Compute Engine の費用を節約する 5 つの方法
Maciej Strzelczyk
Developer Programs Engineer, Google Cloud Platform
1 銭の節約は 1 銭のもうけ
※この投稿は米国時間 2024 年 5 月 31 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Compute Engine では、インフラストラクチャの最適化から割引の活用まで、費用を削減するためのさまざまな方法が提供されています。この 2 回にわたるブログ投稿では、Compute Engine の費用削減に役立つ実用的なヒントをいくつかご紹介します。クラウドを使い始めたばかりの中小企業であれ、支出の最適化を検討している大企業であれ、このガイドには誰にとっても有益な情報が詰まっています。
1. 現在の支出構造を精査
Compute Engine の予算最適化に取り掛かる前に、現在の状況と支出構造を理解して次の一手を十分な情報に基づいて判断できるように、マップを用意しておくとよいでしょう。Google Cloud コンソールの課金パネルは、まさにそのマップにあたるものです。ひとつひとつの SKU に至るまで、すべての支出を追跡し、何にお金を使っているかが正確にわかります。このパネルを使用すると、組織の財務の全体像を把握できるだけでなく、特定のプロジェクトにおける特定のプロダクトの使用コストを分析することもできます。
支出を詳しく調べることで、不要になったにもかかわらず、まだ支払いが続いているリソースを特定できます。結局のところ、お金を使わないこと以上にお金を節約できる方法はありません。
2. 自動生成された推奨事項をチェック
仮想マシンの一覧ページで、一部のマシンの横に電球アイコンが表示されていることにお気づきでしょうか。これらは、費用を節約するために検討できるアクションについて、Google Cloud により自動生成された推奨事項です。これらの有益なヒントはおすすめハブから提供されています。おすすめハブは、費用、セキュリティ、パフォーマンス、信頼性、管理、サステナビリティのカテゴリでプロジェクトを管理できるようにすることを目的とした新しいツールです。レコメンデーション システムは、フリート構造に関するある種の分析情報を提供し、検討できるアクションを提案します。ここでの目標は、フリート パフォーマンスに影響を与えることなく費用削減を支援することです。
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システムは、マシンタイプの変更(例: n1 から e2 へ)、使用率に基づいたマシンのスケールダウンなどのアクションを提案してくれます。推奨事項をクリックすると、提案された変更の概要と費用の推定削減額が表示されます。変更を適用するかどうかは選択できます。なお、コンピューティングへの変更にはインスタンスの再起動が必要です。
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3. ディスクの種類を確認
フリート内のすべての仮想マシンには、少なくとも 1 つの永続ディスクがアタッチされている必要があります。Google Cloud のディスクにはさまざまなタイプがあり、多様なパフォーマンスと機能を提供します。次のようなタイプが利用可能です。
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Hyperdisk - 特に要求の厳しいミッション クリティカルなアプリケーション用に設計された Hyperdisk は、データの永続性と管理機能の包括的なスイートを備えた、スケーラブルで高性能なストレージ サービスを提供します。
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Hyperdisk Storage Pools - 容量、スループット、IOPS のプリペイド コレクションです。必要に応じてアプリケーションにプロビジョニングできます。
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Persistent Disk - 仮想マシンのデフォルトのストレージ ソリューション。ゾーンまたはリージョンで利用できます。次の 4 つのバリエーションがあります。
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標準 - デスクトップ パソコンの HDD ディスクに相当します。I/O 速度は遅くなりますが、最も価格の低いストレージを提供します。
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SSD - 速度重視のソリューションで、優れた I/O パフォーマンスを提供します。ただし、GB あたりの費用が高くなります。
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バランス -「標準」と「SSD」の中間で、新しいコンピューティング インスタンスのデフォルト ソリューションです。
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エクストリーム - 最も要求の厳しいワークロード向け。ディスクのサイズだけでなく、IOPS も制御できます。
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ローカル SSD - 仮想マシンが実行されているホストに物理的に接続されている SSD。非常に高速ですが、永続的ではありません。
最も人気のあるストレージ ソリューションである Persistent Disk ストレージ ファミリーを中心に説明していきます。新しい仮想マシンを作成する際にデフォルトで使用されるディスクタイプは、バランス ディスクです。その名のとおり、パフォーマンスと費用のバランスが取れたディスクタイプです。バランス ディスクは多くのシナリオに適していますが、すべてのアプリケーションに最適なオプションとは限りません。たとえば、自動スケーリング デプロイメントの一部であり、すべての関連情報を外部のキャッシュやデータベースに保存するステートレス アプリケーションでは、ディスクへの高速 I/O は必要ありません。これらのアプリケーションは、ディスクタイプを標準に変更する最適な候補となります。そうすることで、バランス ディスクよりも GB あたり最大 3 分の 1 まで価格を下げられる場合があります(リージョンによって異なります)。
プロジェクトで使用されているディスクのリストを取得するには、次のコマンドを実行します。gcloud compute disks list --format="table(name, type, zone, sizeGb, users)"
ディスクタイプを変更するには、ディスクのクローンを作成し、そのディスクを使用している仮想マシンを変更して、新しいディスクを使用し始める必要があります。
4. ディスクの空き領域を解放
ストレージについて説明を続けますが、費用に影響するのはディスクタイプだけではありません。ディスク使用率も予算に大きく影響する場合があります。プロジェクトに 100 GB の永続ディスクがある場合、この容量の使用率が 20%、70%、あるいは 100% であっても、すべてに 100 GB 分の料金が発生します。アプリケーションでデータ ストレージに Persistent Disk を使用していない場合でも、ブートディスクには細心の注意を払う必要があります。ステートレス アプリケーションに、数ギガバイトの空き容量を持つディスクが本当に必要かどうかを検討し、実際の使用状況に合わせてそれらのディスクを調整することを検討してください。人は切りのいい数字を好むため、12 GB しか必要ないのに 20 GB のディスクを作成するといったことがよくありますが、そこは機械のようにふるまって、お金を節約していきましょう。
5. 確約利用割引*(CUD)を活用
このアドバイスは、Compute Engine だけでなく、他の多くのプロダクトにも当てはまります。一定数の仮想マシンを少なくとも 1 年間(または 3 年間)使用することがわかっている場合は、大幅な割引を受けることが可能です。さまざまな(CUD)を使用することで、vCPU、メモリ、GPU、ローカル SSD、単一テナントノード、ソフトウェア ライセンスをはるかに低価格で利用できます。Flex CUD を使用すると、vCPU とメモリのコミットメントを単一のプロジェクト、リージョン、マシンシリーズに制限する必要もありません。
確約利用割引は多くの Google Cloud プロダクトでご利用いただけます。Google Cloud にご満足いただいており、すぐに利用を辞める予定がない場合は、可能な限り CUD の使用を検討して大幅な費用削減を実現することを強くおすすめします。コンピューティングの場合は、Google Cloud コンソールから直接 CUD を購入できます。
それでは始めましょう
今回のアドバイスは以上になります。次回の投稿では、コンピューティング費用の節約方法について、さらに多くのヒントをご紹介しますので、楽しみにしていてください。
-Google Cloud Platform、デベロッパー プログラム エンジニア、Maciej Strzelczyk