Iroquois Healthcare Association、Chrome OS でスタッフのリモートワークを容易に実現
Google Cloud Japan Team
編集者注: 本日の投稿は、Iroquois Healthcare Association Workforce Investment Organization(IHA WIO)でスペシャル プロジェクト担当シニア ディレクターを務める Eileen Murphy 氏と、ビジネス開発担当ディレクターを務める Andrew Nault 氏によるものです。ニューヨーク州 32 郡の 44 の病院を代表するこの健康組合では、支援活動、コスト削減の取り組み、ビジネス ソリューションの提供を行っています。また、加入している長期ケア組織に対して 5,000 台を超える Chromebook を提供することで、スタッフのトレーニング、介護施設入居者と家族とのつながりの構築、管理スタッフが自宅から安全に働くための支援など、さまざまな方法で 80 の組織をサポートしています。
2020 年前半以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策の実施や、介護施設入居者と家族とのつながりの構築など、IHA WIO 加入組織の医療従事者とスタッフは絶え間ない変化に適応せざるを得なくなりました。彼らの素晴らしい仕事ぶりと、それを継続していることに誇りを感じます。
感染が拡大する中、Chrome OS と Chrome デバイスを使用する場面が増え、かつてない出来事に対応する組織のニーズに合わせて使い方も変化しました。スタッフのトレーニングだけでなく、リモートワークの実現や、会えない時間が長くなる中で入居者と友人や家族のつながりを構築するために Chrome デバイスを使用しました。例えば、朝には管理対象ゲスト セッション モードに Chromebook を切り替えて、祖母が孫の誕生日パーティーにリモートで参加できるようにしています。昼時には、看護助手が同じ Chromebook にログインして以前から受講中の研修に参加することができます。
夜には Chrome OS デバイスを受付デスクに置いて、訪問者が COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のアンケートに回答できるようにしています。デバイスのこうした用途変更は Google 管理コンソールからわずか数クリックで、しかもすべてリモートで実行できます。
トレーニングでの Chrome OS の活用
5,000 台の Chrome OS デバイスの大半は、長期ケア組織とその従業員に継続的な教育トレーニングを提供するためにニューヨーク州の助成金を使って購入したものです。オンライン クラスを開催したいと考えていたのですが、そのためにはトレーニングにアクセスするためのテクノロジーを参加希望者に提供する必要がありました。私たちのパートナーである CDW は、クラウド向けに構築されたオペレーティング システムである Chrome OS をすすめてくれました。Chrome OS が搭載されたデバイスは使い勝手が良く、簡単に共有できるうえにコスト パフォーマンスも高くなっています。
Chromebook Enterprise では Chrome OS のすべてのエンタープライズ機能を使用できる点が特に素晴らしいと感じています。おかげで、Google 管理コンソールを使って Chromebook Enterprise フリート全体をリモートから管理できるようになりました。施設とグループ用の約 80 の組織部門を含む、IHA 全体をカバーする 1 つの高レベル組織部門を設定できました。
トレーニングをサポートするために、Lenovo が 5 分間の動画の制作に手を貸してくれました。この動画を HealthStream 学習プラットフォームに追加することで、スタッフは Chromebook の基本的な使い方を学べるようになりました。この動画を制作したのは、これまでノートパソコンを使ったことのない人がいることがわかったためです。この動画と使い勝手の良い Chrome OS のおかげで、最も助けを必要としている人たちが短期間でノートパソコンを使いこなせるようになりました。
Chrome OS で入居者と大切な人とのつながりを構築
感染が拡大し、人々が介護施設の入居者に面会できなくなってから、入居者と家族のビデオ通話にトレーニング用の Chromebook を使ってみてはどうかとある施設のスタッフから提案がありました。従業員が質の高いケアを提供できるようにするという私たちのミッションにマッチしたこのアイデアは見事に採用されました。
管理コンソールのおかげで簡単にこれを実現できました。管理対象ゲスト セッションを自動読み込みに変更し、起動時に表示される内容も変更しました。医療スタッフがサポートすることで、Google Meet や Zoom、Facebook などさまざまなビデオ会議アプリから好きなものを入居者が選ぶことができるようにしました。
Chrome OS をリモートワークに活用
オフィスのスタッフと管理スタッフがリモートワークを余儀なくされたときにも Chromebook が活躍してくれました。Outlook やオフィスの電話システムなどの業務用アプリケーション、その他の公開文書にはスタッフが Citrix からアクセスできるようになっていたため、リモートワーク用のノートパソコンを管理対象ゲスト セッション モードにして、起動時に Citrix アプリが読み込まれるようにしました。従業員は Wi-Fi に接続して Citrix にログインするだけで仕事を始められます。
トレーニング プログラムを継続しつつリモート機能を強化する中で、さらに多くの Chromebook が必要であることに気付きました。Chrome OS デバイスの在庫が少なくなっているという連絡が CDW からはありましたが、1,000 台の Chromebook を確保してニューヨークのクリフトン パークにある本部オフィスに届けてくれました。
通常であれば、1,000 台のノートパソコンを構成して送付する作業は IT チームにとって想像したくもないハードな仕事です。しかし、今回はひと味違いました。ゼロタッチ登録のおかげで、クリフトン パークのオフィスに届く前にすべての Chromebook を高レベル組織部門に登録できました。送付先の IHA 加入施設ごとに Chromebook のシリアル番号のリストを作成してから送付の準備を行いました。従業員が使用できる状態にするために Chromebook の箱を開ける必要はなく、デバイスの電源を入れることすらありませんでした。
Chrome OS を遠隔医療とクリニックの受付に活用
Chromebook には他にもさまざまな活用法があります。入居者と医療スタッフの健康を守るため、緊急ではない遠隔医療に Chromebook を使用することにしました。医師と看護師は、入居者が家族と話すのに使用するのと同じビデオ会議アプリで介護施設の入居者を観察して話すことができるようになりました。このケースでは、医師が Chromebook を立ち上げたときに独自の電子医療記録アプリである PointClickCare が起動されるようにしました。
外来診療がある IHA 提携病院では、数台の Chromebook を受付端末として活用しました。クリニックで COVID-19 のスクリーニング フォームへの入力を訪問者に依頼する際は、Chromebook をキオスクモードにして受付デスクに配置しました。訪問者がフォームを送信するとフィールドが空欄になったフォームが表示されるため、デバイスにデータを一切保存することなく次の訪問者に備えることができます。
将来のニーズにも対応できる Chrome OS
何よりも素晴らしいと感じたのが、介護施設を訪問したり、誰かにノートパソコンの返送を依頼したり、ソフトウェアを読み込んだりすることなく、ほんの数分のうちにさまざまな方法で人々をサポートできたことです。Chromebook はさまざまな用途に使えるので、1 日の中でモードが何度も切り替わることもあります。あるユーザーがログインした後に他のユーザーは管理対象ゲスト セッションを使ってゲストユーザーとしてログインできます。今後どんな変化が訪れようとも、私たちの準備は万端です。
-Iroquois Healthcare スペシャル プロジェクト担当シニア ディレクター Eileen Murphy
-Iroquois Healthcare ビジネス開発担当ディレクター Andrew Nault