クラウドで VMware を実行: Google Cloud VMware Engine の優れた点
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 4 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google Cloud VMware Engine は、Google Cloud のパフォーマンスに優れたスケーラブルなインフラストラクチャ上に構築された、エンタープライズ クラスのクラウドネイティブな VMware エクスペリエンスを提供しています。このサービスで一貫した VMware エクスペリエンスを実現することで、お客様は迅速かつ容易に Google Cloud を導入できます。また、vSphere ワークロードの変更を最小限に抑え、VMware と Google Cloud の長所を 1 つのプラットフォームに集約し、さまざまなユースケースに対応します。ユースケースには、短期間でのデータセンターの廃止、アプリケーションのリフト&シフト、障害復旧、仮想デスクトップ インフラストラクチャ、自社のペースに合わせたモダナイゼーションなどが含まれます。
ここでは、クラウドでの VMware ワークロードの実行、オペレーションの簡略化、イノベーションの加速に対して、VMware Engine が代替製品より優れている 7 つの点をご紹介します。
1. 専用の 100 Gbps east-west ネットワーク
Google Cloud VMware Engine ノードには、冗長性が確保されたスイッチと専用の 100 Gbps east-west ネットワークが備えられていて、一般的にオーバーサブスクリプションがある他のオプションとは異なり、帯域幅のオーバーサブスクリプションは発生しません。これは、レイテンシの影響を受けやすいワークロードを実行する場合、特に重要になります。
2. 単一ゾーンの可用性は 99.99%
このサービスでは、クラスタを拡張することなく、5~16 ノード、FTT=2 以上の単一ゾーンのクラスタに対して 99.99% の稼働時間 SLA を提供しています。これは代替製品よりも高い稼働率です。さらに、vSAN や vMotion などのコアサービス機能に専用接続を使用することで、ソリューションの安定性と可用性の向上を実現します。これにより、高可用性が求められる企業のワークロード ニーズをサポートできます。
注: 「クラスタ」とは、VMware ESXi を実行している 3 台以上の専用ベアメタル ノードと、管理インターフェースによって管理されている関連付けられたネットワーキングのデプロイメントを意味します。
3. 複雑なルーティングを必要としないグローバルなネットワーキング
Google Cloud VMware Engine のネットワーキングは、Google Cloud の強力なネットワーキング アーキテクチャを基に構築されています。シンプルなリージョン ルーティング モードと、VPC のサブネットを Google のサービスが利用可能な任意のリージョンにデプロイできる、グローバル ルーティング モードによって、グローバルなネットワークを構築できます。さらに、リージョンごとのネットワーク設計の作成や接続の必要がなく、オーバーヘッドも発生しません。リージョン間でのレイヤ 3 の直接アクセス権が直ちに付与されます。他のクラウド環境では、リージョン間で特別なネットワークの構成が必要な可能性があり、多くの場合、グローバルで均一なネットワーク通信を実現するために、VPN ベースのトンネルが WAN 経由で必要になります。これにより、追加の費用が必要になるだけでなく、デプロイとオペレーションが複雑になります。
4. 統合されたマルチ VPC ネットワーク
多くの場合、ユーザーは多様な VPC ネットワーク環境(個別の開発 / テスト環境と本番環境、ビジネス ユニットをまたぐ複数の管理ドメインなど)にアプリケーションをデプロイしています。このサービスでは、マルチ VPC ネットワーキングを使用した、VPC ネットワークから Google Cloud VMware Engine ネットワークへの「多対多」のアクセスをサポートしています。これにより、既存のデプロイ済みのアーキテクチャを保持しながら、VMware 環境にフレキシブルに拡張できます。さらに、マルチ VPC ネットワークを提供することで、VMware ニーズ(QA や開発など)をより小規模なクラスタのセットにプールし、費用を効果的に削減できます。
Google Cloud VMware Engine で利用できるエンドツーエンドのネットワーキング機能とサービスの詳細については、Google Cloud VMware Engine のプライベート クラウド ネットワーキングのホワイトペーパーをご参照ください。ホワイトペーパーで、ネットワーク フロー、構成オプション、さらに Google Cloud での VMware ワークロードの実行についての他とは異なるメリットなど、詳細に説明しています。
5. 一元管理されたクラウド統合モデル
Google Cloud VMware Engine は、Google とその世界水準のチームが運用、サポートする、フルマネージドの Google の自社サービスです。ID、請求、アクセス制御が完全に統合されているため、他のサービスでは得られない、よりシンプルなエンドツーエンドのエクスペリエンスを提供します。Google Cloud VMware Engine サービスは、他の Google Cloud サービスと同様に、Google Cloud Console からアクセスします。また、Cloud VMware Engine で実行している VMware プライベート クラウドから、他のネイティブの Google Cloud サービスへは、ローカル接続を経由してプライベート接続もできます。
6. サードパーティ エコシステムとの柔軟な互換性
Google Cloud VMware Engine では、ソリューション ユーザー アカウントを使用することで、追加の権限が必要な既存の VMware オンプレミスのサードパーティ製ツールやサービスを設定できます。これにより、独自のオペレーションの整合性を実現し、長年にわたって投資、使用してきたツールを Google Cloud VMware Engine で使用できるようになります。さらに、vSAN データ暗号化などの重要な分野では、vSAN データストアでデフォルトでオンになっている Google Cloud Key Management Service(KMS)の使用だけではなく、HyTrust、Thales、Fortanix など KMS 外部のプロバイダを選択できます。
7. ストレージ使用率が高い高密度ノード : コアとメモリ : コア比率と高速プロビジョニング
Google Cloud VMware Engine ノードは高密度構成になっています。各ノードは、Intel® Xeon® スケーラブル プロセッサを搭載し、36 コア、72 ハイパースレッド コア、768 GB のメモリ、19.2 TB の NVMe データ ストレージ、3.2 TB の NVMe キャッシュ ストレージで構成されています。これは、オーバーサブスクリプションに加えて、高い統合率と、ストレージ対 1 ドルあたりのコア比とメモリ対 1 ドルあたりのコア比の魅力的な比率をもたらします。さらに、このようなノードを VMware プライベート クラウドに 1 時間以内に迅速にスピンアップできるため、Google Cloud でニーズに合わせてオンデマンドの VMware と整合性のとれた容量を確保できます。
これらは、Google Cloud VMware Engine のインフラストラクチャを特徴づける、お客様中心のイノベーションのほんの一例です。さらに、Google Cloud への移行により、最大 38% の TCO を削減できます。利用開始するには、Google Cloud VMware Engine と、移行オプションに関する詳細をご覧ください。または、Google のセールスチームまでお問い合わせください。移行のプロセスをすでに開始している複数のお客様に遅れることなく移行を開始しましょう。
このブログを投稿してくれた Google Cloud VMware Engine プロダクト チームに感謝します。
- Google Cloud VMware Engine プロダクト マネジメント担当ディレクター Manoj Sharma
- Google Cloud プロダクト管理担当 Sai Gopalan