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アプリケーション開発

東芝テック株式会社: クラウド版 POS システムのアーキテクチャ刷新に向けて、Tech Acceleration Program を利用

2022年12月14日
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Google Cloud Japan Team

Google Cloud Tech Acceleration Program (TAP) は、ユーザー企業が DX の取り組みを加速させるために、クラウドネイティブな技術を活用して、実際のアプリケーションを題材にして、迅速で効率的なアプリケーション開発を体験がするアジャイル型のワークショップです。東芝テック株式会社(以降東芝テック)は、2022 年 10 月 11 日 〜 13 日、 TAP に参加。CDO 室 アーキテクチャ設計担当 グループ長の大場 聡司様にお話を伺いました。

東芝テックは POSシステム、デジタル複合機、自動認識システム、インクジェット技術など、店舗・倉庫・オフィスすべてをつなぐ幅広いソリューションでお客様のビジネスをサポートしています。そのなかでも POSシステムのビジネスは、世界中のスーパーや、コンビニ、ショッピングセンターなどで使用されています。

2022 年 4 月に発足した CDO 室では、新たな価値を共創により生み出す為のサービスプラットフォームの構築とグローバルソリューションパートナーとしての変革を推進していきます。

TAP で利用した主なサービス:Cloud Run, Cloud Spanner, Cloud Load Balancing

TAPで利用したソリューション:

アプリケーションのモダナイゼーションスマート アナリティクス


- 今回、TAPで対象とされた貴社のアプリケーションについて教えて下さい

大場様: 従来、当社のPOSシステムは、専用ハードウェアと、その上で稼働する組み込みアプリケーションをセットで提供する形態が中心でしたが、近年では、より早いビジネス展開や新技術の適用、コスト削減などの観点から、クラウドでの提供を要望されることが増えてきました。そこで当社では、このようなお客様のニーズに対応するため、数年前よりクラウド型の POS システムの提供を開始し、「ELERA」のブランドで展開しています。ELERA は、お客様のご要望に応じて、主要なクラウドで展開可能で、 Google Cloud にも対応しています。将来的には汎用的な SaaS 版 POS システムの展開も検討しています。また、ELERAでは、それぞれのお客様からの個別のカスタマイズのご要望も受けていますが、その結果、ソフトウェア構造が複雑になってしまい、改修に時間がかかったり、多大なコストがかかってしまうなどの課題がありました。今回、この「ELERA」について、クラウドネイティブ技術を取り入れて、アーキテクチャの見直しを行い、より柔軟性が高く低コストで運用できるサービス基盤を作る第一歩として、TAP に参加しました。

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出典: 東芝テック株式会社, グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の開発推進について, https://www.toshibatec.co.jp/release/20220215_01.html


-  今回の TAP で Google Cloud を実際に利用されたご感想を教えてください

大場様: 主に、Cloud Run や Spanner を利用しましたが、各パラメータの意味と一つずつ丁寧に説明頂けたことで、実運用に向けた勘所を取得できたのが良かったです。特に、実際に開発したアプリケーションを簡単に実行環境に展開できるところがとてもよかったと思いました。これによって、開発の生産性を大きく高められると感じました。また、Cloud Shell はとても秀逸で、かなり使いやすかったです。


- 貴社でのアプリケーション開発の状況について教えてください

大場様:これまでは組み込み型のアプリケーション開発案件が多かったので、ウォーターフォール型の開発が中心です。

東芝グループ全体の方針で、開発プロセスの節目ごとにデザインレビューを行い、関係者が全員で判断しますが、その後は前の工程に戻ることはありません。

ただし、新規のアプリケーション開発案件では、頻繁な要件変更があるので、アジャイル開発を取り入れています。東芝グループの社内教育でもアジャイル開発のトレーニングを実施していますが、知識をつけた後に、実践する機会をどのように作るかが課題と考えています。また、これまでシステム開発について多くの部分を外注することが普通でしたが、これからは内製開発に移行しようとしています。特に、若手のメンバーには多くの開発案件に入ってもらい、経験を積んでもらうようにしています。CDO 室としても、クラウドネイティブのような新たな技術と開発手法を積極的に取り入れて、現場の開発を支援しています。


- 実際に、TAP に参加してみてどう思いましたか

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大場様: 一言でいうと、Google Cloud のエンジニアのスキルと設計のバランス感覚の高さに感心しました。Google Cloud のサービスを押し付けるわけではなく、当社のビジネスや業務プロセス、システムの制限事項やマルチクラウド対応といった設計指針をしっかり確認して、全てを考慮した上で、バランスの良い提案をしてくれました。どのような質問にも、明確に回答していただけました。Google Cloud の主なサービスの詳細について知ることができてよかったです。また、マイクロサービス アーキテクチャの考え方、構成方法についても貴重なアドバイスをいただけました。TAP では、Cloud Runと Spanner を活用しましたが、とても使いやすく開発効率を高められ、ランニングコストをかなり下げることができると実感しました。今後、次世代クラウド型 POS システムでは、TAP でのアドバイスをもとに改善したいと考えています。

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-  Google Cloud への要望について、お聞かせください


大場様: 今回のようにGoogle Cloud のエンジニアと接することができる機会を多く設けていただくことを期待しています。Google Cloud には、様々なキャリア、バックグラウンドを持ったユニークなエンジニアがたくさんいて、他社にはない強みだと考えます。また、このような機会をパートナー企業とも連携して広げていただき、私たちユーザー企業の技術力向上を支援していただくことを期待してます。
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東芝テック株式会社

リテールおよびワークプレイスの事業領域で持つ世界有数の顧客基盤や営業・保守網などに基づいたフィジカルアセットを最大限活用し、次世代店舗、決済、SCM、データサービスといった成長領域を中心にソリューションのノウハウを持つお客様やパートナーとの共創により、エコシステムの構築を推進します。そして、変革期にある社会に感動を、人々のくらしに笑顔を届けられる「グローバルトップのソリューションパートナー」になることを目指します。

インタビュイー

東芝テック株式会社

CDO 室 アーキテクチャ設計担当 グループ長 大場 聡司

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