ChromeOS のシンプルさ、スピード、セキュリティを選んだ Calbag
Google Cloud Japan Team
クラウドへの移行により、小規模な金属スクラップ企業が本来業務に集中
※この投稿は米国時間 2023 年 8 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 今回の投稿は、米国オレゴン州ポートランドを拠点として金属スクラップのリサイクルと販売を行う Calbag Metals の財務および事業部門担当シニア バイス プレジデント、Jim Perris 氏によるものです。従業員 80 人の小規模企業である Calbag は、ChromeOS デバイスを導入してクラウド移行を簡素化しました。
Calbag は、金属スクラップの買い取り、リサイクル、販売を行っています。このコモディティ ビジネスにおいて重要なのはスピードとコミュニケーションです。具体的にいうと、営業チームは、正確かつリアルタイムな在庫情報と、販売可能な金属スクラップの写真をお客様に提供することが求められます。そのためには、デバイスの種類や場所を問わず動作し、堅牢で、柔軟性と信頼性の高いオペレーティング システムが必要です。加えて、IT 担当者 1 人で一元管理したいと考えていました。ChromeOS は要件をすべて満たしました。従業員が技術的な課題やセキュリティの課題に煩わされることなく、生産性を維持できるようになりました。
目標はシンプルな IT です。ChromeOS デバイスのおかげで、チームの業務遂行に必要なツールを提供しながら、シンプルさとセキュリティを実現できました。
Calbag Metals、財務および事業部門担当シニア バイス プレジデント、Jim Perris 氏
デバイス管理の簡素化
改革を検討していた頃は、営業部門、倉庫部門、オフィスの間でファイルやメールを同期して統合することに関し、複雑な問題を抱えていました。営業担当者が使用しているスマートフォンの機種は多種多様で、オフィスと倉庫にいる従業員はサポート終了が決まっていた Microsoft Exchange Server を PC で使用していました。サーバーは複数台ありましたが、テクノロジーや管理を簡素化するという目標には合っていませんでした。
ChromeOS について詳しく調べると、IT に関して当社が抱えていたさまざまな課題を解決できることがわかりました。クラウドで作業することにより、使用する場所や OEM がさまざまでも、デバイスを管理しやすくなります。また、共有デバイスをキオスクモードでセットアップしてチーム全体をつなぎました。
ChromeOS でインテグレーションの悩みを解消
Android Enterprise で管理された Google Pixel を導入したところ、互いのコミュニケーションとファイル共有を簡素化する方法の一端が見えました。いかに簡単かがわかったため、Google スイートを拡張して ChromeOS を追加し、インテグレーションの問題を解消するとともに、メールやアプリケーションにアクセスする単一のプラットフォームとして利用できるようにしました。ファイル管理も Google ドライブに一元化しました。
単一の ChromeOS プラットフォームに合わせて、Chrome ブラウザ クラウド管理の使用を標準化しました。こうすることで Calbag の全従業員が 1 か所からアプリケーションを使用したり、ファイル(売買前の確認に不可欠な金属スクラップ コンテナの写真など)を検索したりできます。どのデバイスを使用していても(営業部門で Google Pixel 約 50 台、それ以外で ChromeOS デバイス 150 台を使用)写真や取引情報を送信でき、Google ドライブや Gmail でファイルを簡単に検索、共有できます。
主に使用しているビジネス アプリケーション ScrapIT は、現在オンプレミスでのみ運用していますが、クラウドの利用を進めながらこの状況から脱却しようと考えています。それまでの間も、Cameyo と Chrome を使用して ScrapIT に問題なくアクセスできます。これもインテグレーションの問題からの解放につながりました。ブラウザからほぼすべてのソフトウェア アプリケーションにアクセスできるオプションが役立ちました。
ChromeOS を導入する前はかなり難しかった、デバイスの共有もできます。共有の Windows PC で Linux を運用していましたが、そのために 2 人の IT 担当者がすべてのデバイスを定期的に手動でアップデートする必要がありました。現在、当社の倉庫では共有の ChromeOS デバイスをキオスクモードで運用しているため、従業員は ScrapIT からログインして金属スクラップの種類や重量を記録できます。IT チームによるメンテナンスは必要ありません。
オフィスの電話もクラウドに移行しました。ビジネス電話システムとして、Chrome で Dialpad を使用しています。従業員の誰かがリモートワークを行う必要がある場合や、悪天候のために自宅から業務を行う場合、使用している任意の電話に業務通話を転送できます。
セキュリティは Google にお任せしています。ChromeOS のアップデートは自動的にバックグラウンドで行われるため、すべてのワークステーションを見てセキュリティを確認する必要はありません。
Calbag Metals、財務および事業部門担当シニア バイス プレジデント、Jim Perris 氏
セキュリティは Google にお任せ
サイバー攻撃を完全にシャットアウトできる企業などありませんが、当社のような小規模企業は特に脆弱です。メールやファイルへのアクセスを失うわけにはいきません。セキュリティは Google にお任せしています。ChromeOS のアップデートは自動的にバックグラウンドで行われるため、すべてのワークステーションを見てセキュリティを確認する必要はありません。Google 管理コンソールもセキュリティの確保に活用しています。許可するアプリのリストを設定し、安全でないと判断したアプリはブロックします。従業員が特定の Chrome 拡張機能やサードパーティ アプリを使用する場合は、まず許可を求める必要があります。
利用している Software as a Service プロバイダは ChromeOS とのインテグレーションが容易なため、シングル サインオンと 2 要素認証プロセスを追加しました。セキュリティの強化に有効なうえ、多忙な従業員がログイン名やパスワードを管理せずに済みます。
営業チームは常に外出しています。Android Enterprise で管理された Google Pixel を使用すれば、もうデバイスを 2 台持ち運ぶ必要はありません。「仕事用プロファイル」により、従業員は仕事にもプライベートにも同じデバイスを使用できます。従業員は仕事用のデバイスを個人的にも使用できる一方、チームは仕事用プロファイルでデータ セキュリティを管理、確保できます。
手のかからない IT
小規模企業では IT がよく話題にのぼります。テクノロジーは継続的な問題になり得るからです。10 年前、Calbag では気づけば毎日 IT の話に明け暮れていました。現在では IT の話をすることはなくなりました。これこそ望んでいたことです。ChromeOS デバイスが支えてくれるおかげで、Calbag は本来業務に集中できているのです。