AI & 機械学習

ドキュメントの処理にかかる時間と費用を削減できる DocAI ソリューションの一般提供を開始

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※この投稿は米国時間 2021 年 4 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

お客様にとって最も重要なデータの一部は、データベース化されることなく、ドキュメント内に残されています。また、ほとんどのビジネス プロセスでは最初から最後までドキュメントを使用します。

しかしデータの量と種類が急増するなか、ほとんどの企業ではデータを未だに手作業で入力し、憶測に頼って整理しています。また多くの組織では、大量の価値が手つかずの状態のまま残されています。そうしたドキュメントに人工知能(AI)を適用することで、より良いカスタマー エクスペリエンスを新たに生みだせる可能性があります。

最近リリースした Document(Doc)AI プラットフォームLending DocAIProcurement DocAI は、数十年にわたり Google が取り組んできた AI イノベーションに基づいて構築されており、こうした課題に強力かつ有益なソリューションをもたらします。これらのソリューションには、以下の業界をリードするテクノロジーが使用されています。

  • コンピュータ ビジョン(OCR を含む)と自然言語処理(NLP): 価値の高い大量のドキュメント用に事前学習モデルを作成します。

  • Google ナレッジグラフ: ドキュメントの項目を検証、強化します。

  • カスタム ドキュメント モデル: 独自モデルを作成、トレーニングできます。

  • 人間による AI の操作: 必要に応じて精度を高めることができます。

このたび Google Cloud DocAI プラットフォーム、Lending DocAI、Procurement DocAI の一般提供を開始し、多くのお客様にプレビュー段階のサービスをお試しいただきました。貸付や保険を始めとする数々の業界や政府機関で、すでに数百億ページにのぼるドキュメントの処理が DocAI を使用して行われています。

ドキュメント処理費用を最大 60% 削減

銀行や住宅ローン ブローカーなどの貸付機関は、Lending DocAI を使用することで、ローンの申し込み手続きにかかる時間を週単位から日単位に短縮し、貸付 1 件あたりの費用を大幅に削減できます。また Procurement DocAI は、大量の調達データのキャプチャを自動化するとともに、処理にかかる費用を最大 60% 削減します。

これらのソリューションは、ドキュメント処理向けの統合コンソールである DocAI プラットフォーム上に構築され、あらゆるパーサーとツールへの素早いアクセスが可能です。 このプラットフォームでドキュメントを自動化して検証することで、ワークフローの効率化、推測や憶測による作業の削減、データの正確性、コンプライアンスの確保を実現できます。

DocAI の業界専用ソリューションで AI を最大限活用する方法

アクセンチュアのレポート、AI: Built to Scale(AI: スケーリングに備えたビルド)によれば、「スケーリングを巧みに行っている企業の AI 投資に対する収益は、AI 機能の展開が不十分な企業に比べ 3 倍」にのぼっているとのことです。

Google Cloud は、業界に特化したソリューションを創出して、各企業が AI への投資から最大限の価値を引き出せるようにすることを戦略上最も重視しています。2020 年の Mortgage Bankers Association コンベンションで、Google は金融サービス業界に特化して設計された初のソリューションである Lending DocAI を発表いたしました。これは、借り手の収入や資産に関するドキュメントの処理に特化した一連の機械学習(ML)モデルを使用することで定型的な書類審査を自動化し、住宅ローン事業者がより重要な業務に専念することを可能にするものです。

現在一般提供中の Lending DocAI では、給与明細書や銀行取引明細書をはじめとするさまざまなローン関係の重要文書に特化した複数のパーサーをご利用いただけます。Google は、借主と貸付機関のエクスペリエンスを改善するとともに、住宅ローンの手続きを短い期間で完了できるツールの提供を目指しています。詳しくはこちらの動画をご覧ください

また、同様に現在一般提供中の Procurement DocAI は、調達サイクルで発生する請求書や領収書などの貴重なドキュメントの処理時間を短縮します。

自動化により、Google Cloud のお客様のデータ キャプチャ精度が向上するとともに、調達から支払いまでの処理にかかる費用を削減できます。Google は、Procurement DocAI で処理できるドキュメントの種類の拡大に引き続き取り組んでおり、最近では、電気や水道などの料金を処理する光熱費パーサーを新しく加えました。さらに、Procurement DocAI は解析した情報を Google のナレッジグラフを活用して検証および拡充し、データの有用性をさらに高めています。詳しくは、こちらの概要動画をご覧ください。

AODocs は AI を活用したドキュメント管理に力を注ぐ企業です。同社は、Procurement DocAI を使用して企業顧客の請求処理を簡素化しています。また、請求書を Google スプレッドシートで追跡管理したいという SMB 顧客のニーズに応え、Invoice to Sheet という Gmail アドオンを新たにリリースしました。


「Google Cloud の Procurement DocAI サービスにより、当社の文書管理プラットフォームで請求書処理をうまく自動化できました。AODocs の新しい買掛金勘定ワークフローを使用されたお客様の買掛金勘定チームは、Procurement DocAI を使用してデータ入力作業を削減することで、生産性を今までのおよそ倍以上に高めることができました。」- AODocs 創業者兼 CEO、Stéphan Donzé 氏


Lending DocAI と Procurement DocAI に特化した新しいパーサーは、既存の AutoML テキストおよびドキュメント分類、AutoML ドキュメント抽出サービスと併用できます。新しいドキュメント モデルを作成する最先端のツールセットを生み出すこうした技術は、金融サービスをはじめとするさまざまな業界で広く導入されています。

パートナーとの提携により AI 導入を加速し成果を高める

住宅ローンのドキュメント処理に AI 戦略を展開してカスタマー エクスペリエンスの刷新を目指すためには、展開に伴う複雑さを軽減できるパートナーを選択することが重要です。このたび、Google は住宅ローンサービス分野を牽引する Mr. Cooper と提携しました。この提携により、お客様は、住宅ローンのライフサイクルのすべての段階で、自動化ツールとワークフロー ツールをご利用いただけます。両社は、この契約の一環として、ともに Mr.Cooper のサービスの核となる住宅ローン プラットフォームのデジタル化に取り組みます。AI を活用したパーソナルなカスタマー エクスペリエンスの創出と、新しいサービスやソリューションのアイデアを生み育てる広い意味でのイノベーション文化の推進により、米国の住宅所有者の住宅ローンに関するエクスペリエンスを変革してまいります。


「当社は、過去数年間にわたってサービス技術と当社の核となる住宅ローン プラットフォームに多大な投資を行ってきました。これにより、カスタマー エクスペリエンスを変革するとともに、運用コストの大幅な効率化を果たすことができました。Google Cloud AI との提携はこうした進歩を基盤としたものであり、住宅ローン業界で新たな技術を利用できるようにするものです。」 - Mr. Cooper Group 会長兼 CEO、Jay Bray 氏


なお、この提携はお客様の住宅ローン エクスペリエンスの変革を目指して構築を続けている強固なパートナー エコシステム(2020 年にお知らせした Roostify との提携を含む)を基盤としています。

人間による審査と ML の予測の統合

近く、DocAI の新しい機能である人間参加型 AI の一般提供を開始します。この機能は、人間による審査を併用しながらドキュメント処理の精度を高めるものです。人間が審査を行うことで精度が向上するだけでなく、人間による審査用の専用ツールを使用することで予測の解釈も行えます。

ドキュメントの処理は、迅速かつコスト効率の高い方法で行うことが重要ですが、多くの場合、コンプライアンスに対応するために、データ精度を高いレベルで保証する必要があります。CIO や IT 部門の意思決定者はコンプライアンス要件への対応、従業員のエクスペリエンス向上(重複作業の削減など)、顧客満足度の向上(データエラーの削減など)のために、精度の高い ML 予測を必要としています。ML プロセスに人間が参加することで、AI と人間が協力して最善の成果を達成できます。

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人間参加型 AI は人間による審査タスクを管理するワークフローを提供するとともに、AI によるドキュメントの取り込み精度がどの程度「確実」かを示す信頼パーセント スコアを生成します。Document AI は ML を使用してドキュメントからデータを抽出しますが、人間参加型 AI と併用すると、人間の審査担当者がキャプチャされたデータを検証できます。このシステムはカスタマイズ可能で、さまざまなしきい値を設定したり、ワークフローのステージごとに異なる審査チームを割り当てたりする柔軟性を備えています。また、デベロッパーは人間参加型 AI を使用して、社内またはパートナー組織の中から信頼できる審査担当者を選び、タスクを任せることができます。

Document AI に関するその他のリソース

詳しくは、Document AI のウェブページから、デモをご覧ください。サンプル フォームを AI Platform Notebooks で処理し、データの抽出と信頼度スコアを検査する方法を紹介しています。複数のお客様や Workday、AODocs、Mr. Cooper などのパートナーによる Document AI の活用方法に関する詳しい談話もお聞きいただけます。また、こうした技術のさらなる進化をお届けする DocAI の今後のリリースにご期待ください。

- Document AI プロダクト担当責任者 Sudheera Vanguri