Gemini Code Assist Enterprise のコード カスタマイズ機能による AI を活用したアプリ開発
Ryan J. Salva
Senior Director, Product Management
※この投稿は米国時間 2024 年 10 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
ソフトウェア開発は現代の経済を牽引しています。ただし、抽象化レベル、インテグレーション、ベンダーの数が増え続ける一方で、経験豊富な開発者は不足しているため、技術スタック全体にわたり優れたアプリケーションを作成することは複雑です。
IT リーダーは、開発者が複雑さに対処し、アプリケーションの配信を加速させて、競争に遅れを取らないようにするために、AI を活用したソリューションをチームに提供する必要があります。Gartner は「企業のソフトウェア エンジニアによる AI コード アシスタントの利用率は、2024 年初頭には 14% 未満だったが、2028 年までには 90% まで増加する」と予測しています1。
Google Cloud では、開発上の課題に対処するための最善のアプローチは、技術スタック全体にわたって機能する、AI を活用したアプリケーション開発ソリューションを提供することだと考えています。コンテキストに基づくより適切な提案、エンタープライズ グレードのセキュリティに対するコミットメント、クラウド全体でのインテグレーションにより、開発者はより幅広いサービスを利用し、さらに多彩な能力を発揮して、より迅速に作業を進められるようになります。
このたび、Google Cloud は、アプリケーション開発機能を新たなレベルに飛躍させる Gemini Code Assist Enterprise を発表いたします。
Gemini Code Assist Enterprise は、IDE での AI を活用したコーディングのサポートだけでなく、エンタープライズ グレードのアプリケーション開発支援も提供します。お客様は、大量のトークンを処理できる Gemini のコンテキスト ウィンドウのサポートを通じて、ローカル コードベースに対する詳細な認識を取得できます。大規模なコンテキスト ウィンドウを使用することで、ローカル コードベースと現在の開発セッションの詳細を考慮し、アプリケーションにより適したコードの生成または変換を行うことができます。
Gemini Code Assist によるローカル コードベースの認識
Gemini Code Assist による /fix を使用したコード変換
Code Assist Enterprise は、ローカル コードベースを理解するだけでなく、コード カスタマイズ機能により、組織のベスト プラクティスと内部ライブラリに基づくコード提案をすることができます。この機能により、Code Assist はより正確で組織との関連性がより高い、カスタマイズされたコード提案を生成できます。開発者はフロー状態により長くとどまることができるため、より多くの分析情報を IDE に直接もたらすと同時に、複雑なタスク(リポジトリ全体の Java のバージョンをアップグレードするなど)を実行できるようになります。つまり、開発者が創造的な問題解決に集中できるようになり、仕事の満足度が向上するだけでなく、製品化までの期間が短縮され、競争力が高まるということです。
Gemini Code Assist Enterprise のコード カスタマイズ機能は、GitHub.com と GitLab.com のリポジトリをインデックス登録できます。2025 年初頭には、その他のソース管理システムやセルフホスト型のオンプレミス リポジトリもサポートする予定です。
Gemini Code Assist Standard が /discovery エンドポイントに対する一般的な提案を提供
コード カスタマイズ機能を備えた Gemini Code Assist Enterprise が、Google Cloud プロジェクトでインデックス登録されたコードから、/discovery エンドポイントに対して最適化された提案を生成
とはいえ、アプリケーションは IDE だけで作成されるわけではありません。Google Cloud は、専門分野に特化したコーダーをより汎用性の高いビルダーに変換するため、Google Cloud 全体のサービスにコーディング サポートを組み込んでいます。コード アシスタントは、新しいテクノロジーに移行する時間を劇的に短縮し、組織のコーディング標準の微妙なニュアンスを提案に組み込みます。そのため、より多くのサービスを扱えば扱うほど、ビルダーはより高速にアプリケーションを作成し、配信できるようになります。Code Assist Enterprise では、Firebase、Database、BigQuery、Colab Enterprise、Apigee、Application Integration でコーディング サポートを利用できるため、開発者それぞれの状況に対応できます。これらを個別に購入する必要はありません。Gemini Code Assist Enterprise の各ユーザーは、これらすべてのツールでその機能を利用できます。
BigQuery の Gemini Code Assist Enterprise ユーザーは、SQL と Python のコーディング サポートを利用できます。エディタベースのコーディング サポートだけでなく、事前検証済みのすぐに実行できるクエリ(データ分析情報)の生成や、データ探索、キュレーション、ラングリング、分析、可視化のための自然言語ベースのインターフェース(データ キャンバス)により、データ ジャーニーを改善し、分析ワークフローを加速させることができます。
Gemini in BigQuery による SQL の生成
セキュリティとプライバシーはどの企業にとっても最重要事項であるため、Code Assist Enterprise がお客様の組織のプライベート データを使用して Gemini モデルをトレーニングすることはありません。コードのカスタマイズで使用するために保存されたソースコードは、Google Cloud が管理するプロジェクトに保存され、お客様の組織ごとに隔離されます。カスタマイズに使用するソース リポジトリはすべてお客様が管理し、いつでもデータを完全に削除することができます。
Google Cloud は、生成 AI についての補償、さらに広範囲ではソフトウェア サプライ チェーンのセキュリティ、Mandiant の調査、専用インフラストラクチャなどのイニシアチブを通じて、エンタープライズ向け機能、データ ガバナンス、セキュリティ対策に取り組み、お客様のビジネスとデータを保護し続けています。
Google Cloud は、AI を活用した最高のコーディング サポートツールをお届けすることで、開発者が満足して作業を行い、生産性を高めることができるものと期待しています。また、市場も注目しています。Google Cloud は、そのビジョンの完全性と実行能力が評価され、「2024 Gartner® Magic Quadrant™ for AI Code Assistants」のリーダーに選出されました。また、Gemini Code Assist Enterprise を通じてお客様にお届けしている進歩が、Google Cloud がリーダーとして認められることにつながった資質のもう一つの証だと考えています。
Gemini Code Assist Enterprise はすでに一般提供されています。料金は 1 ユーザーあたり月額 45 ドルからですが、2025 年 3 月 31 日までは 1 年間の定期購入を 1 ユーザーあたり月額 19 ドルでご利用いただけます。Gemini Code Assist Enterprise のご利用をご希望のお客様は、こちらまでお問い合わせいただくか、こちらをクリックして詳細をご確認ください。
1.Gartner、Magic Quadrant for AI Code Assistants、Arun Batchu 氏、Phillip Walsh 氏、Matt Brasier 氏、Haritha Khandabattu 氏、2024 年 8 月 19 日
-デベロッパー ツール&オペレーション担当シニア ディレクター Ryan J. Salva