コンテンツに移動
AI & 機械学習

Customer Engagement Suite with Google AI のご紹介

2024年10月4日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/GaW_Blog_Assets_Copy02-01.max-2600x2600.jpg
Duncan Lennox

VP & GM, Applied AI

※この投稿は米国時間 2024 年 9 月 25 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2018 年に Contact Center AI をリリースして以来、Google Cloud は、AI による機能を通じて何千もの組織が何百万ものお客様や従業員に優れた体験を提供できるように支援してきました。カスタマー サービス業務では、新しい生成 AI 機能がますます重要になってきています。そこで Google は、Contact Center AI の豊富な機能を Google の最新の生成 AI テクノロジーと組み合わせ、新しいアプリケーションである Customer Engagement Suite with Google AI を提供しています。

エンドツーエンドの顧客体験でお客様を満足させる

Customer Engagement Suite with Google AI は、Google の最先端の会話型 AI プロダクトを、オムニチャネルのサービスとしてのコンタクト センター(CCaaS)機能や、最新の Gemini 1.5 Flash モデルのスピードとマルチモダリティと組み合わせた、エンドツーエンドのアプリケーションです。カスタマー サービス業務のあらゆるタッチポイントで、一貫性のある優れた顧客体験を提供できるようになります。また、テレフォニー システム、顧客管理(CRM)アプリケーション、従業員管理アプリケーション、コネクタなどのサードパーティ サービスのエコシステムをサポートしています。コネクタには、他のシステム、ユーザー インターフェース、データソース(BigQuery など)へのコネクタが含まれます。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Customer_Engagement_Suite_with_Google_AI.max-1300x1300.png

AI による機能の独自の組み合わせ

Customer Engagement Suite with Google AI は主に以下の 4 つの点で他とは異なっており、顧客体験の質と生成 AI の導入スピードを大幅に改善できています。

1. オムニチャネル: ウェブ、モバイル、音声、メール、アプリを使用オムニチャネル エンゲージメントで、ウェブ、モバイル、音声、メール、アプリにわたって一貫した顧客体験を実現します。お客様が貴社に連絡したり関わったりするためのエントリ ポイントが多数あります。CCaaS 機能により、エンタープライズ グレードのセキュリティとデータ プライバシーを確保しながら、あらゆるチャネルにわたってシームレスなお客様への対応ができるようになります。

会話型分析情報プロダクト(旧称「Contact Center AI Insights」)は、お客様への対応業務全体でリアルタイムのデータを分析し、KPI、優先すべき問い合わせトピックのカテゴリ、改善分野をオペレーション マネージャーや品質保証チームに伝えます。ネイティブの品質管理機能を備え、AI ベースの分析をお客様とのすべてのやり取りに適用し、Quality AI 機能はお客様とのすべての会話を自動採点します。一方、他のシステムではやり取りのごく一部しか分析できません。こうして、カスタマーケア担当者のパフォーマンスと顧客エンゲージメントの質を向上させます。

2. マルチモーダル: 最新の Gemini モデルを使用Customer Engagement Suite with Google AI アプリケーションは、Gemini マルチモーダル機能を活用して、テキスト、音声、画像といったマルチモーダル情報をサポートしています。

たとえば携帯通信会社に電話をかけて、スマートフォンの下取りを希望するとします。仮想エージェントが手順を案内しているとき、手順ガイドが記載されたテキスト メッセージが届きます。わかりやすくするために、仮想エージェントが質問への回答とともに、補足となる画像や視覚的な資料をスマートフォンに直接送信します。これにより、混乱を招く可能性のあるプロセスが簡単になり、真に優れた顧客体験が実現します。

3. ルールベースの制御と生成 AI: 会話エージェントを使用してハイブリッド仮想エージェントを作成会話エージェント プロダクトは、厳格な制御と自然言語による指示、さらにはアダプティブ生成 AI を独自に組み合わせています。こうしたハイブリッド エージェントは、さまざまなトピックに対応する Gemini モデルの機能とともに、既定の質問に対する規範的動作を統合することで、動的かつパーソナライズされたセルフサービスを実現します。

たとえば、銀行の担当者がお客様に一連の質問に答えてもらい、本人確認をする必要があるとします。同時に、この顧客が「私にとって最適な住宅ローンは何ですか?提供されている商品を比較できますか?」と質問してきた場合、1 つ目の質問に答えるには確定フロー、2 つ目の質問に応えるには生成フローが必要です。

会話エージェント コンソールは、自動化とポイントアンドクリックの構成によってビジネス ユーザーがすぐに利用できるようになっており、仮想エージェントの構築、デプロイ、メンテナンスにかかる時間が短縮されます。仮想エージェントの動作の作成と制御をノーコードで行えるため、さまざまな従業員にとって使いやすく、構成しやすいプロダクトとなっています。作成したハイブリッド仮想エージェントで膨大な数の問い合わせを処理し、お客様のセルフサービスを増やすことで、お客様への対応業務全体の費用を削減でき、カスタマーケア担当者はより専門性の高い問い合わせに注力できるようになります。

4. 正確性の確保: 従業員の生産性を向上させる Agent Assist 機能の利用会話エージェントと Agent Assist プロダクトで使用される Gemini モデルは、組織独自のリソースの情報に基づくことで、生成する回答の精度を高めることができます。Agent Assist プロダクトは、カスタマーケア担当者がお客様の問題を迅速かつ正確に解決できるよう、リアルタイムでサポートします。

また、生成ナレッジ アシスト、コーチング モデル、要約、スマート リプライ、リアルタイム翻訳などの新機能も追加されています。

  • 生成ナレッジ アシスト機能は、正確な回答をするために Gemini モデルでトレーニングされています。進行中の会話を追い、現在の会話の文脈に基づいて検索語句を前もって提案できます。そのためカスタマーケア担当者は、お客様に応対する際に適時適切な情報を得ることができます。

  • コーチング モデルは組織の情報を使ってチューニングできます。カスタマーケア担当者がお客様と接しているときに、文脈に応じた手順ガイドがリアルタイムで生成されるため、回答の精度とプロセス準拠性が向上します。

  • 要約機能は会話が終わるたび、カスタマーケア担当者に会話の要約を提供します。このモデルは複雑な問題に関する長時間の会話の要約品質を向上させるとともに、待ち時間を 5 秒以内に抑え、処理時間を大幅に短縮します。

  • スマート リプライ機能は、カスタマーケア担当者とお客様の会話を追い、担当者に回答案を提示します。回答案は、会話データベース(録音した会話からの文字起こし)でトレーニングされたカスタムモデルで計算しています。

  • チャットの会話用のリアルタイム翻訳機能は、言語を自動検出して双方向の翻訳を行います。100 以上の言語に対応しており、追加のモデル トレーニングなしで用語集やセンテンスペアのカスタマイズを行うことができます。文法やスペルの修正と、専門的な言い換えにも対応しています。  

たとえば Best Buy では、自動通話要約を使用したことで担当者が手動で要約を記録する必要がなくなり、問題の解決に要する時間を最大で 90 秒短縮できています。

費用を大幅に削減した Bell Canada

Bell Canada Google Cloud と提携し、AI を活用したコンタクト センターの変革に取り組みました。会話エージェント、Agent Assist、会話型分析情報、CCaaS など、多くのアプリケーション コンポーネントを実装しています。CEO Mirko Bibic 氏は最近の Bell の業績発表で、広範囲にわたる成果について次のように説明しました。

Bell はすでに高度な AI ML の機能を活用し、顧客体験を改善しています。さらに重要なことにはビジネスの費用を削減できており、お客様への対応業務全体で 2,000 万ドルの削減につながりました。当社の AI におけるリーダーシップが他社より優れている例をいくつかご紹介します。

Google AI を搭載した最初の Infobot をカナダでリリースして、お客様の質問に素早く回答し、セルフサービス オプションやリンクを案内しています。当社が全面的に実装した Google のコールセンター AI プラットフォームは、この規模のコンタクト センターとしては世界初です。仮想アシスタントは最初は Lucky Mobile Chat 向けに、現在では Bell Virgin のブランド向けに実装しています。3 つのブランド全体で、今年に入ってから仮想アシスタントによる対応を 110 万件以上行っています。」

使ってみる

Customer Engagement Suite with Google AI が業務にどのように役立つかについて詳しくは、ウェブページをご覧いただくか、コンサルティングの予約を取ってお問い合わせください。また、カリフォルニア州サンノゼで 10 12 日に開催される Enterprise Connect AI へのご参加もお待ちしております。アプリケーションのライブデモをご覧いただけるほか、Google のエキスパートと交流する機会もご用意しています。

-Google Cloud AI 応用担当バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャー、Duncan Lennox

 

投稿先