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データ分析

構造化データと非構造化データのインサイトを統合する BigQuery 検索のイノベーション

2026年8月28日
Joe Malone

Product Manager, Google

Francis Lan

Engineering Manager, Google

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※この投稿は米国時間 2026 年 8 月 8 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

現代の企業は膨大な量の非構造化データを保有しており、その管理や価値の抽出において大きな課題に直面することがよくあります。これまで、PDF、音声ファイル、画像、非構造化テキストに埋もれたインサイトを引き出すには、ウェアハウスからのデータ移動、複雑な LLM パイプラインの統合、散在する検索インデックスの管理といった、断片化されたアーキテクチャを前提とする必要がありました。

BigQuery は、こうした非構造化データを理解するために多くの企業で活用されています。たとえば、数千件に及ぶ臨床試験ドキュメント(PDF)を管理する先進的なヘルスケア企業では、BigQuery を使用することで、アクセス、処理、グラウンディング、関連付け、活用というシンプルな 5 段階のライフサイクルを通じて、これらのドキュメントから価値あるインサイトを抽出できます。

この投稿では、このフレームワークの「グラウンディング」のフェーズに重点を置いた 3 つの主要なマイルストーンを紹介します。

  1. 自律型エンベディング生成(一般提供版)

  2. 単一クエリのパフォーマンスが大幅に向上する AI.SEARCH(一般提供版)

  3. ハイブリッド検索(公開プレビュー版)

これらの機能が連携して AI アーキテクチャを簡素化する仕組みを、実際の臨床試験研究プラットフォームを例に詳しく見ていきましょう。

パイプラインを簡素化する「自律型エンベディング生成」(一般提供版)

検索拡張生成(RAG)パイプラインや検索アプリケーションを構築するには、通常、複雑で非同期なエンベディング インフラストラクチャの管理が必要であり、新しいレコードが到着するたびに、再試行、エラーロギング、パイプラインのオーケストレーションを自分で行わなければなりません。

このたび、自律型エンベディング生成の一般提供が開始されたことで、BigQuery がユーザーに代わってこれらをすべて管理できるようになりました。スキーマで列を定義するだけで、新しいデータが取り込まれるたびに BigQuery が非同期かつ継続的にエンベディングを生成します。外部モデル(Vertex AI テキスト エンベディングなど)を選択することも、BigQuery 内で Gemma エンベディング モデルをネイティブに直接利用することもできます。

実際の活用例

たとえば、Google Cloud Storage に保存されている臨床試験の PDF を分析する研究プラットフォームを構築しているとします。研究のタイトルや疾患領域をテーブルに抽出すると、そのタイトルを自動的に埋め込むことができます。

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BigQuery は、1 つの構成でエンタープライズ規模の処理を管理することで、複雑なサードパーティのベクトル データベースを不要にします。この自律的なエンベディング生成により、ソーステキストの変更に合わせてデータが自動的に同期されるため、手動による ML パイプラインが不要になります。この統合アプローチにより、動的なデータセットのワークフローが効率化され、カスタムデータ スクリプトの維持管理にかかる運用上の負担が軽減されます。

さらに、この一般提供の開始に伴い、自律型エンベディング生成では ObjectRefs を使用して画像からネイティブにエンベディングを生成できるようになり、真のマルチモーダル検索と分析が可能になりました。

大規模な自然言語検索を可能にする「AI.SEARCH」(一般提供版)

会話型分析エージェントや快適なユーザー エクスペリエンスを真に実現するには、基盤となる検索インフラストラクチャが直感的かつ高性能である必要があります。

データをシームレスに埋め込むことができたら、次は、それらを効率的にクエリする手段が必要となります。このたび一般提供が開始された AI.SEARCH() は、自然言語に焦点を当てた合理的な検索エクスペリエンスを提供するもので、これにより、検索パスでエンべディングを生成することなく、意味的に関連するレコードを簡単に見つけることができます。また、自律型エンベディング生成と組み合わせることで、データセットで使用しているエンベディング モデルをそのまま検索にも利用できるため、利便性がさらに高まります。

さらに、昨年実施した効率化への投資の一環として、AI.SEARCH を単一クエリの実行向けに大幅に最適化しました。その結果、オンライン アプリケーションや単一クエリ検索(エージェント検索で最も一般的なもの)において、スロット効率が最大 133 倍向上したことが確認されています。

このことは、BigQuery 上のデータに対して、ユーザー向けの自然言語検索を高い同時実行性で処理しつつ、従来よりも高速かつ費用対効果の高い方法で提供できることを意味しています。

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キーワードとベクトルを統合する「ハイブリッド検索」(公開プレビュー版)

セマンティック(ベクトル)検索は非常に強力です。たとえば、上記のクエリでは、「化学療法」のような概念的に関連する用語も適切に返すことができます。しかし、セマンティック検索だけでは十分でない場合もあります。たとえば、研究者が、非常に専門的な免疫療法薬の具体的な名称(「MK3475」など)を検索した場合はどうなるでしょうか。この英数字の文字列には広い意味的な文脈がないため、純粋なベクトル検索だけでは正しく順位付けすることが難しい場合があります。

BigQuery のハイブリッド検索は、語彙検索と既存のセマンティック機能を統合することで、キーワードの類似性とその根底にある意味の両方に基づいてデータを取得できます。このアプローチは、セマンティック ベクトル検索の概念的な深さと、語彙マッチングの高い精度を統合するものであり、Reciprocal Rank Fusion や BM25 などのアルゴリズムを利用しています。これにより、検索結果の精度が大きく向上するほか、キーワードの出現頻度や意味的な関連性に基づく再ランキングを通じて、LLM のハルシネーションに伴う費用を抑えることができます。ユーザーは、AI.SEARCH 関数や VECTOR_SEARCH 関数で HYBRID モードlexical_search_columns パラメータを利用することで、この仕組みを実装できます。さらに、ベクトル インデックスを拡張してキーワード データを含めることで、パフォーマンスを最適化し、語彙検索プロセスを高速化できます。

以下のように、AI.SEARCH() 関数のモードを HYBRID に設定するだけで、ハイブリッド検索を簡単に実行できるようになりました。

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これらのハイブリッド クエリを大規模に高速化するには、検索の語彙部分で使用するキーワード列を含めるように CREATE VECTOR INDEX DDL を拡張するだけで、インデックスをネイティブに統合できます。

エンドツーエンドの非構造化データ分析プラットフォームの構築

ここで紹介した検索機能とエンベディング機能は、より大きなビジョンの一部にすぎません。Google は、エンドツーエンドの非構造化データ分析プラットフォームを構築しています。非構造化データの代表例のひとつがドキュメントであり、BigQuery は、以下のようなワークフローをエンドツーエンドで管理するための完全なツールセットを提供しています。

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  • アクセス: オブジェクト テーブルを使用して、Google Cloud Storage に保存されている非構造化 PDF やドキュメントを直接クエリすることで、ゼロ ETL のワークフローを実現します。

  • 処理: レイアウト対応のチャンキング(RAG に最適)には AI.PARSE や AI.CHUNK_DOC(近日リリース予定)などの組み込み AI 機能を利用するほか、エンティティ抽出 / 要約には AI.GENERATEを、SQL パイプラインで基盤モデルを直接使用してレコードを即座に分類するには AI.CLASSIFY を利用します。

  • グラウンディング: 自律型エンベディングとハイブリッド検索を使用して、精度の高いコンテキストを構築します。ハイブリッド検索は、セマンティック ベクトル検索による概念的な理解と、語彙的なキーワード マッチングによる高い精度を組み合わせたものです。意味的な関連性とキーワードの出現頻度の両方に基づいて結果を再ランキングすることで、検索結果の精度が大きく向上するほか、LLM のハルシネーションも抑制できます。

  • 関連付け: 抽出されたエンティティ(スポンサー、臨床試験、医薬品など)を BigQuery Graph にマッピングすることで、隠れたマルチホップのインサイトを発見できます。特別なグラフ データベースは必要ありません。

  • 活用: BigQuery の会話型分析エージェントを活用して、これらすべてを統合します。AI.AGG などの関数を使用すると、複雑なデータと直接やり取りしたり、可視化を生成したり、大規模なトレンド分析を実行したりできます。

BigQuery において非構造化データが第一級のデータとして扱われるようになったことで、未加工のドキュメントと会話型 AI との間のギャップを埋めることが可能になりました。

準備ができたら

- Google、プロダクト マネージャー、Joe Malone

- Google、エンジニアリング マネージャー、Francis Lan

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