GQL、ノードテーブル、エッジテーブルを連携させる方法を確認し、ご自身のチームのよくあるパターンに適用してみてください。不正行為の検出 Codelab で不審な資金移動や合成 ID を追跡したり、ID の解決 Codelab で断片化されたメール、デバイス、Cookie を 1 人の顧客に結び付けたり、サプライ チェーンをデジタルツインとしてモデル化して、停止が発生したときに隠れた依存関係に対してクエリを実行したりできます。

ここから、エージェントへと進みます。エージェント コンテキスト グラフ Codelab では、未加工のイベントログを、自律型エージェントが実際に行ったことを監査、説明、追跡するグラフに変換します。これは、信頼できるシステムを支える、相互につながりのあるメモリです。ワークロードがリアルタイムの運用トランザクションと大規模な分析の両方にまたがる場合は、Google の統合グラフ ソリューションで Spanner Graph と BigQuery Graph を連携させる方法をご確認ください。さらに詳しく知りたい場合は、電子書籍でプロセス全体を説明していますので、ぜひご覧ください。

- シニア スタッフ ソフトウェア エンジニア、Bei Li

- プロダクト マネージャー、Candice Chen

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