Timeseries Insights API が登場: 兆単位のイベントに対するリアルタイムの予測と異常検出が可能に
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 2 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
企業は、顧客によるショップの訪問やオンライン クエリの送信から、購買行為やセンサーの起動に至るまで、イベント ドリブンなデータが溢れる状況の中に置かれています。こうしたデータを、リアルタイムの予測や異常検出に活用することが、ニーズと環境の変化に合わせてお客様の期待に応えるうえで決定的に重要です。ただし、この種の時系列分析をリアルタイムで行うためには、多くの場合、ソリューションを特別にあつらえることが必要とされ、企業には現実的でないほど高額で運用が困難なオプションが課されることになります。
本日 Google は、企業がこうしたデータを今よりも簡単かつ効果的に活用できるようになることを目的とした Timeseries Insights API を発表いたします。これは、企業とデベロッパーが、時系列の流れから分析情報を素早く、より簡単に収集できるようになる、効率的で拡張性のあるシステムです。
Timeseries Insights API は Google Cloud Storage、および Google Cloud PubSub と完全に統合されており、兆単位に及ぶ大きさのデータセットを扱えるようになっています。この API には効率的な「コールド スタート」取り込みメカニズムが備わっているため、膨大な過去のデータを読み込んで、そこに新たなイベントをリアルタイムで追加したり、連続的な予測や異常検出のクエリを行ったりすることができます。
実用的な情報収集をより素早く始められるように、この API は次に述べるいくつかの原則に基づいて設計されています。
シンプル: Timeseries Insights API のデータセット管理とクエリ形式はシンプルです。予測と異常検出の実行もシンプルです。トレーニングとテストの時間間隔をイベント スペース全体にわたって定義し、異常をイベント ディメンション全体から検出するように API に要求するだけです。
リアルタイムの情報収集: 効率的なバッチ取り込みとストリーミング更新を行う Timeseries Insights API のインターフェースにより、膨大な数のイベントを対象としたリアルタイム解析を実行できます。新たなイベントが毎秒何千も届く中にあっても、兆単位のイベントを連続的に検査できます。
拡張性: Timeseries Insights API には実質的にどのようなニーズにも応えられる拡張性があります。バックエンドは Google のさまざまな内部アプリケーションでデプロイされており、連続的に成長する巨大なデータセット全体で毎秒何十万ものクエリが実行されています。
時系列データの予測はさまざまな業界で決定的に重要です。小売業であれば在庫の分析と季節性に対する調整を行い、IoT 業界であれば侵入行為の検知を行い、決済代行業であればサービス停止からプロモーションの特定を行い、フィンテックであれば注目度が上昇している話題の分析を行うといったことができます。この API がどのようなお役に立つのか、とても楽しみです。
Timeseries Insights API の詳細については、ウェブサイトをご覧になるか公開プレビューにご参加ください。
- ソフトウェア エンジニアEmanuel Taropa