ユアマイスター: コスト効率向上のためのクラウド基盤の設計に向けて TAP を利用、Cloud Run + AlloyDB を中心に新たなアーキテクチャ採用を決定

Google Cloud Japan Team
Google Cloud Tech Acceleration Program (TAP) は、ユーザー企業が DX の取り組みを加速させるために、クラウドネイティブな技術を活用して、実際のアプリケーションを題材に、迅速で効率的なアプリケーション開発を体験するアジャイル型のワークショップです。
2023 年 6 月 に TAP に参加された、ユアマイスター株式会社(以降ユアマイスター)の プロダクト部 部長 の星様にお話を伺いました。
星様:7 周年を迎えた当社は、現在約 80 名の社員を擁しています。創業以来様々なサービスを追加し続け、成長を遂げてきました。主力サービス「ユアマイスター」は、大切なモノを大切にしたい人といろいろな業界の職人をつなぐサービス EC プラットフォームです。


出典: ユアマイスター株式会社, プロダクト(PRODUCT, https://corp.yourmystar.jp/product
TAP で利用した主なサービス:Cloud Run, AlloyDB, Datastream, BigQuery, Cloud Workstations
TAPで利用したソリューション:アプリケーションのモダナイゼーション
TAPに参加した背景
星様:創業以来、私達は別のクラウドを利用しスピード優先でサービスを開発してきましたが、ビジネスの拡大にともなって、スパイク対応や運用効率が課題となってきました。そこで全面的な再構築を行うべく、エンジニアチームの体制も強化して、クラウドやシステムアーキテクチャの再検討に着手しました。
既存のシステムには、整理されていないデータの存在や、PHP ベースの レガシーな Web アプリケーションの運用などいくつかの課題がありましたが、特に繁忙期と閑散期のアクセスの差が大きく、クラウド利用のコスト効率が大きな課題でした。これを解決するためサーバーレスに注目し、優れたサーバーレスのソリューションがある Google Cloud を検討することにしました。以前より、Google アナリティクス、BigQuery を利用してデータ基盤を構築しており、また Google Workspace なども利用していたため、Google Cloud への移行によって、よりサービス開発の効率を高めることができるなど、様々なメリットがあると判断しました。
TAP で得られたこと
星様:TAP では、当社のビジネス課題を軸に、Google Cloud のエンジニアの皆さんと 2 日間にわたってしっかりとディスカッションができ、今後の目指す方向を決めることができました。製品の詳細な説明やアーキテクチャ設計に関わる最新の情報の共有から、働き方や文化についても話し合いました。ランチも一緒にとり、まさに「同じ釜の飯を食べる感」を体験し、一緒に作り上げることの重要性を実感しました。
情報共有、ディスカッション、そしてチームビルディングの時間として、非常に有意義でした。


TAP への参加後、当社は Google Cloud への移行を積極的に進めており、新たなアーキテクチャの中心として「Cloud Run」、「AlloyDB」、「Pub/Sub」を採用することを決定しました。また、データ処理については「Datastream」を活用し、アプリケーション開発環境では「Cloud Workstations」 を新たに採用する方向で検討しています。


Cloud Workstations を検討
星様:私たちのエンジニアは、それぞれ Docker Desktop を使用して個別に開発環境を構築・管理しています。これは柔軟性があり、各エンジニアに合わせた環境で開発できるのがメリットですが、パソコンの環境が変わると、再度開発環境の構築が必要となり、これに手間がかかります。特に新入社員や業務委託のスタッフがチームに参加した際、これが大きな課題となっていました。
チームの目標は「変化に強いチーム」を作ること。技術の進化やメンバーの変動に柔軟に対応できる環境を整えることで、より迅速に質の高い開発を進めたいと考えています。
そこで目をつけたのが「Cloud Workstations」です。TAP の最中に実際に使ってみましたが、このサービスは、簡単な操作で一元化された開発環境を構築、配布できます。ポチッとするだけで開発環境が整うのは、まさに私たちが求めていた理想的な解決策でした。さらに、業務委託のスタッフの開発環境の管理も格段に楽になりました。専用の URL を払い出せるのも魅力的なポイントです。各自の開発途中のアプリケーションを他者に見てもらいやすくするためのこの専用の URL は非常に便利です。ローカルで開発をしていると、キャプチャや動画でしか示せなかったものが、実際に動くアプリケーションとしてチーム内でシェアできるので、リモート環境にも最適でした。また、アクセス認証もしっかりとされているため、セキュリティ面でも安心だと思いました。
内製開発のメリット
星様: ユアマイスターでは内製開発が中心ですが、一部は業務委託のエンジニアも採用しています。内製開発のメリットとして、コスト面のメリットや、エンジニア自身が「自分のサービス、自分のシステム」という当事者意識を持てる点が挙げられると思います。
今、エンジニアは 13 名いますが、基本的に明確な役割分担を設けず、誰でも「何でもできるスタイル」を目指しており、業務が属人化しないように自動化できるところは自動化を進めています。例えば、モバイルアプリのエンジニアがウェブの開発を行ったり、開発エンジニアがインフラを構築することも珍しくありません。このような取り組みにより、柔軟性と応用力を高めることができると思います。
ユアマイスターの技術的な進化は、これからも続いていくことでしょう。創業からの7年間の経験を活かし、常に最新の技術と共に、ユーザーにとって最も価値のあるサービスを提供し続けることを目指していきます。


サービス産業の IT 化プラットフォーム「ユアマイスター」を運営し、ハウスクリーニングや修理・お直しサービス、法人受け施設メンテナンスサービスを提供。「人々の大事なものがより大切にされる社会に導く」をミッションに掲げ、テクノロジーによりサステナブルな社会の実現を目指します。
インタビュイー
ユアマイスター株式会社
プロダクト部 部長
星 永亮 様