Gemini Code Assist の新しいメモリ機能を使用して、AI を活用したコードレビューを改善
Hadi Minooei
GenAI Software Engineer
Umair Idris
Staff Software Engineer
※この投稿は米国時間 2025 年 11 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
コードレビューで最適なフィードバックとは、具体的で一貫性があり、プロジェクトの履歴を理解しているものです。
しかし、現在の AI コードレビュー エージェントはステートレスであることが多く、過去のやり取りを記憶していません。つまり、エージェントがチームのガイダンスから学習できないため、以前に拒否した新しい pull リクエストで同じフィードバックが見つかる可能性があり、フラストレーションや作業の繰り返しの原因になります。
このたび、企業と開発者の両方を対象に、Gemini Code Assist on GitHub の新しいメモリ機能をリリースしました。pull リクエスト内の直接のやり取りやフィードバックから得られた、チームのコーディング標準、スタイル、ベスト プラクティスの動的で進化するメモリを作成できます。メモリは、インストールに固有の Google 管理プロジェクトに安全に保存され、他のユーザーからは隔離されます。
メモリの仕組み
メモリにより、コードレビュー エージェントはステートレスなツールから、チームを学習して適応することでプロジェクトに長期的に貢献できるようになります。
自動メモリと手動メモリ
Gemini Code Assist on GitHub は、すでに styleguide.md ファイルの形式でメモリをサポートしています。これらのルールは常にエージェントのプロンプトに追加されるため、静的で普遍的なガイドラインに適しています。
一方、永続メモリは、より動的で自動化されたアプローチを導入します。pull リクエストのやり取りからルールを自動的に抽出するため、手動での作業は不要です。学習したルールは効率的に保存され、レビュー対象の特定のコードに関連する場合にのみ取得されて適用されます。これにより、チームのニーズに合わせて適応する、よりスマートでスケーラブルなメモリが作成されます。
このプロセスは、次の 3 つの重要な柱に基づいています。
1. ユーザーの操作から学習
このプロセスは、お客様とお客様のチームが現在行っているコードレビューから始まります。pull リクエストがマージされると、Gemini Code Assist on GitHub がコメント スレッドを分析してフィードバックを抽出します。たとえば、Gemini Code Assist on GitHub が .java ファイルで「import 文を折り返さないでください」と指摘し、作成者がコメントでそれに同意しない場合、エージェントはこのやり取りを貴重なフィードバックとして認識し、保存します。pull リクエストがマージされるまで待つことで、会話が完結し、コードが貴重な信頼できる情報源となるようにします。
2. ルールをインテリジェントに作成、更新、保存
この単純なやり取りから、永続メモリは強力な Gemini モデルを使用して、汎用化された再利用可能なルールを推論します。上記の例では、「Java では、import 文を改行して記述できる」のような自然言語ルールが生成されます。
3. 今後のレビューにルールを適用


ルールがメモリに保存されると、エージェントは次の 2 つの重要な方法でルールを使用します。
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最初のレビューをガイドする: エージェントは、新しい pull リクエストの分析を開始する前に、リポジトリに関連する幅広いルールセットについて永続メモリにクエリを実行します。これにより、チームが確立したパターンに沿って初期分析を形成できます。
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提案をフィルタリングする: エージェントは、レビュー コメントの下書きを生成した後、2 回目のチェックを行います。自身のコメントに関連する非常に具体的なルールを取得して評価します。これはフィルタとして機能し、以前に学習したベスト プラクティスと反する提案がされないようにし、コメントがユーザーに表示される前に削除または変更します。
ルールが蓄積されるにつれて、チームの仲間内の知識がコードレビューを通じてコードベース全体で共有されます。
ご利用にあたって
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初めてご利用の場合
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開発者または OSS メンテナンス担当者の方は、GitHub Marketplace から Gemini Code Assist on GitHub をインストールしてください。
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企業のお客様は、Google Cloud コンソールからオンボーディングできます。設定とコードレビュー機能の使用について詳しくは、ドキュメントをご覧ください。プロセスのチュートリアルについては、こちらの動画をご覧ください。
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すでにインストール済みの場合
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開発者または OSS メンテナンス担当者の方は、GitHub 管理パネルで Gemini Code Assist のこの機能を有効にしてください。
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企業のお客様は、Google Cloud コンソールでこの機能を有効にしてください。
-生成 AI ソフトウェア エンジニア、Hadi Minooei
-スタッフ ソフトウェア エンジニア、Umair Idris


