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AI & 機械学習

Gemini Code Assist、エンタープライズ向けの AI コードレビューを GitHub に導入

2025年10月24日
Ben Weitzer

Senior Product Manager

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※この投稿は米国時間 2025 年 10 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

エンジニアリング チームにとって重要な DORA 指標のひとつは、「変更のリードタイム」つまり、コードの commit から本番環境へのデプロイまでの所要時間です。DORA が発表した 2025 年度「State of AI-Assisted Development レポート」では、手動のコードレビューと承認プロセスが大きな足かせとなり、この指標に悪影響を及ぼしていると指摘されています。同レポートによると、変更のリードタイムが 1 日を超える組織は計 60.2% にものぼり、そのうち 31.9% は 1 日から 1 週間、28.3% に至っては 1 週間から 1 か月もかかっています。この遅延は、シニア デベロッパーがコーディング標準の適用やアンチパターンの特定といった手動のコードレビューに時間をとられているためであることが少なくありません。

このレビューのボトルネックを解消することが IT リーダーの課題であることは明らかですが、GitHub Enterprise Cloud やオンプレミス サーバーなど、複雑な環境にコードが分散している場合はどのように解消すればよいのでしょうか。

本日 Google Cloud は、この課題に対するソリューションとして、企業のお客様向けの Gemini Code Assist on GitHub の公開プレビュー版 をリリースします。これにより、AI を活用したコードレビューで、企業レベルのニーズにも対応できるようになりました。

GitHub Enterprise のサポート追加により、その場でコードレビューが可能に

ボトルネックを見極めなければ、解消できません。Gemini Code Assist on GitHub アプリは 個々の開発者や OSS メンテナー向けに設計されていて、その利用も github.com リポジトリに限定されていましたが、このエンタープライズ バージョンは、企業が GitHub で使用する最も一般的なコード管理オプション、つまりGitHub Enterprise Cloud(GHEC)やプライベート ホストの GitHub Enterprise Server(オンプレミス)などを幅広くサポートするように構築されています。

安全なインテグレーションを通じて、この機能が企業全体でご利用の GitHub ソースコード管理オプションに関係なくコードレビューの自動化を実現する「鍵」となります。

組織レベルの管理で、大規模な運用を実現

プラットフォーム管理者には、AI 支援のコードレビュー ツールをリポジトリのフットプリント全体にデプロイして管理するという重要な課題が課せられますが、このリリースはそれを簡単にできるよう設計されています。プラットフォーム チームは、コード品質の維持に関する「ゴールデン パス」(組織の方針に沿って作成され、支持されている手法)を定義して、その適用を中央管理で自動化することができます。

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この組織レベルの新しい設定がすべてのリポジトリのベースラインとなりますが、個々のチームでリポジトリレベルのスタイルガイドと構成を独自に設定してさらにカスタマイズすることも可能です。

  • 一元化されたカスタム スタイルガイド:. 組織全体で単一のスタイルガイドを定義して適用できます。AI エージェントがスタイルと構文に関するフィードバックを自動化し、人間が pull リクエスト(PR)を確認する前に、特定のルールに対するチェックを行います。これにより、人間のレビュアーは価値の高いアーキテクチャとロジックのみに集中できるようになり、レビュー サイクルが大幅に短縮されます。

  • 組織全体の設定: 大規模な通知を管理できるように、中央管理ページから組織全体のコメントの重大度を設定できるようになりました。組織レベルの設定は今後も追加される予定です。

エンタープライズ クラスの信頼性とコンプライアンス

このリリースは企業の信頼を基盤に、Google Cloud レベルのセキュリティとデータ保護を組み込んで設計されています。エンタープライズ バージョンのコードレビュー エージェントは、Google Cloud 利用規約に基づいて運用されます。本プロダクトで Gemini モデルへのプロンプトやモデルのレスポンスの一部として使用されるお客様のコードは、Google Cloud サービスではステートレスであり、保存されることはありません。お客様のデータのプライバシーを保護するため、生成 AI テクノロジーに関する Google のプライバシー コミットメントに準拠しています。これには、Google がお客様の許可なくお客様のデータを自社のモデルのトレーニングに使用しないことも含まれます。

このエンタープライズ リリースは、ソフトウェア開発ライフサイクル全体に AI の支援を導入するという、Google のより広範な取り組みの一環です。

  • 直近のリリース: リリースされたばかりの Code Review Gemini CLI Extension もぜひお試しください。強力な AI 支援とエージェント機能をターミナルで直接利用できます。

  • 今後の展開: Google の取り組みはまだ始まったばかりです。現在は GitHub アプリに新しいエージェント ループ機能を組み込んで、イシューの解決とバグの修正を自動化できるよう開発を進めています。他のソースコード管理プロダクトへのサポートも引き続き拡大しています。

今すぐ公開プレビュー版をお試しください

スムーズに開始できるよう、シンプルなステップをご用意しました。Google Cloud コンソールから組織のオンボーディングを開始できます。設定コードレビュー機能の使用について詳しくは、ドキュメントをご覧ください。オンボーディングについては、こちらの動画もご覧いただけます。

エージェントの全機能を各チームでテストして使用できるように、公開プレビュー版では個々のデベロッパー階層よりも pull リクエストの割り当てがかなり高く設定されています。

-シニア プロダクト マネージャー Ben Weitzer

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