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コンピューティング

使用していない Compute Engine VM を一時的に停止することで費用を大幅に削減できる機能を一般提供開始

2022年4月1日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 3 月 24 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

クラウドの大きな利点の一つは、必要な分だけ購入して使うことができることです。これにより、費用の最適化を微調整しながら、パフォーマンスの高い最新のコンピューティングを活用できます。    

本日より一般提供が開始される、一時停止 / 再開機能により、Google Cloud リソースの消費量をより細かく管理できます。Google Compute Engine VM の一時停止は、ノートパソコンを閉じる動作と同じです。インスタンスの状態はディスクに保存されるため、作業を中断したところから後で再開できます。インスタンスが一時停止状態にある間は、コアや RAM の課金はされず、インスタンス メモリのストレージ費用のみ課金されます。OS ライセンスなど他の VM の実行費用も節約できる可能性があります。

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仕組み

インスタンスを一時停止すると、ACPI S3 シグナルがインスタンスのオペレーティング システムに送信されます。これは、他のクラウド プロバイダの類似機能と比べて 2 つの大きな利点があります。

1 つ目は、クラウド固有の OS イメージを使用したり、デーモンをインストールしたりする必要なしに、幅広い OS イメージが使えるようになることです。記載のないカスタム OS イメージでも、ACPI S3 シグナルに対応していれば、一時停止が可能な場合があります。実際にお試しください。

2 つ目は、一時停止がリクエストされると、インスタンスのブートディスクとは別に、ストレージが動的にプロビジョニングされることです。これは、インスタンスの状態を保存するためにブートディスクに十分な空きスペースが必要で、VM の実行費用が増える場合がある他のクラウドの実装とは対照的です。また、一時停止されたインスタンスは必要な分のストレージのみを消費します。

ユースケース

多くの Google Cloud ユーザーが、未使用時に仮想デスクトップや開発環境を一時停止することで、すでに大幅な費用削減を実現しています。以下はその例です。

「Compute Engine の一時停止と再開の機能を使うことで、BigCommerce は Compute Engine を使用する開発環境の運用費用を削減することができました。BigCommerce では、エンジニアが各自の環境の「業務時間」をカスタマイズできるようになっていて、それに合わせて各就業日の終業時の一時停止、翌日の再開が行われています。これにより、仮想マシン インスタンスの使用時間は、環境ごとに平均して週 168 時間から週 60 時間に削減され、毎月数千ドルを節約できるようになりました。このような効率化による費用削減は、エンジニアリング部門の成長とともに大きくなると期待しています。」— BigCommerce エンジニアリング担当マネージャー Aaron Humerickhouse 氏

別のユースケースとして、一時停止したインスタンスを再開することで水平方向のスケーリングを加速させることができます。Compute Engine インスタンスの作成時間は非常に短いですが、需要急増への迅速な対応が必要なときは、オペレーティング システムを起動してアプリケーションを読み込む時間が期待するほど早くない場合があります。この問題に対処する 1 つの方法は、重要なアプリケーションでインスタンスを初期化して一時停止することです。あとで再開するときに、インスタンスを最初から作成するよりもずっと早く作業に取りかかることができます。  

次のステップ

詳しくは一時停止 / 再開のドキュメントをご覧ください。



- プロダクト マネージャー Jin Su
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