新しい GitOps オブザーバビリティ ダッシュボードを使用して、Kubernetes 構成を大規模に管理する
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 1 月 26 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
プラットフォームの管理者やオペレーターの間では、構成(デプロイメント、ポリシー定義、Helm チャート、ConfigMap など)を複数の Kubernetes クラスタにわたって一貫して同期する手段として、Config Sync がすでに使用されています。ところが、問題が 1 つ解決されて歓喜している一方で新たな問題が生じています。それは、構成の同期や障害を複数のクラスタにわたってリアルタイムで可視化することです。大規模な運用には、多数の懸念事項が伴います。たとえば、「構成は同期されているか」「リソースの調整はとれているか」「クラスタ内のどの構成の変更がエンドユーザーの行動に影響しているか」などです。本日ご紹介する構成管理ダッシュボードによって、こうした質問に対する答えを簡単に見つけられるようになります。
新しい構成管理ダッシュボードにより、構成を特定し、望ましい状態と実際の状態の違いを把握できるだけでなく、Config Sync を実行しているクラスタを追跡することもできます。この記事では、新しいダッシュボードの主要コンポーネントと、それが運用上の問題の解決にどのように役立つかについて詳しく説明します。
主要コンポーネント
Dashboard: 1 つまたは複数のクラスタにまたがるすべての構成とリソースの全体的なステータスに焦点を当てます。特定のクラスタまたはパッケージ内の最大の懸念事項も確認できます。
Packages: 複数のクラスタにわたって同期されるクラスタ構成とリソースを格納する Git リポジトリ、Helm チャート、OCI レジストリのことです。同期されたリソースと構成は、パッケージごとまたはクラスタごとに表示できます。同期ステータス、調整ステータス、場所、クラスタでビューをフィルタすることもできます。
一般的な操作
新しい構成管理ダッシュボードは、以前は CLI のみが実行手段であった一般的な操作を念頭に置いて設計されています。これにより、次のことを行えるようになりました。
ダッシュボードから 1 つまたは複数のクラスタに Config Sync を簡単にインストールして、[Settings] タブでインストール ステータスを追跡できます。
[Packages] タブでクイック フィルタを使用して、パッケージ内の特定の構成の同期ステータスと調整ステータスを 1 つまたは複数のクラスタにわたって確認できます。同期ステータスとは、Git リポジトリ、Helm チャート、OCI レジストリなどのパッケージからの最新の同期のステータスのことです。調整ステータスとは、Config Sync によって Kubernetes API にデプロイされたときの構成のステータスのことです。
[Packages] タブからエラー メッセージを直接表示して、複数のクラスタにわたってリソースの問題をフィルタし、エラーを特定できます。構成エラーや同期エラーなどの一般的なエラーをダッシュボードから簡単に確認できるようになりました。
すべてのパッケージの同期ステータスと調整ステータスのリアルタイムのスナップショットに加えて、複数のクラスタにわたる Config Sync 全体の健全性をダッシュボードから直接一目で確認できます。
まとめ
構成管理ダッシュボードは、管理者やオペレーターとアプリケーション チームが日々行う以下の重要なタスクに役立ちます。
複数のクラスタにわたって構成とリソースの進行状況をしっかり確認し、クラスタの一貫した動作を確保する。
問題を迅速に特定し、それに応じて適切に対処して、エンドユーザーにとっての価値とサービスレベル目標(SLO)を維持する。
お客様のニーズを満たす、使いやすい構成管理ダッシュボードを作成することは Google にとって重要です。今後は、パッケージのデプロイ、ロールアウト管理、通知などの重要な機能を構成管理ダッシュボードに追加する予定です。今後の情報にご注目ください。また、新しい構成管理ダッシュボードに関するフィードバックもお待ちしております。Cloud コンソールの右上にある質問アイコンをクリックし、[フィードバックを送信] を選択して、ご意見、ご提案をお寄せください。
- プロダクト マネージャー Divyansh Chaturvedi
- DevRel エンジニア Mathieu Benoit