Chrome Enterprise で Google Workspace の管理機能と生産性を改善
Julia Lomakina
Product Manager, Chrome Enterprise
Maxime Martin
Product Manager, Chrome Enterprise
※この投稿は米国時間 2024 年 9 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
今日のハイブリッドな業務環境において、ブラウザは企業のアプリケーションやデータにアクセスするための主要なエンドポイントへと進化しています。この重要なアクセス ポイントのセキュリティの確保と管理を担う IT 管理者にとって、このことはチャンスであると同時に課題でもあります。Gmail や Google ドキュメントなどの Google Workspace アプリは、専用のデスクトップ クライアント アプリが不要でブラウザだけで利用できるため、リアルタイムのコミュニケーションやコラボレーションを促進するために Google Workspace を活用している組織にとって、この課題はより重大です。
IT 管理者は、このようなアクセス ポイントを管理し、生産性を高めるために、ユーザーにとって最適な作業環境を選択する必要があります。すでに多層的な管理を提供している Chrome Enterprise では、マシンレベル、ユーザーレベル、プロファイル レベルの管理を利用できます。今回のお知らせでは、IT チーム向けの新しいプロファイル管理機能と、Workspace ユーザー向けの生産性向上機能についてご説明します。
Chrome プロファイルおよび Workspace ユーザー向けプロファイル管理機能の改善
Chrome Enterprise は、Chrome にログインしているユーザーを対象としたプロファイル管理機能を強化し続けており、管理者にとってより柔軟で制御しやすいものとなっています。プロファイル レベルでデバイスを管理する管理者には、次のようなさまざまなメリットがあります。
- カスタマイズときめ細かいポリシー制御: 組織内の特定のユーザー グループやロールに合わせて、Chrome の設定やポリシーをカスタマイズできます。
- セキュリティとコンプライアンスの強化: プロファイル レベルでセキュリティ ポリシーを適用し、個人所有のデバイス(BYOD)でも機密データを確実に保護します。
- 個人所有のデバイスや外部の人材に最適: ユーザーのセキュリティやプライバシーを損なうことなく、個人や契約スタッフが所有するデバイスにも安全かつ管理されたブラウジング環境を提供します。
- 業務データと個人データの明確な分離: 業務用と個人用のプロファイルを別々に維持できるようにし、生産性とエンドユーザー エクスペリエンスの両方を向上させます。
Google Workspace をご利用のお客様は、Google Cloud Identity の新しいプロファイル リストとレポート機能により、組織内の Chrome ユーザー プロファイルをより詳細に把握できるようになります。ブラウザのバージョン、適用されているポリシー、インストールされている拡張機能など、組織内のユーザー プロファイルに関する詳細レポートをまとめて表示できます。この機能は、今年中に一般提供される予定です。
また、管理者は、コンテキストアウェア アクセスのために Okta、Ping、Cisco Duo の新しいデバイス トラスト コネクタのメリットを得ることができます。ユーザーが Chrome にログインしている場合(またはユーザーが Chrome プロファイルを使用している場合)、Chrome はデバイス シグナルをパートナーと共有できます。これにより、管理者はデバイスの管理を行うことなく、外部の人材向けにコンテキストアウェア アクセス制御を構築できるようになります。Google Workspace をご利用のお客様は、Workspace のコンテキストアウェア アクセス制御または Chrome Enterprise Premium を使用して、Workspace やその他の SaaS アプリケーションへのシグナル共有とアクセス制限を行うこともできます。
また今後数週間のうちに導入される、Chrome への新しいログインフローにより透明性が一層向上します。ビジネス ユーザーは、管理対象のブラウザであることをより簡単に識別できるようになり、業務用と個人用の Chrome プロファイルをより明確に区別できるようになります。プロファイルやデバイスの管理状況や、組織がアクセスできるデータの種類を把握できるようになるほか、既存のブックマークや拡張機能、その他のブラウザデータを個人用プロファイルから業務用プロファイルに移動したり、別々に管理したりすることもできます。
タブ機能とナビゲーションの改善
企業向けブラウザは従業員の生産性向上に大きく関わるため、Google はより簡単かつ効率的にウェブを使用できるように常に取り組んでいます。このたび、管理対象ユーザー向けの新しい生産性ツールを発表いたします。
既存の新しいタブページのカスタマイズ オプションや Google ドライブとの統合に加えて、Workspace で新しいタブを開くと、毎日の Google カレンダーの概要を確認できるようになり、スケジュールやオンライン会議に簡単にアクセスできるようになります。この機能は段階的にリリースしています。最新情報をお見逃しなく。
サイト内検索のショートカットは、アドレスバーを特定のサイトの検索ボックスとして使用する方法で、そのサイトの URL に直接アクセスすることなく検索を行えます。ユーザーに代わって管理者がサイト ショートカットを作成し、重要なエンタープライズ サイトへのショートカットを設定できるようになります。ショートカットは、特定のグループ向けにカスタマイズでき、たとえば、セールスチーム全員が Salesforce に簡単にアクセスできるようにするといった設定も可能です。この機能は、すべての管理対象ユーザーに対して段階的にリリースしています(Workspace を利用していないユーザーも含む)。
また、プラットフォーム全体で新たにタブを改善し、使いやすさを向上させました。
- 昨年、パソコン版 Chrome では、タブグループを手動で保存して同期できるようにし、別のコンピュータからもアクセスできるようになりました。現在では、グループは自動的に保存され、すべてのデバイス間で同期されるため、どのデバイスを使用していても、ブラウジングを中断したところから簡単に再開できます。この機能は、パソコン、Android、iOS の Chrome に実装される予定です。
- また、Chrome では、他のデバイスで開いたタブに基づいて再訪問するページを提案する機能の実験も行っています。これは、たとえば、会社で閲覧していたウェブサイトを、会社からの帰宅中に、別のデバイスで再開したい場合などに特に役立ちます。再訪問するページが Chrome の新しいタブページ上にプロアクティブに提案されます。
Google は、今後もイノベーションを継続し、Chrome Enterprise ユーザーの皆様にさらなる価値を提供したいと考えています。今回紹介した機能の多くは、クラウド管理ツール「Chrome Enterprise Core」から設定および構成できます。ぜひ、こちらからお試しください。Chrome による高度なセキュリティ機能をお求めの場合は、Chrome Enterprise Premium の詳細をご確認ください。今後のブラウザ管理のお役に立てば幸いです。
-Chrome Enterprise プロダクト マネージャー Julia Lomakina
-Chrome Enterprise プロダクト マネージャー Maxime Martin