Google、IDC の 2025 年版 MarketScape「Worldwide GenAI Life-Cycle Foundation Model Software」でリーダーに選出される

※この投稿は米国時間 2025 年 10 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

企業で AI を活用して真の価値を引き出すには、単なる知能以上のものが必要です。モデルと運用管理が完全に統合された、シームレスなエンドツーエンドのプラットフォームが必要です。これが Google Cloud の戦略の中核です。最も強力なモデルと、本番環境に必要なスケールとセキュリティを組み合わせます。

このたび、「2025 IDC MarketScape for Worldwide GenAI Life-Cycle Foundation Model Software」（ドキュメント番号 US53007225、2025 年 10 月）レポートにおいて、Google の Gemini モデル ファミリーがリーダーに選出されました。

Google は、この結果を、最高性能のマルチモーダル AI を構築し、Vertex AI プラットフォームを通じて企業に提供してきた私たちの長年の取り組みを裏付けるものだと考えています。AI モデルとプラットフォームを統合したこのアプローチにより、Google Cloud は革新的なスタートアップから大規模企業まで、さまざまな組織に重要な生成 AI の基盤として選ばれています。

Gemini 2.5: 適応型思考と費用管理

AI ワークロードを本番環境に移行する企業にとって、焦点はすぐに単なる知能から最適化、スピード、費用管理へと変化します。それを受けて、Google は 8 月に Gemini 2.5 モデル ファミリーの一般提供（GA）を発表し、インテリジェンスとエンタープライズ レディネスの両方を大幅に向上させました。イノベーションのペースは衰えていません。9 月には、さらに改良された Gemini 2.5 Flash と Flash-Lite がリリースされました。

Gemini 2.5 モデルは思考モデルです。つまり、複雑な内部推論を実行して、複数ステップの問題をより高い精度で解決できます。この高度な機能により、推論の深さに対応しつつ、コンピューティング費用を効率的に管理できます。

• 思考予算: Gemini 2.5 Flash や Gemini 2.5 Flash-Lite などのモデルに思考予算を導入しました。開発者は最大計算量を設定できるようになり、費用とレイテンシをきめ細かく制御できます。タスクの内容に応じて、複雑な課題では思考モデルの全能力を発揮し、大量処理や低レイテンシが求められるタスクでは最大限のスピードを発揮します。

• 思考の要約: 開発者は、API や Vertex AI に実装された「思考サマリー」を通じて、モデルの推論プロセスを明確かつ構造的に把握できます。これは監査可能性に不可欠です。

モデルの選択肢と柔軟性

マルチモーダル モデルのオープンなエコシステムを提供することで、企業はタスクに応じて最適なモデルを、ユースケースに応じて最適なモダリティを選択し、デプロイできます。

• Vertex AI Model Garden では、開発者や企業ユーザーは常に最新のインテリジェンスにアクセスできます。このインテリジェンスには、自社開発のモデル、主要なオープンソース オプション、そしてリリースと同時に利用可能になった Anthropic の Claude Sonnet 4.5 などの強力なサードパーティ モデルが含まれます。つまり、ユーザーはあらゆるユースケースに最適なツールを選択できるようになったのです。

• ネイティブなマルチモーダル: Gemini の最大の強みは、テキスト、コード、画像、音声といった複数の情報を理解し、組み合わせて活用できるネイティブ マルチモーダル機能にあります。

• Nano Banana によるクリエイティブ コントロール: Nano Banana（Gemini 2.5 Flash Image）では、クリエイターや開発者がビジュアル タスクを細かく制御できるようになりました。会話形式の編集機能に加え、複数の世代にわたってキャラクターやプロダクトの一貫性を維持できます。

AI エージェントの構築: コード、スピード、CLI

Google は開発者向けのコーディング性能と開発ツールへの投資を重点的に進め、複雑なタスクを実行できる AI エージェントへの移行を加速してきました。

• コーディング パフォーマンスの飛躍: Gemini 2.5 Pro は、複雑なコード生成や問題解決において卓越した性能を発揮し、高品質なソフトウェア開発を支援するリソースとして大幅に進化しました。

• エージェント型のデベロッパー ツール: Gemini コマンドライン インターフェース（CLI）のリリースにより、強力なエージェント型の問題解決をターミナル上で直接実行できるようになりました。開発者は、CLI による即時性の高い対話型コーディング支援を活用し、ギャップを解消して開発スピードを加速させることができます。

Vertex AI で価値を引き出す

AI プロジェクトをパイロット段階から本番運用へ移行し、実際のビジネス価値を創出するには、強力なモデルに加えて、管理とガバナンスが確立されたプラットフォームが不可欠です。Vertex AI がエンタープライズ向け AI ワークロードの中核的なコンポーネントとなったのはこれが理由です。

Vertex AI は、Gemini のインテリジェンスをスケーラブルなビジネス ソリューションへと変換する、安全でエンドツーエンドな環境を提供します。開発者が AI のライフサイクル全体を管理できる統合プラットフォームであり、企業はインフラ管理から解放され、革新的なエージェント型 AI アプリケーションの構築に専念できるようになります。

Google は、次の 3 つの柱に重点を置いています。

• 差別化のためのカスタマイズ: 教師ありファインチューニング（SFT）などの手法を用いて、モデルの知識に企業独自の専門知識を直接組み込み、モデルの動作を最適化します。

• 精度向上のためのグラウンディング: Gemini を BigQuery の構造化データ、Vertex AI Search を介した社内ドキュメント、Google Search や Google Maps のウェブデータなどのエンタープライズ データに簡単に接続し、正確で関連性が高く、信頼できるモデルの応答を実現します。

• セキュリティ、ガバナンス、コンプライアンス: プラットフォームに組み込まれたエンタープライズ グレードのセキュリティ、ガバナンス、データ プライバシー管理により、データとモデルを適切に管理し、ミッション クリティカルなアプリケーションの安定性と安全性を確保します。

使ってみる

2025 IDC MarketScape for Worldwide GenAI Life-Cycle Foundation Model Software の抜粋をダウンロードして、企業が Google Cloud を選ぶ理由をご覧ください。

IDC MarketScape のベンダー分析モデルは、特定の市場におけるテクノロジーやベンダーの競争力を包括的に把握できるよう設計されています。この分析は、定性的および定量的な基準の両方に基づく厳密なスコアリング手法を採用し、各ベンダーの市場における位置付けを 1 枚の図表で可視化します。Capabilities スコアは、短期的な観点から、ベンダーの製品、市場投入力、ビジネス実行能力を評価します。Strategy スコアは、3〜5 年の期間におけるベンダーの戦略と顧客要件との整合性を評価します。ベンダーの市場シェアは、アイコンのサイズで表されます。

-アウトバウンド プロダクト管理担当シニア ディレクター、Jamie de Guerre